ヴォルカン男爵家
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オーギュスト・ド・ヴォルカン 19世紀に金で爵位を買った成金貴族であるヴォルカン男爵家の当主で、欧州でも有数の金融財閥でバーンズワースと提携を結ぶ事実上の傘下企業ヴォルカングループの会長。愚弟アランに誘惑されて裏切った最初の妻と2人目の妻との間に長男ピーエル、次男グザビエを設けているが、生物学上は甥である末子ユージィンを溺愛する人物。自身を愛そうとしなかった母親、その母親に溺愛されて金をせびるばかりの放蕩者だった弟アランを憎悪し、アランが事故で植物人間となって亡くなった際、復讐のためにアラン以上の美貌の子供を作ろうとした。しかし、遠縁ゆえか母親によく似た16歳のクリスティンに一目惚れして彼女の生家ヴァントルツカ家を陥れてまで結婚するが、近寄るだけで怯えて拒絶されて自身の母親の分まで憎んだ彼女にアランの精子でユージィンを出産させた。花鹿がユージィンを救った後、愛しながらも憎んだ妻と死ぬことしか頭に無かったユージィンを心から大切に思っていたことを花鹿に語る。クリスティンと3度目の結婚をする5年前、事故で生殖能力を失い、復讐を考えなくても3人目の子供を持つことは不可能だった。 特別編では爵位と会長職を長男ピエールに譲るが、登場しないまでも存命である。 ピエール・ド・ヴォルカン ヴォルカングループの社長。ユージィンの一番上の兄。父親の愛憎とユージィンの心情を知り、血縁上は従弟でも戸籍上は弟であるユージィンを自身なりに大切にしている。 特別編でヴォルカングループの会長となり、現ヴォルカン男爵となっていた。各国大使や王族が出席する英国大使館主催の公式晩餐会のさ中、最悪のタイミングで届いた花鹿からのメッセージを見せればユージィンの途中退席は目に見えていたが、隠すとへそを曲げて半年くらい行方不明となって父親が卒倒するため、やむなく知らせるも恐れた通りにユージィンに退席されてしまう。離婚歴有り。 グザビエ・ド・ヴォルカン オーギュストの次男。ユージィンの2番目の兄。クリスティンが父の許に嫁いで来た時、妊娠していたのでオーギュストが何処かから相手の男を連れて来てユージィンを産ませたと誤解していた。 特別編「花咲ける青少年」で、兄ピエールにユージィンの所在を問われた際に「グザヴィエ」と誤植が起きた。 クリスティン・ド・ヴォルカン オーギュストの3人目の妻。旧姓は「ヴァントルツカ」。オーストリア人。小さなアパレル会社の社長令嬢。オーギュストの母親の遠縁だけあって自己愛が強いことも祟り、50代の男に嫁がされたばかりか彼の死んだ弟の精子で妊娠させられ「亡霊が育っている」と怯え自殺未遂を繰り返すような地獄の日々の末出産させられたため、19歳の若さで3階の自室の窓から投身自殺を遂げた。自分自身のことしか頭に無かったため、自身がオーギュストに愛されていることを知ろうとせず、近づくだけで怯えて拒絶する態度が恨みを買ったことを最後まで気づかなかった。恐怖しか記さなかった日記を遺し、夫とユージィン、その兄たちとの確執の直接的な原因となった。 先代ヴォルカン男爵夫人 オーギュストの母親、ユージィンの祖母。家同士の釣り合い、財産等の王侯貴族としては当たり前の政略結婚で嫁いだが、容姿が自身と釣り合わない夫を拒絶し続け、その夫に似た長男オーギュストを愛そうとはせず、自身に瓜二つの次男アランを溺愛した。執事オーバックは「ナルシズムの投影」と評している。もう一人の自分自身と看做す分身のアランが事故で植物人間と化し、オーギュストがいると慰めようとする声を聞こうとせず、正当な血はアランだけが継いでオーギュストでは自身の孫は出来ないと言い放ったことが彼の弟に対する異常な復讐の発端となる。 アラン・ド・ヴォルカン オーギュストの弟、ユージィンの生物学上の父親。母親の美貌を受け継いだが、頭の中は空っぽで兄オーギュストに金をせびるしか能のない道楽者。女性にだらしなくて、兄が離婚して再婚を考えていた女性ローザとも肉体関係を結んで兄を嘲笑した。植物状態となって3年後に死亡。
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