スマートケータイ(スマケー)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/01 14:18 UTC 版)
「ガラパゴススマートフォン」の記事における「スマートケータイ(スマケー)」の解説
2011年頃にはSoftBank 007SHなどのテンキー付きスマートフォンが「スマートケータイ」という商品名で販売されていた。これもガラパゴススマートフォンの一種と言える。なおスマートケータイはSoftBankの登録商標であるため、他キャリアの類似端末(docomoのSH-02DやauのIS11SH)は厳密には当てはまらないが便宜上この節で包括して扱う。 スマートケータイは、フィーチャーフォン利用者の中でも「タッチパネルでの操作に抵抗感を持っている者に向けた練習台」というコンセプトで開発された端末である。外見はフィーチャーフォンの画面部分をタッチパネルに取り替えたような形状である。それに対し、GUIや搭載する機能は多くのガラパゴススマートフォンとほとんど同じであり、いわゆるケータイ型スマホのこと。 そのため外見はフィーチャーフォンに似ていても実際の操作感覚は全く異なる。たとえば文字入力ではタッチパネルに適したフリック入力とテンキーに適したトグル入力の切り替えが自動で行われず、フリック入力とトグル入力の自動切り替えがなくテンキーの「あ」を5回押すと(あ→い→う→え→)「お」と入力したい所が「あああああ」となってしまうケースもあったほどで完成度が高いとは言い難いものであった。さらに、テンキーを使った片手持ちでは全ての操作が出来ず、両手持ちに持ち替えてタッチパネルも併用しなければならないため操作の煩雑化を招いた。 また、フィーチャーフォンは1回の充電で長時間使用できる事が長所として知られているが、これはバックグラウンドでのデータ通信はほとんど行わないなどの省電力な設計に起因しており、バッテリーの容量自体はスマートフォンより遥かに少ない。これを無視してバッテリー容量が少ないままスマートフォンの機能をそのまま搭載したため、消費電力の大きさとバッテリー容量の少なさの負の相乗効果で、異常なほどに電池切れを起こしやすい。これらの欠点が露呈して購入者の支持は伸びず、スマートケータイの商品展開は短命に終わった。 その後、2015年春より「ガラホ」と呼ばれる端末が登場した。それらは外見は似ているが、スマートケータイの「スマートフォン移行の練習台」というコンセプトを改め、「フィーチャーフォンの正統進化」として開発された端末である。そのため、OS・ミドルウェア・ハードウェア等のそれ自体はスマートフォンのほぼ流用だが、コンセプトは完全にフィーチャーフォンであり、バックグラウンド通信を抑制するための改修がOSに施されている、アプリのインストールに制約がある、機能面が従来型のフィーチャーフォンと同程度に絞り込まれているといった違いがある。 一方でこのガラホの登場を受け、フィーチャーフォンではなく「テンキー付きスマートフォン」を欲するニッチ市場を狙う流れも生まれた。既にSIMフリーのテンキー付きスマートフォンとしてLGのWine Smart LGS01やFREETELのMUSASHIが発表されており、さながらスマートケータイの再興のような現象となっている。余談だが日本国外、とりわけ中国市場では日本のスマケーによく似た設計コンセプトのテンキー付きスマートフォンが富裕層に人気を博しており、中には全面タッチパネル型スマートフォンのハイエンド機にも匹敵する高性能CPUや大容量RAMなどを搭載した機種も存在するほどである。
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