エジプトへの遷都とは? わかりやすく解説

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エジプトへの遷都

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 22:41 UTC 版)

ファーティマ朝のエジプト征服」の記事における「エジプトへの遷都」の解説

最初カルマト派攻撃撃退した後、地方混乱続いていたにもかかわらずジャウハル主君ムイッズ迎えにあたってエジプト十分に鎮静化していると判断したファーティマ朝カリフ宮廷全体財宝、そして先祖までも含むイフリーキヤからエジプトへの移動準備始めた長い準備の末にファーティマ朝支配者とその随行団は972年8月5日イフリーキヤのマンスーリヤを出発し、アイン・ジェルーラ(英語版)に近いサルダーニヤに向かった。そこで次の4か月の間にカリフへの随行望んだファーティマ朝支持者たちが一団加わってきた。10月2日ムイッズはブルッギーン・ブン・ズィーリー(英語版)をイフリーキヤ総督任命した11月14日人々動物たち巨大な隊列エジプト向けて出発し973年5月30日アレクサンドリア続いて6月7日ギーザ到着した途中、アブー・ジャアファル・ムスリムが率い地元名士代表団合流し、旅の最終段階同行した6月10日ムイッズナイル川渡りフスタートとそこで準備されていた祝賀祭を無視して新し首都直行したムイッズはその都市の名前をカイロの名で知られるアル=カーヒラ・アル=ムイッズィーヤ(ムイッズ勝利)と改名したファーティマ朝カリフとその宮廷到着エジプトの歴史における重要な転換点であった。すでに先行したトゥールーン朝イフシード朝政権の間にエジプトプトレマイオス朝以来初め独立した政体中心地となり、自立した一大地域勢力として浮上していた。それにもかかわらず、これらの政権野心地域的なもの留まり、その野心アッバース朝宗主権範囲に留まってい政権支配者人格と結びついていた。これとは対照的にファーティマ朝政権アッバース朝に対して明確な敵対姿勢取りイスラーム世界統一という自身与えられ宗教的な使命帯びて拡大主義的であるとともに革命的な勢力であることを示した。この出来事東方イスラーム世界における十二イマーム派スンニ派発展にも影響与えたファーティマ朝イスラーム世界における指導者地位を真剣に主張する存在として現れたために、他のシーア派、特に最大宗派である十二イマーム派イスマーイール派ファーティマ朝との差別化余儀なくされ、独自の教義儀式祭礼特徴とする明確に異な集団となることでより一層分離進んでいった。さらにスンニ派の間でも同じよう変化促されアッバース朝カリフカーディル在位991年 - 1031年)によってスンニ派教義と反シーア派掲げた綱領英語版)が成文化されるに至ったその結果として、シーア派スンニ派の間で相互に排他的な集団となる形で分断固定化した。歴史家のヒュー・ナイジェル・ケネディ(英語版)が記しているように、「もはや単なるイスラーム教徒でいることは不可能だったスンニ派シーア派どちらか一方であった」。 エジプト征服から2世紀後の1171年サラーフッディーンによってファーティマ朝支配終焉迎え結果としてファーティマ朝野心実現失敗した。そしてエジプトスンニ派による統治アッバース朝宗主権復活したそれでもなおファーティマ朝エジプト変容させ、普遍的な帝国中心地としてのカイロ基礎築いたそれ以来カイロイスラーム世界主要な中心地一つであり続けている。

※この「エジプトへの遷都」の解説は、「ファーティマ朝のエジプト征服」の解説の一部です。
「エジプトへの遷都」を含む「ファーティマ朝のエジプト征服」の記事については、「ファーティマ朝のエジプト征服」の概要を参照ください。

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