ムッソリーニ排除の動きとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ムッソリーニ排除の動きの意味・解説 

ムッソリーニ排除の動き

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 17:52 UTC 版)

イタリアの降伏」の記事における「ムッソリーニ排除の動き」の解説

1943年春、北アフリカ戦線イタリア軍敗北が明らかとなり、ファシズム体制対す批判国内高まり始めたイタリア独裁者である首相ベニート・ムッソリーニは、ファシスト体制に対してより国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ3世忠誠であると思われる人物を、イタリア政府内から何人排除したムッソリーニによるこれらの人事は、ムッソリーニ政権失策批判してきた王への敵対的な行為と言われた。おそらく、この決定の後、ヴィットーリオ・エマヌエーレ3世は、ムッソリーニ排除講和向けた対抗手段検討し始めた。またムッソリーニ自身病体あり、かつてほどの指導力示せなくなっていた。 王は計画実行するために、上院議長ディーノ・グランディ参加依頼したグランディファシスト組織における主要なメンバー一人であり、若い時にはファシスト党指導者としてムッソリーニ代わることのできる人物であると考えられていた。王は、グランディファシズムに関する考えが、急に変わる可能性があると言う疑いからも、依頼行ったピエトロ・バドリオ自身も含むたくさんの交渉役の人間は、彼に独裁者ムッソリーニ後継者となる漠然とした可能性示したバドリオ指名は、戦争において、イタリアドイツ同盟しているという立場変更はしなかった。しかし、サヴォイア家による平和を求め動き生じていた。実際複数外交チャネル連合国との講和求め模索されていた。 しかしこの情勢は、5月7日にはドイツ察知され総統アドルフ・ヒトラーはこの動き対応するために、5月9日エルヴィン・ロンメル元帥イタリア派遣する計画立てたドイツ連合国軍がサルディーニャ島に上陸するという情報入手して警戒当たっていたが、これは連合国軍欺瞞作戦ミンスミート作戦)であり、7月10日連合国軍シチリア島上陸したハスキー作戦)。 しかし、イタリア軍の対応は緩慢であり、ドイツ国防軍最高司令部OKW)は西方軍集団イタリア寝返り警戒する指令出したヒトラーイタリア情勢対応するためとして、東部戦線からの師団引き抜きクルスクの戦いにおける攻勢ツィタデレ作戦)の中止指令した。(この措置によって東部におけるドイツ攻勢不可能となり、エーリッヒ・フォン・マンシュタイン元帥は「東部戦線主導権ソ連側うつった。我々としては、今後は、我が部隊ソ連軍突破され包囲されて、スターリングラード再現にならぬよう防戦するだけである」と嘆いた)。 7月14日にはピエトロ・バドリオ元帥と、イヴァノエ・ボノーミ元首相ムッソリーニ更迭後の組閣名簿作成した。またヴィットーリオ・アンブロジオ参謀総長ムッソリーニ命令偽り首都警備のため編成され師団ローマから移動させるよう試みた。また複数ファシスト党幹部民心離反感じとり、ムッソリーニ裏切かどうか決断迫られていた。 7月15日バドリオ元帥閣僚名簿首相に奉呈し、クーデター決行国王訴えたが、情報流出をおそれた国王留保した国王懸念通り、この会見はたちまちドイツ側漏洩しヒトラー大使国王義弟にあたるヘッセンフィリップ・フォン・ヘッセン召還し情報収集当たった情勢切迫知ったヒトラーは自らイタリア訪問を行う旨をイタリア通告し7月19日にトレビゾ空港ムッソリーニ会見した当初ヒトラームッソリーニ国王排除させ、より強力な独裁権力確立させるつもりであったが、ムッソリーニ予想以上に衰弱していたため会見そのことにはふれなかった。一方でアンブロージョ参謀総長ムッソリーニドイツ手を切ることを進言したが、ムッソリーニ応諾しなかった。

※この「ムッソリーニ排除の動き」の解説は、「イタリアの降伏」の解説の一部です。
「ムッソリーニ排除の動き」を含む「イタリアの降伏」の記事については、「イタリアの降伏」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ムッソリーニ排除の動き」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ムッソリーニ排除の動き」の関連用語

ムッソリーニ排除の動きのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ムッソリーニ排除の動きのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのイタリアの降伏 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS