パイロットを称賛する動き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 17:39 UTC 版)
「T-33A入間川墜落事故」の記事における「パイロットを称賛する動き」の解説
入間基地近隣にある狭山ヶ丘高等学校校長の小川義男が、1999年12月1日付の学校通信「藤棚」に本件に関して「人間を矮小化してはならぬ」と題して、両パイロットの自己犠牲を讃える文章を掲載。 2000年(平成12年)3月14日の参議院外交・防衛委員会で、自由党の田村秀昭が上記「人間を矮小化してはならぬ」を取り上げ、防衛庁長官が事故の陳謝をするばかりで、殉職者に対するフォローがない状態について追及した。これに対して防衛庁長官である瓦力が、「(両名が)人家等への被害を回避すべく最大限の努力を行いまして、その結果脱出時期が遅れ、尊い命を犠牲にしたものと考えております」と述べ、改めて敬意と哀悼の意を表した上で、当日の記者会見では、2名の隊員に対して哀悼の意を表したが、限られた紙面・時間枠の中でメディアに取り上げられなかったのだと答弁している。 同年4月13日の衆議院安全保障委員会で、自由党の西村眞悟が再び「人間を矮小化してはならぬ」を引用。同じ委員会で、日本共産党の佐々木陸海が事故の原因究明と周辺自治体への説明が終了するまで全ての訓練を中止すべきと主張したのに対し、瓦力は「周辺の自治体の首長にも(中略)パイロット2名も、人家を避け、都民並びに埼玉県民の多くに停電等の御迷惑をおかけいたしましたが、命を捨てて、いわゆるそれらの事故を避けたわけでございまして、これらの事情も御勘案をいただきたいと思います」と答弁している。 同年に社会貢献支援財団が、両パイロットを表彰した。 2001年3月18日の防衛大学校卒業式で、富士通名誉会長の山本卓眞が来賓祝辞で本件に触れ、自衛隊の活動の成果が国民の理解と支持をもたらしていると述べた。 最終的に、パイロットおよび整備員に過失はなかったとして、2002年(平成14年)9月に埼玉県警察および狭山警察署は、被疑者不詳のまま航空危険容疑で浦和地方検察庁に送検した。この時点までに、両パイロットともさらに1階級特進し、それぞれ空将補・一等空佐となっている。 2014年3月22日、防衛大学校卒業式で訓示を行った内閣総理大臣の安倍晋三が、本件での両パイロットの行動について触れ、自衛隊員としての使命感と責任感について説いた。
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