ナチュラルホルンとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ナチュラルホルンの意味・解説 

ナチュラル・ホルン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 06:05 UTC 版)

ホルン」の記事における「ナチュラル・ホルン」の解説

19世紀前半までバルブ持たず、自然倍音のみを発音できるナチュラル・ホルンが用いられた。この楽器では普通の状態では自由に半音階演奏することはできないバロックから古典派前期ホルンパート比較単純な音形に限られるのはこのためでもある。18世紀中期に、ハンドテクニックの開発すなわちベルの中の右手位置変える事により、自然倍音から音程最大長2度上昇もしくは下降させる奏法ストップ奏法)が考案され、この技法管体自体調性変えることで、開放音とストップ音、ハーフ・ミュートなどによる音色犠牲はあるものの、半音階ある程度演奏できるようになった。この時代からソリストとして活躍する奏者現れ出す。楽器独奏者用のコール・ソロとオーケストラ奏者用のコール・ドルケストルの2種類分かれ前者演奏家サロンもてなされ後者台所ビール傾けるなど、身分的な差もあった。 ハイドンモーツァルトの協奏曲このような時代書かれた。しかし、1814年バルブ出現により、ナチュラル・ホルンは次第バルブ付きホルンに取ってわられることとなる。それでもフランスホルン奏者は、バルブ付きホルン好まずナチュラルホルンを愛用したため、ロマン派時代でもナチュラルホルンのために作曲されていることも多い。自身ホルン演奏したブラームスは、当時ドイツでは殆どバルブホルンに代わっていたにもかかわらず、ナチュラルホルンを好んだブラームス管弦楽作品におけるホルンパートは、ナチュラルホルンを意識した擬古的な書き方になっている。また彼のホルン・トリオは完全にナチュラルホルンのために作曲されている。デュカスパリ国立高等音楽院ホルン科の試験のために作曲したホルンピアノのための『ヴィラネル』」には、前半部にSans pistons(ピストンなしで)という指定があり、この部分はピストンホルンを使いつつもストップ奏法のみで演奏されるようになっている作曲当時同音楽院のナチュラルホルン専攻コースはすでに閉鎖されていたが、ホルン科の学生専攻コース無くなった後もナチュラルホルンを並行して学んでいたことが分かる。 ナチュラルホルンは現代古楽復興流れの中、ヘルマン・バウマンモーツァルトの協奏曲集が録音してから、様々な演奏家によって演奏されるようになっている創立当時より優れたホルン奏者育ててきた前述パリ国立高等音楽院のナチュラルホルン専攻コースは、ピストンホルンの普及とともに19世紀末廃止されたが、近年のピリオド・アプローチの復活とともにパリ管弦楽団首席奏者のミッシェル・ガルサン=マルーによって数年前再開された。彼の定年退職後、現在はクロード・モリーが教授として指導にあたっている。また日本人ホルン奏者根本雄伯パリ郊外カシャン市の国立音楽院でナチュラルホルンを教えている。 再現楽器中には、本来のナチュラルホルンには存在しなかったが、正し音程を出すのを助けるための穴がいくつかあけられているものがある。

※この「ナチュラル・ホルン」の解説は、「ホルン」の解説の一部です。
「ナチュラル・ホルン」を含む「ホルン」の記事については、「ホルン」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ナチュラルホルン」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ナチュラルホルン」の関連用語

ナチュラルホルンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ナチュラルホルンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのホルン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS