クーペ・カブリオレとは? わかりやすく解説

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クーペカブリオレ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/07 23:14 UTC 版)

クーペカブリオレcoupé cabriolet 、別名:クーペコンバーチブル、リトラクタブルハードトップ、バリオルーフ)とは自動車のボディタイプの一つで、開閉式ハードトップを備えたオープンカーのことをさす。

概要

幌の代わりに鉄(もしくはアルミFRP)の屋根を開閉するため、オープン状態ではカブリオレに、クローズド状態ではクーペに変身できるのが特徴である。ただし、屋根を収納するスペースとしてトランクを使用するためデッドスペースが生じ、車両によってはカブリオレ時にはトランクとしての使用はほぼ不可能な車両もある。

プジョー 601 C エクリプス
1934年

この機構の嚆矢とされるのが、歯科医でありながら自動車の設計スタイリングにもその才能を発揮したフランスのジョルジュ・ポーラン(Georges Paulin)が1933年1932年説もあり)に特許を取得した、「エクリプス」と名付けられた電動油圧格納式メタルトップである。カロセリー・プルートー(Carrosserie Pourtout)の協力を得てパナールをベースとしたデモカーを製作した結果、プジョーがこれを採用し、1934年5月以降、601 C エクリプス401 エクリプス301 エクリプスを相次いで発表、翌1935年パリ・サロンでは401 エクリプスに代わる402 エクリプスを発表している。カロセリー・プルートーは、同年にランチア Belnaでも通常の幌モデルに加え、「エクリプス」を手がけている。

上流階級を得意客として発展した欧州の高級車メーカーやコーチビルダーは、1929年世界恐慌から第二次世界大戦にかけて倒産や業態の転換をやむなくされてこれらの贅沢なモデルも全滅し、欧州車での同様の機構は60年以上後に発表されるプジョー 206 CCまで途絶えることとなる。

プレイボーイ 1948モデル

1947年に米国のプレイボーイ・モーター・カーが販売した唯一のモデルであるプレイボーイで、初めて屋根が分割格納式となった。プレイボーイは「コンビネーション・コンバーチブル・クーペ」と名付けられた前席3人乗車の小型オープンモデルで、後部トランクに格納されるスチール製トップは、中程がヒンジで折れ、折りたたみ部はゴムガスケットシールされていた。手動操作であったが、コンパクトにまとめられており、運転席から上げ下げできた。同社はこの一車種のみを100台足らず生産し、1951年に倒産した。

フォード フェアレーン
500 スカイライナー 1958モデル

1957年には、フォード・モーターが「フェアレーン 500 スカイライナー」を発表し、電動オペレーションをおこなった。モーターが7個、リレーが10個、サーキットブレーカー8つ、ワイヤリングは600ft(183m)以上になったという。開閉時間は40秒だった。1959年にはカタログから消えたが、このときの技術要素は以後のコンバーチブルに応用された。

その後、1992年に発表されたホンダ CR-Xの三代目となる「デルソル」では、日本国内と欧州向けの上級モデルに、エレベーター(上下移動)とコンベア(前後移動)を用いた電動格納ハードトップの「トランストップ」が設定された。45秒で開閉した。1995年には三菱 GTOの北米モデル、3000GTスパイダー・リトラクタブルハードトップが発売。1996年にはメルセデス・ベンツの初代SLKが発売。以降クーペカブリオレは各メーカーから発売された。

現在はリモコンでの開閉機構を装備するものも多く、また開閉時間も20秒ほどとなってきている。2005年ルノー メガーヌ・ガラスルーフ・カブリオレでは電動格納式グラスルーフを装備した。ハードトップではあるが、日本の車検証の形状欄はソフトトップと同じく「幌型」となる。

屋根閉状態
動作中
屋根開状態

ソフトトップ復活の動き

2000年代以降は電動開閉式クーペカブリオレの車種が減少しつつあり、日本メーカーではレクサスIS Cがクーペカブリオレを採用していたが2014年に廃止。現行車種としてはダイハツから2002年から発売されているコペンと、マツダから発売されているロードスターRFのみである。

欧州車としてはメルセデスベンツSL5代目SL6代目SLがクーペカブリオレを採用していたが7代目からはソフトトップを採用している。また、BMW4シリーズは、初代はクーペカブリオレを採用していたが2代目からはソフトトップを採用している[1]

脚注

  1. ^ “BMW 4シリーズカブリオレ 新型、縦長グリルにソフトトップ採用…欧州発表”. Response. https://response.jp/article/2020/10/02/338978.html 

関連項目


クーペ・カブリオレ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 14:55 UTC 版)

ルノー・メガーヌ」の記事における「クーペ・カブリオレ」の解説

略称は“CC”。3ドアベースドイツカルマン手掛けたオープンモデル。22秒で自動開閉するガラスルーフハードトップを持つカブリオレ架装したクーペカブリオレで、後輪直前サイドシルに“KARMANNロゴ刻印がある。ボディ2ドア定員は4人。荷室容量クローズ490 L、オープン190 L。オープン化に際して各部補強により車重ハッチバック比べて200 kgほど増加しているが、重い荷重考慮した専用設計サスペンションセッティングにより、路面からの衝撃しなやかに吸収するように仕上げられた。 グラスルーフは赤外線78%、紫外線95%遮断するという特殊なガラス採用しルーフ閉時も開放感維持するなど、快適性実用性兼ね添えた事故による横転時には自動的にリアシート後方のアンチロールオーバーバーが0.5秒で130 mm上昇し乗員保護する仕組みで、Cセグメントのカブリオレモデルとして世界初ユーロNCAP5つ星獲得するなど高い安全性を持つ。 日本仕様はグラスルーフ・カブリオレと呼ばれる右ハンドルで、トランスミッションマニュアルモード付の4AT。リアナンバープレートについては、そのまま装着しただけでは開閉支障きたしてしまうため、専用ステー設けEU規格位置よりやや上方装着する格好となる。

※この「クーペ・カブリオレ」の解説は、「ルノー・メガーヌ」の解説の一部です。
「クーペ・カブリオレ」を含む「ルノー・メガーヌ」の記事については、「ルノー・メガーヌ」の概要を参照ください。

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