交渉決裂、ストライキ決行へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 00:18 UTC 版)
「プロ野球ストライキ」の記事における「交渉決裂、ストライキ決行へ」の解説
9月16日・17日、改めて球団側と選手会の団体交渉が東京で行われた。17日の17時までだった交渉期限を2時間程度延長したが合意には至らず交渉は決裂。選手会・球団側の双方は21時10分頃より会見を行い、選手会側は9月18日・19日にストライキを決行すると発表。この結果、9月18日・19日の両日に予定されていた1軍と2軍の公式試合はすべて中止された。 ストライキ決行の日に予定された試合はセ・リーグで首位と2位、3位と4位、5位と6位がそれぞれ直接対決するカードであったこと、一方パ・リーグも首位と2位の直接対決で、勝てば首位が決定する試合だったこと、3位と4位もゲーム差が0.5であり、プレーオフ進出に直結する重要な試合であったことなど、シーズン終盤において注目される試合が目白押しであった。 ストライキの期間中、各球団選手会は独自にサイン会や握手会などのイベントを開催した。また試合が行われる予定だった球場で練習なども行ったが、球団から資金が出ないため移動はジャージ姿で歩いて球場に出向いたほか、練習中の球拾いも選手自ら行っていた。一部球団では球場および球団施設(練習施設・合宿所・寮・ロッカーなど)を閉鎖、または使用の都度使用料を請求するロックアウトも検討された。 野球協約の第7条では「野球活動休止1日につき、年俸の300分の1を減俸することができる」とあり、今回のストライキはこれにあたるとされ、規定に基づき各球団はストライキに参加した選手の年俸をその分削減したが、ストライキで試合が中止になったため生じた損失はこれ以上とされている。なお、日本プロ野球選手会に所属していない外国人選手はストライキに参加していないため減俸されなかった。 連続試合出場などの記録は途切れず継続とされ、例えば金本知憲の場合はストライキのあったこの年を含めた1998年 - 2011年までとなっている。 また日本プロ野球選手会は、9月19日に東京・銀座ヤマハホールで「みんな野球が好きなんだ」をテーマとしたイベント「ファンと選手の集い」を開催した。告知期間は短かったが、多くのファンが訪れたため、1回の予定を急遽2回に変更している。 なお、18日に野球中継を放送予定だったNHK総合テレビは『列島縦断 鉄道12000キロの旅 〜最長片道切符でゆく42日〜』に、19日に野球中継を放送予定だったTBSテレビでは『警察24時』にそれぞれ番組変更して穴埋めした。 また、18日・19日に野球中継を放送予定だった民放ラジオ局では解説者を招いて、揃って『どうなる!?プロ野球』等のテーマで聴取者からFAXやメールを募り、討論番組を放送した。 ストライキで中止となった試合試合開始時間球場一軍ヤクルト×阪神 18:20 - 神宮球場 横浜×広島 14:00 - 横浜スタジアム 中日×巨人 18:00 - ナゴヤドーム 日本ハム×近鉄 13:00 - 札幌ドーム オリックス×ロッテ ヤフーBBスタジアム ダイエー×西武 18:00 - 福岡ドーム 二軍巨人×日本ハム 13:00 - 横手(18日は元々試合予定なし) 西武×ロッテ 上尾 湘南×ヤクルト 18:00 - 横須賀 9月17日終了時点のパ・リーグの順位表球団勝敗差残り試合ダ西ロ日近オ1 ダイエー 76勝50敗4分 - - (2) 0 3 0 0 2 西武 73勝56敗1分 4.5 (2) - 2 0 1 0 3 ロッテ 64勝64敗3分 8.5 0 2 - 0 0 (2) 4 日本ハム 63勝64敗2分 0.5 3 0 0 - (2) 1 5 近鉄 58勝67敗2分 4 0 1 0 (2) - 5 6 オリックス 46勝79敗2分 12 0 0 (2) 1 5 - ※括弧はストライキで中止となった試合
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