九十九曲峠越え説と韮ケ峠越え説の伝承とは? わかりやすく解説

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九十九曲峠越え説と韮ケ峠越え説の伝承

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/04 02:13 UTC 版)

脱藩道」の記事における「九十九曲峠越え説と韮ケ峠越え説の伝承」の解説

九十九曲(くじゅうくまがり)峠」とは、梼原町西予市城川町との境界に ある峠で、昭和50年代まで、龍馬はこの峠を越えて脱藩したものと見られていた。その説が生まれたきっかけは、その峠とその上り口にあたる宮野々番所跡に旧梼原村1935年建立した碑にある。峠の碑面には「勤王志士 脱藩遺跡」と刻字されており、番所跡の碑には「土佐勤王烈士十二人前後 此ノ関門脱出シ皆難ニ殉ス」と刻字され、その下には12人の志士の名前が列挙されているのであるが、最初に龍馬の名を挙げているのである。つまり、龍馬も他の志士同様、この宮野々番所破って九十九曲峠越え脱藩したものとみなしているのである。これらの碑の建立尽力したのが、土佐勤王党であった田中光顕であるだけに、誰もその碑文の内容疑いを持たなかったのである。 この峠道における、一般に知られている龍馬伝承は、峠から愛媛県側に下った所にある「龍馬小便」くらいである。龍馬休止した際、道沿い木に小便をかけたというのである。 現在主流となっている韮ケ峠越え説は1988年11月愛媛県在住歴史研究家村上恒夫が各マスコミ発表した説で、峠の位置ルート九十九曲峠ルートよりも北になる。その発表古記録写し元に行ったのであるが、その写しとは、1873年11月15日龍馬義兄にあたる高松順蔵(小埜)が、龍馬脱藩時、同行した澤村惣乃丞からの口述筆記による文書(「覚書関雄之助口述之事」)を写し取ったのである。これには龍馬脱藩した際のルート上の目ぼしい地名が、梼原町四満)川から防府市三田尻まで記されているのである。 これを元に村上恒夫愛媛県内の脱藩道明らかにしたが、高知県内については、梼原町有志教育委員会地元の町の脱藩道調査し、後に龍馬会を設立して地域振興寄与した。他の地区では、津野町布施坂や朽木峠等の一部古道判明したのみであった。それらも含めた全ての地区脱藩道明らかにしたのが、春野公麻呂著の『龍馬辿った道』(105146参照)であるが、高知県日高村日下大橋番所手前から佐川町斗賀野までの区間は、一般的な佐川説とは若干異な部分がある。 更にこの韮ケ峠越え説には、非常に具体的な伝承がある。韮ケ峠に到るまでの間にあるケ峠(まつがとう)番所龍馬脱藩時に通過した際、「坂本龍馬まかり通ると言って堂々と番人の前を過ぎ去った、という伝承である。この伝承については、現地説明板にも記述されているくらい有名であるが、前述の『龍馬辿った道』(236237参照)には、その時龍馬番所まで案内した人物の名や年齢居住地までも記述されている。同書では、脱藩時になぜこのような大胆な態度龍馬が取ることができたのか、ということについて、土佐勤王党員である藩の監察吏、曽和伝左衛門が、吉村虎太郎脱藩時と同様に通行手形融通したためではないか記述している。 なお、龍馬脱藩道紹介した一般的な雑誌ガイド書では、1990年代後半刊行された「龍馬脱藩ゆかりの道関連市町村協議会編著冊子龍馬脱藩・ゆかりの道』を参考にするケースがほとんどであるが、この冊子でも佐川町一部遠回りルートにしている。これは編者である協議会が、各自治体観光部署構成されていることが影響しており、佐川観光名所集中する町の中心部に、龍馬ファンをいざなおうとする意図見て取れる。[要出典] 本来のルート土佐市谷地(やつじ)から佐川町永野に入ると、町の中心部には向かわずそのまま南西斗賀野進んでいる。これは明治期作成され陸軍陸地測量部地形図記載されている道を見ても明らかである。その永野-斗賀野直通の道は1900年佐川町会において、郡道として改修することを高岡郡長に請願していることからしても、藩政期から主要道であったことが分かるまた、冊子前述の四説、全てのルート掲載してはいるが、須崎廻り説については、中村街道載せず、高知市から須崎市までを佐川説と共用コースにしているため、中村街道を辿る場合よりも更に遠回りになっている

※この「九十九曲峠越え説と韮ケ峠越え説の伝承」の解説は、「脱藩道」の解説の一部です。
「九十九曲峠越え説と韮ケ峠越え説の伝承」を含む「脱藩道」の記事については、「脱藩道」の概要を参照ください。

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