クモハ113・112形300番台(→5300番台)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 07:38 UTC 版)
「国鉄113系電車」の記事における「クモハ113・112形300番台(→5300番台)」の解説
1996年3月の山陰本線園部 - 福知山間の電化に伴い、2両編成での運転のためモハ113・112形の先頭車化改造により1995年から1996年にかけて改造された。宮原電車区に所属していた0番台新製冷房車(0'番台)の電動車ユニットからの改造で、車両番号は300番台に区分された。種車の番号がモハ113・112形の329 - 337(6337)であったことから300番台となったともいわれている。 2両編成6本が改造され、301・306・308が欠番となっている。本来は300番台を9編成用意する計画だったが、阪神大震災の影響により車両転配計画が変更され、不足する3編成が800番台2両編成のワンマン化改造で賄われたためである。 番号の対照は以下のとおり モハ113/112-329 - 332・6335・6337→クモハ113/112-302 - 305・307・309→5302 - 5305・5307・5309 先頭車化改造では、工事費低減のため廃車となったクハ111形の前頭部が接合された。ワンマン運転を考慮して最前部の客用扉が運転台の方向に640 mm移設され、Hゴムの固定窓が2枚並ぶ形態となった。前照灯は全車ともシールドビーム灯で統一されている。塗装は湘南色であるが、ワンマン車であることを識別できるようクリーム色の帯が入れられた。 4両編成の7500・7600番台と同じく、電気連結器の設置、客用扉のドアボタンによる半自動化が行われ、クモハ112形には800番台と同様にトイレが設置された ほか、クモハ112形304、309は車体前部にもパンタグラフが増設され2基搭載となった。 改造前は京阪神快速用として全車とも高速化改造やブレーキてこ比変更を受けており、300番台への改造直前に6000番台からブレーキてこ比が戻され5000番台に、続いて高速化が解除され0番台に戻っていた。307・309の2編成は300番台への改造と同時に高速化解除とブレーキてこ比復元が行われたため、6000番台(6335・6337)からの改造となった。 800番台(後の5800番台)とともに福知山電車区に配置され、編成番号はS編成となった。改造が早かったため、山陰本線電化完成までの間岡山地区で使用された実績もある。貸出は2編成で4両で使用されたがトイレ使用可能が2ヶ所になったため、中間に連結されたクモハ112ではトイレの使用が停止扱いだった。 300番台への改造から間もない1996年に再び高速化改造が施工され、全車とも番号に5000が足されて5300番台に改番された。ブレーキてこ比の変更は行われていない。 1999年から2000年にかけて、5304、5302の2本で体質改善40Nリニューアル工事が施工された。他の体質改善車と異なり、内装は従来のクロスシートが存置されるなど原型を留めている。 5300番台原型車の車内。 5300番台原型車の運転台付近。運転台仕切りの形状が独特。 5300番台リニューアル車の車内。 5300番台リニューアル車の運転台付近。座席配置は原型のまま。 5300番台リニューアル車のトイレ付近。対面は他の体質改善車と同じく車椅子スペースとなっている。貫通扉が独特。
※この「クモハ113・112形300番台(→5300番台)」の解説は、「国鉄113系電車」の解説の一部です。
「クモハ113・112形300番台(→5300番台)」を含む「国鉄113系電車」の記事については、「国鉄113系電車」の概要を参照ください。
- クモハ113・112形300番台のページへのリンク