フーガ変ロ長調とは? わかりやすく解説

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フーガ変ロ長調

英語表記/番号出版情報
バッハ:フーガ 変ロ長調Fuge B-Dur BWV 954
バッハ:フーガ 変ロ長調Fuge B-Dur BWV 955

バッハ:フーガ 変ロ長調 (ラインケンの主題による)

英語表記/番号出版情報
バッハ:フーガ 変ロ長調 (ラインケン主題による)Fuge nach Reinken B-Dur BWV 954作曲年before 1717年  出版年1880年  初版出版地/出版社Peters 

作品解説

2007年10月 執筆者: 朝山 奈津子

 ヤン・アダム・ラインケン(1623-1722)はハンブルク教会オルガニストで、バッハ時代にはオルガン芸術巨匠として名を知られていた。1720年バッハハンブルク求職した時、ラインケン試験演奏接し伝統的な技法自在に操るバッハ技量絶賛したという逸話伝えられている。
 BWV954のフーガは、それより少し前、ヴァイマール過去音楽作品研究していた時期生まれた原曲ラインケン器楽アンサンブル曲集『音楽の園 Hortus musicus』(1687)、ハンブルク第2番。元はヴァイオリン2パートヴィオラ・ダ・ガンバチェンバロの4パート想定しており、ソナタと組舞曲1セットとする30から成る舞曲アルマンドクーラントサラバンドジグ基本4曲、ソナタは緩い序奏部フーガ、自由展開部分かれるバッハ用いたのはこのソナタフーガ主題で、原曲ではヴァイオリン受け持っていた。バッハ主題後半同音反復部分回音変更している(第3-4小節)。これは、ヴァイオリン語法から鍵盤語法への転換である。全体はこの主題素材から紡ぎだされる
 この曲に関する記事でしばしば「編曲」とされているのは正確でないバッハ巨匠主題から新たに独自のフーガ書いた。そこには、柔軟明澄バッハ独特のスタイルがすでに芽吹いている。最低声部は主題提示バス音の保持だけでなく、細かな音型を連ねて対位法参入する即興風の単調な摸続進行や掛留は出来るだけ排除されている。終結部分は唐突な中断分散和音のフィギュレーションなどがなく、最低声部での主題提示の後をすっきりとまとめている。
 ヴァイマール期のクラヴィーア・フーガには、初期様式からの脱却明らかにみてとれる作品群があるが、この曲もそうした中のひとつである。


バッハ:フーガ 変ロ長調 (エルゼーリウスの主題による)

英語表記/番号出版情報
バッハ:フーガ 変ロ長調 (エルゼーリウスの主題による)Fuge nach Erselius B-Dur BWV 955作曲年before 1717年  出版年1880年  初版出版地/出版社Peters 

作品解説

2007年10月 執筆者: 朝山 奈津子

 ここに名を残している「エルゼーリウス」がいったい誰なのか、ということは現在、問い直されている。ト長調の稿BWV955aを伝え筆写資料に「フライベルクオルガニストと書き込まれたことが混乱の原因となった。これを受けて全集では「J.C. エルゼーリウス」とされたのだが、この人物はバッハよりも完全に一世代あとの音楽家であるから実際に当てはまらない。もっとも、バッハ創作史や伝記再構築する上で「エルゼーリウス」についての関心尽きないのだが、この作品演奏する上で主題原曲作者はあまり問題ではないだろう
 BWV955はヴァイマール以前初期フーガ一つとして、古いスタイル残している。主題素材によらない単調な摸続進行装飾音型、声部独立性を乱す三和音など、熟し足りないところも散見される。しかし、朗々とした四分音符主題十六分音符装飾的なフィギュレーションの絡み合いが、全体簡明判りすいものにしている。また、音域テクスチュア刻々変化し低音域から重々しく始まり中音域で展開を始め低音がやんで高音域にきらきら漂ったあと、ずしりと低音戻ってくるなど、劇的な演出なされている。
 こうした経過の中で、四分音符主題は、聞き取るべきテーマというよりも曲全体支え屋台骨としてやや後景退いている。そこには、きらびやかな装飾音可能性演奏者開かれているだろう。


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