不空三蔵表制集巻第五とは? わかりやすく解説

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不空三蔵表制集巻第五

主名称: 不空三蔵表制集巻第五
指定番号 2536
枝番 00
指定年月日 2005.06.09(平成17.06.09)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 書跡・典籍
ト書
員数 1巻
時代区分 平安
年代
検索年代
解説文:  『不空三蔵表制集』は、唐僧不空(七〇五~七七四)の弟子円照えんしょう】(七一九~八〇〇)が八世紀末ころに編纂したもので、六巻からなる構成は、不空から皇帝差し出された表、不空奏状応えて皇帝出した制を中心に祭文碑銘など一三三首を編年体収載している。内容は①朝儀ちょうぎ】や政治に関するもの、②翻経に関するもの、③修寺、造像法会などに関するもの、④僧侶身分人事に関するものに大別される
 この『不空三蔵表制集』は、空海請来しょうらい目録に「大唐大興善寺大弁正大広智三蔵表答碑六巻」と見え諸写本には石山寺旧蔵本のほか、東大寺東南院旧蔵本(平安前期)、東寺観智院蔵本平安中期)、高山寺蔵本院政期)などが知られている。
 本巻体裁巻子装、料紙楮紙打紙うちがみ】を用い淡墨界を施す。巻頭下に黒印石山寺」が捺されており、もと石山寺伝来したことが知られる。なお、本巻以外の石山寺旧蔵はいずれ重要文化財指定されている。
 巻頭に「凡二十九首/答制十六/惣四十五首」とあり、その後目次掲げる。本文は、目次一行にて書き次に本文引用し、末行に年月日および差出を記す。平出へいしゅつ】、闕字【けつじ】が本文中に見えることから、もとの姿を忠実に書写したもので、唐代文書様式を知ることができる。年代大暦七年七七二)六月から同十三八月までの六年間である。大暦九年六月十五日に不空示寂しているので、本巻示寂後における僧俗の諸弟子の手になる上表じょうひょう】、その他不空関係の諸文を併せ収めている。
 制には、示寂直後七月七日に弟子恵朗【けいろうに対して後学教授すること、また同日恵勝に対して塔所において香火焚いて守護するように勅するものなどがある。
 表には、たとえば大暦十年六月十五日が不空小祥忌しょうしょうき】に当たることから、恵朗は千人供および二〇〇串、弟子二人賜うように奏上している。また同十一四月五日、恵朗等は不空の碑を立てることを請うている。さらに、恵果【けいか】(七四六~八〇五)は錦綵【きんさい】を賜ったことを謝しその中で少年のころより二十余年不空仕えたことを述べている。
 本巻真言宗第六祖である不空事跡および恵果はじめとする弟子らの伝などを研究する上で第一級史料であるのみならず唐代における不空中心とする真言密教を知る上で根本史料一つであり、仏教史文化史研究上に注目されるのである
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