事故の原因究明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 15:07 UTC 版)
「倉敷海底トンネル事故」の記事における「事故の原因究明」の解説
事故の原因究明のため、岡山県警や国土交通省、厚生労働省等が捜査、調査を行っている。 海上保安庁第六管区海上保安本部などが2012年2月7日から行った海底調査で、直径約20m、深さ最大5mの円柱状のくぼみの存在が明らかになった。2月9日の鹿島の調査で、くぼみがシールドマシンのほぼ真上であるとともに、マシン付近の満潮時の水深は約15m、土被りが約11.5mであることがわかった。 鹿島は全員の遺体が発見された後も立坑内の資機材の撤去を行い、3月24日に完了した。 岡山県警と岡山労働局、倉敷労働基準監督署は鹿島と共同で、4月13日から14日にかけ水中カメラを横坑内に潜入させ、109番目のリング(横坑の入り口から数えて109番目のセグメントリング、L=152.6m)までは原形を保っていることを確認したが、そこより先は土砂が堆積しており、シールドマシンは確認できなかった。これにより、シールドマシン内で112リングを組み立て中、何らかの原因で110、111リングが崩壊して大量の土砂や海水が流れ込み、事故が起きたと特定された。 シールドトンネル施工技術安全向上協議会は7月23日の中間報告において、事故に対する見解を発表。『トンネル標準示方書―シールド工法・同解説』(土木学会)などの技術標準と照らし合わせ、セグメントの継ぎ手や厚さにおいて基準をあきらかに逸脱した事項は確認できなかったとするとともに、鹿島が韓国製の安価なRCセグメント使用によるコスト削減や工期短縮を優先したと考えられる設計や施工において、想定できていない不安定な要素が事故の誘因になったとした。記者会見で今田委員長は、特にキーセグメント(セグメント組み立て時、最後にはめるピース)とテールシールに注目していると語った。 厚生労働省は、現場に残っていた未使用のセグメントの強度試験を、労働安全衛生総合研究所に依頼した。5月には鹿島へ、事故原因特定のために事故現場を何らかの方法で見られるようにすることを要請した。 鹿島はシールドマシン引き揚げの工事を10月より始め、2013年7月10日より破損したセグメントを、8月24日にシールドマシンを陸上に引き揚げた。マシンに目立った損傷はなかった。鹿島は9月末までに現場の埋戻作業を終え、10月3日に竣工届を提出し、作業を終了した。 シールドトンネル施工技術安全向上協議会の今田委員長は、引き揚げられたシールドマシンなどを8月29日に確認し、得られるべき資料はほとんど手に入ったことから、できるだけ早く結論を出したいと話している。
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