プロ野球中継放送からの撤退(2017年)
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「TBSラジオ エキサイトベースボール」の記事における「プロ野球中継放送からの撤退(2017年)」の解説
2017年9月29日掲載の『週刊ポスト』の記事を通じて、TBSラジオが同年の日本シリーズを最後にプロ野球中継の制作から撤退する可能性があることが明らかになった。当該記事では、近年の野球中継について、内部情報を基に「聴取率悪化による広告収入の減少や、球場の放送席の使用料の高騰などで、採算が厳しい」という状況にあることを指摘。TBSスポーツアナウンサー時代に長年中継に携わってきた松下賢次は、同誌記者からの取材に対して、「ラジオ中継のファンからブーイングが起こるのではないでしょうか。TBSは日本で初めて帯番組としてナイターを行った老舗であり、音声だけであらゆるものを網羅するラジオ中継はひとつの文化。赤字を理由に辞めるのは悲しい」という趣旨のコメントを寄せた。 上記の報道直後に、TBSラジオでは「2017年内を目処に、独自制作続行か撤退し他社制作を受けるかの結論を出す」という見解を示していた。その後、同年11月29日の入江清彦社長(現:会長)による定例記者会見で、同年シーズンを最後にプロ野球中継から完全に撤退することを発表。この結果、11月4日に『エキサイトベースボールスペシャル』として放送された「SMBC日本シリーズ2017」福岡ソフトバンクホークス対横浜DeNAベイスターズ第6戦中継(福岡ヤフオクドーム、RKBラジオ制作分の同時ネット)が、TBSラジオで放送された最後のプロ野球中継になった。同局におけるプロ野球中継の通算放送期間は66年間であった。 入江によれば、週末デーゲームが増えたことを背景に週末のナイトゲーム中継から撤退した2010年頃から、「『ラジオのマーケット拡大』『TBSの選択肢』という視点で考えれば、『(関東地方で)同じエリアのラジオ局(最大で5局)が同じカードを横並びで放送する』という編成状況はどうなのか」という疑問を持ちながら局内で検討を重ねていたという。その一方で、先の会見では、関東以外の球団所在地が放送対象地域に当たるJRNナイター参加局(北海道放送・東北放送・CBCラジオ・朝日放送ラジオ・毎日放送・中国放送・RKB毎日放送)との制作協力体制を「最終的に調整する」という方針を提示。プロ野球を初めとするスポーツ関連のニュース番組や、プロ野球選手が出演するバラエティ番組については、中継からの撤退後も制作や放送の可能性があることが示唆した。 最終的には、TBSラジオはDeNA主催試合の裏送りおよび技術協力のみ継続し、巨人主催はRFラジオ日本が担当、西武・ロッテ主催は曜日及び時間帯に応じて文化放送とニッポン放送(ロッテ主催は対広島戦デーゲームの中国放送向けのみRFラジオ日本も)が分担という、系列の枠を超えた体制になった。 そしてプロ野球専門の情報番組としては、2021年4月4日から毎週日曜早朝7時から8時の1時間に、お笑いタレント・俳優の石橋貴明(とんねるず)がMCを務める『日本生命 presents 石橋貴明のGATE7』がスタートした。
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