スマートフォンとの違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 06:03 UTC 版)
ガラホはスマートフォンと同じ技術(特にAndroid OS)を用いていても設計および想定されている用途が全く異なるため、使用にあたって注意が必要な部分がある。 たとえばGoogleアカウントを本体に設定し、GmailなどGoogleが提供する各種サービスを公式アプリで連動させて使う事は出来ない。利用する場合はブラウザから登録・ログインして利用する方式となる。またアプリのインストールについてはGoogle Playに非対応である事に加え、いわゆる「野良アプリ」のインストールについてもロックがかけられているので、メーカーやキャリアが配信する専用アプリ以外は基本的にインストールできない。 Google Playへの対応ならびに先述のアカウント設定などには、省電力化を優先してOSにバックグラウンド通信を遮断する改修を施した事や、端末の製造元がGMS(Google Mobile Services)ライセンスを取得する必要があり、タッチパネルの搭載が取得の基本要件となっているためと考えられる。また野良アプリに対するロックも、タッチパネル搭載を前提としたアプリが多く正常な動作が保証できないためと考えられる。ただ、専用アプリ以外のアプリがインストールできない事によって、スマートフォンにおけるウイルス感染の大きな原因である「偽アプリ」のリスクを大きく減らせるため、スマートフォンよりも相対的にセキュリティが強固になるという副産物的なメリットも生んでいる。第18〜19代総務大臣の高市早苗は公務にガラホを用いる理由として、この点に着目したと窺える発言を残している。 しかし、アプリをインストールできないため、ガラホを用いたモバイルバンキングの場合、金融機関が採用するパッケージによっては、スマートフォン向けのサービスを使用する故に、ワンタイムパスワード使用のためのソフトウェアトークンを導入できないため、結果として、ガラホではモバイルバンキングが利用できない(よくて、動作保証外)としているケースも少なくない。ワンタイムパスワードをハードウェアトークンやEメール、SMS、インターネットバンキングの会員カードに記載された乱数表を用いる金融機関であれば、パソコンやスマートフォンはもちろんのこと、フィーチャー・フォンのような操作性と同様とはいかないものの、辛うじて利用できる場合もある。 なお、これらの問題に対しては、OSの「開発者オプション」という機能を用いてAPKファイルをパソコンから転送するなどの方法を用いればアプリを自由にインストールする事も不可能ではないが、本来は文字通りアプリ開発者が動作検証などを行うために用いる方法であるため問題が発生しても自己解決が前提となる。 ガラホと酷似した外見で、過去に発売されたスマートケータイ(スマケー)と呼ばれる製品群は、画面がタッチパネルでありOSの改修も小幅なため、アプリのインストールが自由にできるなど完全にスマートフォンとして設計されている点が最大の違いである。しかしその実態はフィーチャーフォンの筐体にスマートフォンの中身を強引に移植したような無謀な設計であったため、フィーチャーフォンとスマートフォン双方の欠点ばかりが合わさってしまい商品展開は短命に終わった。ガラホの開発に際し、タッチパネルの採用を見送ってでも片手操作にこだわり、バックグラウンド通信の抑制など省電力化に力を入れたのもこのスマートケータイでの反省を取り入れての方針であるという。
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