セクション31
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 23:55 UTC 版)
『スタートレック:ディープスペースナイン』で初登場。惑星連邦設立当時からあるとされている、異質な秘密スパイ組織(実際には連邦設立前の、ENTの時代から存在する)。その存在も宇宙艦隊の提督クラスのさらに一部しか知らない。宇宙艦隊情報部の下部組織だとも言われているが、組織図に載っているわけでもなく、惑星連邦と直接的な繋がりがあるわけではない。同様の組織にロミュラン帝国にはタル・シアー、カーデシア連合にはオブシディアン・オーダーがあるが、これらの2組織が諜報機関として公式に設置されその存在が一般に知られている。しかしセクション31の名称はもちろん、この惑星連邦の諜報機関の存在はほぼ知られていない。宇宙艦隊が運用している全連邦市民を監視するネットワークプログラム「ウラエイ」から発生した人工知能生命体「コントロール」によって創設・統制され、その未来予測に従って活動しているという。 組織の呼称とその行動原理は地球連合宇宙艦隊憲章第14条31項 (英: Article 14, Section 31) の、「非常事態においてはいかなる規則を曲げることも許される」という条項を都合良く解釈し、常設組織としたものである。組織の名称は31項 (Section 31) にもとづいているが、もちろん非公式な呼び名である。惑星連邦・宇宙艦隊のあらゆる規則に規制されることなく、本来なら違法とされる活動も躊躇なくおこなう。 『スタートレック:ディスカバリー』では秘密基地ならびに30隻を超える宇宙船の艦隊を保有し、秘密裏にタイムトラベルの研究も行う。 構成員は危機的状況に陥った場合、インプラントにより自らの意志で死を選択でき、同時に記憶も遮断することができる。高い能力と正義感を持つ者をスカウトすることで構成員を増やす。『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』ではルーサー・スローンがジュリアン・ベシアをしつこく勧誘する。のちにロミュラン帝国諜報機関「タル・シアー」もその存在を知ることになり独自に調査を開始するが、スローンは処刑され、セクション31なる組織は彼の妄想だったというかたちで調査は終了する。だがセクション31は消えておらず、引き続き活動は行われる。 連邦データベースの記録を自在に改竄したり、みずからの存在の痕跡を完全に消すことも可能である。基本的に独自の活動を行うが、存在を知る連邦高官と取り引きをすることもある。活動内容のほとんどが連邦の規則や倫理を破るもので、連邦の利益となることなら手段を選ばない。 『ディープ・スペース・ナイン』では、地球を訪れたオドーを秘密裏にウイルスの保菌者にし、将来連邦にとって危険となるであろう存在である創設者一族を抹殺しようと計画する。『スタートレック:エンタープライズ』や『スタートレック:ディスカバリー』にも登場している。放送順では『ディープ・スペース・ナイン』よりもあとだが、シリーズ内の歴史としてはこれらの方が早い。また、従来とは異なる時間軸の『スター・トレック イントゥ・ダークネス』(設定は2259年)にも登場し、ここでは通常の部隊を装ってセクション31の名称が使用されているが、施設は秘匿され、建物に入るには厳重なセキュリティチェックを受ける必要があり、活動内容は極秘任務である。映像作品以外では、オンラインゲーム版『Star Trek Online』(設定は25世紀)や小説版『Star Trek: Section 31』シリーズなどにも登場する。 初登場以来、セクション31は「主人公たちがやりたくとも倫理的にできないことを平然とするスパイ組織」「敵なのか味方なのかよく分からない」「突然登場して消える」という、『スパイ大作戦』や『メン・イン・ブラック』に通ずる新しい刺激をスタートレックに与えた。 22世紀 ハリス(『スタートレック:エンタープライズ』) マルコム・リード(『スタートレック:エンタープライズ』) - 脱退 チャールズ・タッカー三世(小説『Star Trek: Enterprise - The Good That Men Do』) 23世紀 リーランド(『スタートレック:ディスカバリー』) フィリッパ・ジョージャウ(『スタートレック:ディスカバリー』) アッシュ・タイラー(『スタートレック:ディスカバリー』) カートライト提督(小説『Star Trek: Section 31 - Cloak』) 23世紀(『スター・トレック』以降の新時間軸) アレクサンダー・マーカス提督(『スター・トレック イントゥ・ダークネス』) トーマス・ヘアウッド(『スター・トレック イントゥ・ダークネス』) 24世紀 ルーサー・スローン(『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』) マシュー・ダワティ提督(小説『Star Trek: Section 31 - Abyss』) Cortin Zweller 中佐(小説『Star Trek: Section 31 - Rogue』) Aubin Tabor 大使(小説『Star Trek: Section 31 - Rogue』) Roberta Luke 少尉(小説『Star Trek: Section 31 - Shadow』) 25世紀 フランクリン・ドレイク(オンラインゲーム『Star Trek Online』)
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