ローマ・ストア派とは? わかりやすく解説

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ローマ・ストア派

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/18 15:51 UTC 版)

自然法論」の記事における「ローマ・ストア派」の解説

ローマ・ストア派の思想家たちは、完成された状態よりもそこにいたる過程重視し人間の可謬性を許容した。彼らの思想下に見られるのは、自然法通俗化人間化し、実際的な使用容易ならしめることであったこのような現実主義的傾向は、ローマ法における自然法次のような定義において、やや極端な形述べられている。 自然法とは、自然が全ての動物教えた法である。なぜなら、この法は、人類のみに固有のものではなく陸海生きる全ての動物および空中鳥類にも共通しているからである。雌雄結合、すなわち人類におけるいわゆる婚姻は、実際にこの法にもとづく。子供出生養育もそうである。なぜなら、私が認めところによれば、動物一般が、たとえ野獣であっても自然法知識与えられいるからである。 — 学説彙纂第1巻第1章第1法文第3項 ストア派自然法概念ローマ法律家教父たちに広めたのは、専らキケロであったキケロ自身哲学専門家ではなかったが、ウァロ除けば当時ローマにおける最も哲学的造詣の深い人物のひとりであった。 そもそも自然があらゆる種類生物授けた性質として、生けるものはみ自己の生命身体守り害になると思われるものは避け生きるために必要であるものすべて、たとえば、食物住処といった類のものを探して用意する。…(中略)…自然はまた、理性の力によって、人と人を結び合わせて言葉人生ともにする関係を作り出すわけても生まれてきた子供たちへのある特別な愛を生じさせる。さらに自然は人を促して人々集まり、賑わう場をなし、これに参加したい気持ち起こさせる。そのために、生活の糧にもたしなみにも十分なだけのものをそろえようという努力気持ち起こさせる。そして、この気持ち自分ひとりのためだけでなく、妻や子ら、その他、大切な人として守らねばならない人たちのために生ずる。こうした心がけがまた勇気駆り立て、事を成し遂げる大志育てる。 — キケロ義務について第1巻4節 セネカエピクテトスマルクス・アウレリウスにおいては宇宙や自然がやや宗教的な口調語られるセネカは、友人の「いったいなぜ、世界摂理によって導かれているのに、善き人々に数多の悪が生じるのか」という質問に対して次のように答えている。 君を神々和解させよう最善なる者たちに対して最善なる神々と。当然ながら、善きものが善きものを害するなどということは、自然が許さないからだ。 — セネカ摂理について』1節

※この「ローマ・ストア派」の解説は、「自然法論」の解説の一部です。
「ローマ・ストア派」を含む「自然法論」の記事については、「自然法論」の概要を参照ください。

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