シャフルボード
歴史と概要
シャフルボードは、細長い杖(キュー)で円盤(ディスク)をコート上に押しだし、コート内に描かれたスコアリングダイアグラム(得点区域)にディスクを多く留めることで得点を争うスポーツです。コートは、ボーリングのレーンのように両側にガーターがある正式なコンクリート製のものから、平らな場所にビニールシートまたは専用カーペットを敷いて楽しむものまでさまざまです。
競技スタイルは、キューを用いたカーリングのようなものといえばいいでしょうか。適度な運動量が得られ、頭脳プレーが大きく勝敗を左右することから、男女差がなく、世代を越えて楽しめるスポーツです。
シャフルボードは、19世紀の頃、大西洋を往く豪華客船の甲板で船客同士がプレーしていたものが原型。1913年に、船旅から戻ったアメリカ人夫妻がフロリダ州デイトナビーチに伝え、現在の形になったといわれています。1931年には全米シャフルボード協会が設立され、スポーツとして定着しました。その後、カナダ、オーストラリア、ブラジルへと広がります。
日本に紹介されたのは1970年代に入ってからです。79年には日本、アメリカおよびカナダの3国によるインターナショナル・シャフルボード協会が設立されました。81年より年1回国際大会を開催し、日本からも毎年選手団を派遣しています。また88年と99年には、日本が国際大会の開催地となりました。国内では日本シャフルボード協会主催で、男女選手権(男子:ホーキンス杯、女子:エルシー杯)を含め、年5回全国大会を開催しています。
競技方法と主なルール
通常1人対1人で得点を競います。コートの片側に先攻・後攻すべてのディスク(各4枚)をスターティングエリア(10-OFFの位置)に並べ、交互に長さ約190cmのキューを使ってディスクを静かに押し出すようにシュートします。各人が4投を終えた時点で1フレームが終了し、コート上のダイアグラム内に留まったディスクを得点化してスコアボードに記します。
ダイアグラムには10点、8点、7点の枠と、その奥に10-OFF(マイナス10点)の枠があり、これが勝負を左右します。ディスク同士を接触させて、相手ディスクをエリア外へはじき出したり、マイナス10点の枠に移動させたり、と互いの駆け引きが見どころです。少しでもラインに触れているディスクはカウントしないので(ディスク全体が枠内におさまっているもののみ有効)、微妙な接触でノーカウントに変わります。そういう意味では、最初のディスクの位置どりなど、周到な作戦が要求されるのもゲームの楽しみをアップさせてくれます。
1フレームごとにコートチェンジ(ディスクが留まっている側に選手が移動)、先攻・後攻が交替します。
勝敗の決め方は、フレーム数を定めて(8・12・16のいずれか)合計点を競う方法と、マッチポイント(50・75・100のいずれか)を定めて、先取した者を勝者とする方法があります。ともに同点(デュース)の場合は、2フレームずつのサドンデスで、勝敗が決するまでゲームを続行します。
シュートに関する基本ルールは次の3つ。
1. キューヘッドを必ずディスクに付け、その立ち位置からシュートを開始します。
2. スキップは基本的に2歩。しかし1歩でもノーステップでも構いません。ただし、シュートの途中でキューヘッドがディスクから離れ、再接触した場合、その1投は無効となります。
3. デッドラインに到着しなかったディスク、また一旦コート外に出てから再びコート上に戻ってきたディスクは無効とみなし、ただちにコート上から取り除かれます。
シャフルボード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/26 18:02 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動シャフルボード(英語: shuffleboard)は、細長いコートの上でディスク(円盤)を押し出し、「ダイアグラム」と呼ばれる得点盤上に到達させてその得点を競うニュースポーツ。シャッフルボードとも呼ばれる。
歴史
15世紀のイギリスで行われていた「ショーブボード(shove board)」ないし「ショベルボード(shovel board)」と呼ばれるスポーツが起源とされる。19世紀後半、船旅の間に甲板で過ごす際のレクリエーションとして広まり、1913年、アメリカのホテル経営者がこれをヒントにフロリダ州デイトナで始めた。
日本では第二次世界大戦後、国際基督教大学に宣教師が日本国内初のシャフルボードコートを作った[1]。1979年、日本シャフルボード協会が創設され、日本における本格的な普及活動が始まる。同年に国際シャフルボード協会が設立、1981年より毎年、国際大会が開催されている。
ルール・用具
1対1のシングルスと2対2のダブルスの試合形式がある。刺又状に先端が二つに分かれたキューを用いて、先攻が黄色、後攻が黒のディスクを交互にそれぞれ4枚投げると1フレームになる。
タンポポ・シャフルボード
タンポポ・シャフルボードは、高齢者や障害者向けに1996年ごろに考案された[2]シャフルボードの一種である。通常は両端にそれぞれ1つずつあるダイアグラムを一方だけとし、半分の長さのコート、短いキューを用いる。
脚注
- ^ 日本シャフルボード協会. “歴史”. 2012年4月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年7月9日閲覧。
- ^ 野々宮徹『ニュースポーツ用語事典』遊戯社、2000年、p.68.ISBN 4896596250
外部リンク
「シャフルボード」の例文・使い方・用例・文例
- シャフルボードというスポーツ
固有名詞の分類
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