什器
什器(じゅうき)とは日常生活で使用する器具や家具のことである。「什具」ともいう。什器という言葉はもともと仏教用語の什物が語源になっている。什物とは寺院で使用されている器具や備品のことで、生活のために使用されるものも含まれる。なお什物には古くから伝えられている財産という意味もあり、この意味で使われる場合には什宝という言葉が使用されることもある。「什」という漢字には数字の「十」と同じ意味があり、非常に多くのものがあることを表すときに使用されている言葉である。什器の「什」もこのような意味で使用されていて、生活のために使用されている品物の数は非常に多く、十個を一単位として数えられていたことから、什器という言葉が使われるようになった。
什器という言葉を英語に翻訳する場合、言葉の意味によって該当する英単語も異なる。日用品という意味で什器を使用する場合、英単語に訳すると「daily necessities」という単語が、日本語の什器に当てはまる。「daily use items」も同じような意味を持つ英単語である。家具という意味で什器が使用されている場合には、英語に翻訳すると「furniture」になる。仏具という意味で翻訳すると「Buddhist altar fittings」が似たような意味の英単語になる。
日本語で什器というと、代表的な具体例は家具や日用品になる。タンスや棚などは什器の典型的なもので、保管用のアクリルケースなども什器に該当する。日用品として使用されている什器をさらに細かく分類すると、食器や調理用の器具なども什器に該当する。什器という言葉がビジネスの世界で使用される場合にはさらに幅広い種類の品物が含まれる。商品を展示するための備品も、ビジネスの世界では什器には含まれ、ディスプレイ什器として代表的なものがショーケースである。商品の展示のために使用されている什器としてはその他に、陳列台やラック、棚などがある。カートやワゴン、平台なども商業用の什器に分類されている。
商業で什器という言葉が使われる場合には、カタログスタンドやアンケートボックスなども什器に分類できる。店舗で使用されているテーブルやカウンターなども什器に含まれている。スタンドやハンガー、イーゼルなどの細かい備品も什器に含まれていて、非常に幅広い内容の品物が什器に当てはまる。ゴンドラやネットパネルなども商業用の什器に分類されていて、使用する目的によって異なる材料が使用されていることもある。耐久性を重視したい場合に使用されることが多いのが金属製の什器で、軽さや持ち運びやすさを重視する場合には、プラスチック製のものがよく使用されている。
什器という言葉は使われる分野によっても、言葉の意味が微妙に異なる。店舗を運営している企業で什器という言葉が使用される場合には、特に店舗什器という用語が使われることが多い。店舗什器に該当する代表的な品物が、商品ディスプレイやアクリルスタンドである。ショッピングカートやバスケットワゴンなども店舗什器に該当し、店舗を運営する上で必要な備品の多くが、店舗什器という名称で呼ばれている。オフィスで使用される備品はオフィス什器と呼ばれることがあるが、この場合にはオフィスに設置されている棚や各種の器具などがオフィス什器に該当する。
調理施設のある飲食店で使用される器具は厨房什器と呼ばれていて、皿などを保管しておく棚なども厨房什器の一つである。水を使用することが多い厨房では錆に強い素材として、ステンレス製の什器が使用されることも多い。食品を保存する冷凍庫なども飲食店では厨房什器に分類されている。什器の中には営業用什器と呼ばれているものもあるが、この場合の営業用什器とは、店舗や事務所で使用されている営業のために必要な備品のことである。販売する商品以外で、営業目的で使用されているものが営業用什器に当てはまる。
什器という言葉が商業の世界で使用される場合、什器の一般的な意味である日用品や家具とは異なる意味になる。商業の世界で什器とは、商業用に使用されている器具全般を括る言葉として使われていて、商品を展示するために使用されている器具も什器に含まれている。大型の什器は建物の内部に搬入することが難しいことから、オフィスを移転する際に破棄されることもある。什器を専門に製造している什器メーカーとは、主に商業用の什器を製造しているメーカーを意味することが多いが、什器という言葉は公的には使用されていないために、商環境事業をおこなうメーカーとして事業をおこなっている。
店舗用の什器の中には大型のものも多いことから、什器メーカーから購入すると多額の予算が必要になるために、主にレンタルで使用している企業もある。什器のレンタルを専門に行っている企業もあり、商品の展示に必要なディスプレイからオフィス用の什器まで、さまざまなタイプの什器をレンタルしている。企業が什器を購入した場合には経理仕訳の方法にも注意が必要になり、什器の種類によって経理の方法が異なる。短期間で使用される消耗品の場合には一時の費用として経理できるが、長期間にわたり使用できるものは減価償却資産として毎年減価償却費を計上するのが一般的な経理の方法である。
什器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/23 14:43 UTC 版)
什器(じゅうき、appliance)とは、仏教の什物(じゅうもつ)に由来し、寺で宗徒が使う器具、日用品、生活用品を指す。これらは「什」(数字の「10」と同義)「聚」(集まったものという意味)などと呼び、1つや2つなどではなく10を単位として数えなければならないほどたくさんで雑多であることから、中国の宋代に禅宗寺院内で使われはじめた語である。後に什器とも呼び、これが一般化し[1]、日常生活で使用される道具。食器や家具を指す。
店舗什器
店舗什器(てんぽじゅうき)とは、店舗における商用の器材全般を指す。ショールームなどにおいて商品やカタログなどを陳列・設置・掲示するためのラックやショーケース・テーブルのほかの器具・器材のほか、アクリルボックスや商品ディスプレイなど、小型の雑貨も含む。材質も金属・プラスチック・紙など様々であるが、使用目的に合わせて安全性や耐久性が考慮されている。
汎用のものや食品用・服飾用など各商材を対象としたものは店舗器材専門店で取り扱われているが、商品によってはメーカーよりPOP広告を兼ねた専用のものが提供されることもあり、デモンストレーションやキャンペーンに利用される。
主に専門的に各それぞれの什器を扱っている会社があり、レンタルしたり購入する事もできる。 ここ最近では短期間などのイベントに使用する考えも増え、レンタルする人の割合が増えている。 その中で、総合的にディスプレイなどを主としている会社もある。
店舗什器の例
- 陳列台・ラック・シェルフ・ショーケース・ゴンドラ・ネットパネル
- 平台・カート・ワゴン・ステージ・バスケットワゴン
- スタンド・イーゼル・ハンガー
- テーブル・カウンター
- アクリルボックス・商品ディスプレイ
- カタログスタンド・アンケートボックス
産業の帰属と分類
今まで日本国の総務省には店舗什器という専門産業が認定されていない。例えば、大手の店舗什器産業の株式会社オカムラは「商環境事業」で分類されている。
出典
什器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 23:10 UTC 版)
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「什器」の例文・使い方・用例・文例
- 僧が持つことを許されている,各1個ずつの什器類
什器と同じ種類の言葉
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