スマートグリッドとの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 03:29 UTC 版)
「充電スタンド」の記事における「スマートグリッドとの関係」の解説
スマートグリッドの一環として、充電スタンドを電力供給の調整に用いようとする試みがある。充電スタンドは、電気によって走行するあらゆる車輌類と共にスマートグリッドの末端に位置するため、化石燃料を基盤とするエネルギー社会から、再生可能エネルギーや次世代エネルギーを基盤とする、新産業への参入機会を伺う国際的な大企業や、各国政府とその配下の団体を含めた多くの関係者にとって、規格の策定に加わることや、インフラの独占が目指されている。 スマートグリッドでは、家庭でのEV類への充電時間をコントロールするスマートメーター機能とも重なるアイデアに加え、V2HとV2Gという2つの機能も想定されている。 HEMS Home Energy Management System(家庭エネルギー管理システム)の略。家電の電力管理を行うためのシステムであるが、管理対象を太陽光発電や電気自動車等にまで広げる構想がある。 V2H "Vehicle to Home"(車輌から家へ)の略。太陽電池や燃料電池といった自家発電装置とEVを電気的に接続し、EVが家庭内に駐車している間は搭載バッテリーを戸別発電システムの一部として充電/放電という双方向の電力のやり取りを行うというものである。家庭内での直流給電とも関係する技術であるが、普及が進むデジタル家電は交流電力利用のため、実現には障害が大きい。電力の無駄を省きながら地域全体での消費と供給の平準化とそれによるコストダウンを目指す考えである。 V2G "Vehicle to Grid"(車輌から配電網へ)の略。夜間や休日などで停車中のEVをスマートグリッドに接続することで、搭載バッテリーをスマートグリッド全体の蓄電設備として電力会社が利用するものである。V2Hと同様に電力の無駄を省きながら広域での消費と供給の平準化とそれによる電力会社側の発電や蓄電設備の設置負担軽減を目指す考えである。V2Gは電力会社の新たな収益源と期待されるアンシラリーサービス(ancillary survice、優先的品質確保供給保証サービス)を実現するためのシステムとして機能する。 問題点 HEMS、V2H、V2Gのいずれも、バッテリーから他の用途に電力供給を行う状況が不定期に発生するため、EVの使用者が利用したい時に十分なバッテリー残量がなければ走行可能距離が不十分となり、EV本来の利便性が大きく損なわれる。。 家庭用太陽光発電には余剰電力の固定価格買取制度が存在するため、V2Hの自家発電電力のバッテリーへの充電部分は自家消費となり、売電できず、経済的損失につながる。損失補償を誰が負担するかが問題となる。 外部に電力供給を行う場合があるV2Gでは、外部利用によるバッテリーの無償利用が発生するため、設備利用負担をどう分担するかが問題となる。
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