マイクロソフトによる買収の試み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 02:38 UTC 版)
「Yahoo!」の記事における「マイクロソフトによる買収の試み」の解説
マイクロソフトとYahoo!は、最終的にすべて失敗に終わったが、2006年および2007年に合併交渉を行った。しかしYahoo!側が難色を示し実現しなかった。また当時のアナリストは、これら2つの企業による合併は賢い選択なのかと懐疑的であった。それらの友好的買収の申し入れがYahoo!に拒絶されたあと、2008年2月1日にマイクロソフトは現金と株式の446億ドルで、Yahoo!側が求めてもいない一方的な買収を申し入れ、それはのちに敵対的買収をめぐる攻防になっていった。数日後、Yahoo!は、ニューズ・コーポレーションとの連携か、大手IT企業のGoogleの支援か、敵対的買収に乗り出すマイクロソフトとの合併の代案をいろいろ考えてみたうえで、Yahoo!のブランド、使用者、投資金、および成長見通しを実質的に過小評価しているとして、Yahoo!は、2008年2月11日にマイクロソフトの申し出を拒否することを決めた。 2008年2月22日、デトロイトの2つの年金企業の申し立てによると、好条件になるかもしれないマイクロソフトの買収提案に反対し、価値破壊的な第三者の取引を追求するということは、株主に対して義務に違反するとYahoo!と取締役会を訴えた。3月初旬、GoogleのCEOのエリック・シュミットが「マイクロソフトがYahoo!買収に成功した場合のことを心配している」と述べたという記事が出た。それによると同氏が、「合併はインターネットのオープン性を損なうことになり、インターネットを痛めつける可能性がある」という考えを持っているということである。4月5日に、マイクロソフトのCEOであるスティーブ・バルマーは、「もしも3週間のうちにYahoo!が取引を受け入れなければ、マイクロソフトは、合併協議(敵対的買収)が進むことを期待して、新しい取締役を選出させるために直接株主に近づくだろう」と述べた。そして、Yahoo!の取締役会に結論を迫る書簡を送った。4月7日のYahoo!の応答では、「Yahoo!としては合併を反対しないとの姿勢で、よりよいオファーを望んでいた。また、マイクロソフトの積極的なアプローチは、Yahoo!との関係と友好的合併の可能性を悪化させた」と述べた。同日、Yahoo!は従来の446億ドルのオファーは受け入れられないと述べた。これに続いてYahoo!とAOLがマイクロソフトとの合併の代案として事業統合の交渉していると報道が出た。2008年5月3日、マイクロソフトが買収を撤回した。Yahoo!は、スティーブ・バルマーとジェリー・ヤンの書簡の中のマイクロソフトの提示額「一株当たり33ドル」の申し出を高めるために、50億ドル多い「一株当たり37ドル」を要求していた。2008年6月12日、Yahoo!は、マイクロソフトとのすべての買収協議が終了したと声明を出した。また同日の午後、Yahoo!はGoogleと検索広告についての提携を発表した。しかし、4か月後の11月5日に提携合意が解消されたことが発表された。Yahoo!の判断に納得のいかない億万長者の投資家、カール・アイカーンはマイクロソフトと交渉のために接近し、理不尽さを感じるYahoo!の現在の経営陣を呼び出して経営陣を刷新する構えを見せた。2008年7月21日にYahoo!は新たな取締役にアイカーンと2名の仲間を指名して送り込むことで合意して和解した。その後、アイカーンは2009年10月23日にアクティビスト(物言う株主)を取締役として置いておく必要はないと述べ、辞任している。 2008年11月20日、一連の騒動からほぼ10か月経って、Yahoo!の株価(YHOO)は、マイクロソフトの提示額が「一株当たり33ドル」だったのに対し、52週安値(過去52週の中で低い値)の「一株当たり8.94ドル」で取引されるまでに下降してしまった。2008年11月30日、マイクロソフトがYahoo!の検索ビジネスを200億ドルで買収すると報道が出た。しかし報道のすぐ後に関係者は否定した。2009年7月29日、マイクロソフトがYahoo!の検索技術について最大限利用でき、Yahoo!はマイクロソフトのプロジェクトの検索エンジン「Bing」を今後使用する10年間の契約が発表された。
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