や・ら・わ行・ん
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 16:06 UTC 版)
や 命令型。「はよぅせえや(早くしろ)」(安芸) やおい やわらかい。 やし うそを言う人。だます人。山師からきている。「あんたあ、やしじゃねえ」 やっちもない しょうもない(東部) やねこい だるい・しんどい・難しい。最近は県内でも主に年配の世代で使われ、若者はあまり言わない。「この山を登るんはやねこいでぇ(この山を登るのはだるいよ)。」 やぎろおしい ややっこしい、むずかしい。「あんた、やぎろおしいことをいいんさんな(あなた、ややっこしい(難しい)事を言わないで)」。 やーや 感嘆句。「やーや、どぶにはまっとらあ。」または「やー、きしゃなあ(きたない)。」 やーやー うるさく。「やーやー言う(うるさく言う)」 やれん やっかい、しんどい、の意。「あれはやれんことばぁ言うけえのぉ(彼はやっかいなことばかり言うからなぁ)」(西部) ゆうことがええよ! 相手の物言いに不平がある場合に使う慣用句。共通語で訳すと「言うことがいいな」だが、「いいな」は皮肉で、実際は言うことは「悪い」という意味。 ゆうとったるがの! (最初に)言っておくがな! ゆわん 言わない。ゆわんでいいんよね(言わなくていいのよ) 〜ゆん? 〜言うの? ゆん? と「ゆ」の方を強く発音する。「なんてゆん?(何と言うの?)」「どーゆん?(どう言えばいいの?)」 ゆーたげんさんな 言うのはやめてあげなさい。 よいよ 文頭に用い、あきれた気持ちを表す。「よいよ、あんたぁ何回言やぁわかるんねえ。」(まったく、あなたは何度言ったら解るのか。) よぅ〜せん(れん、ん) 〜できないの意。元は古語で、西日本では現在も広範囲で使われる。似たものに「〜れん」と言うのもある。「そりゃぁよぅ食べん」と言った時には自分の都合、例えばアレルギーなど、で食べられないことを指し、「そりゃぁ食べれん」と言ったら上記の場合も、またそのものが食べることが不可能な場合も指しうる。 よぉ 良く。 よぉよぉ 良く良く。 よぉよぉせにゃぁ 良く良くしないと。 → せにゃぁ/せんにゃぁ/せんとぉ。 よおけぇ(よおけ、よけぇ) 沢山・多いの意味。余計という言葉の変化と思われる。えっととの違いは微妙だが、数が多い場合によおけぇを使い、量が多い場合にえっとを使う傾向が見られる場合もある。どちらかしか使わない(知らない)人も多い。「えらいよおけぇもっとりんさるのぉ(すごく沢山持ってらっしゃるなぁ)」; よかる:寄りかかるの意。 よごれ 見た目の汚れた人ではなく、生き方のなっていない人の意。「あんたあ、よごれじゃのに、けがれじゃねえ。」(君は、見た目汚いのに、汚いのが嫌いなんじゃねえ。)転じて、自分には甘いのに人には厳しいという指摘に使う。 よす 仲間に入れる。 よせる 仲間に入れる。 よしてえや〜 私(私たち)も仲間に入れてくださいの意。子供が遊びの輪に入りたいときの呼びかけ。 よったり 4人 ○○よーねぇ ○○だよ。「そんなん簡単よーねぇ(そんなの簡単なことだよ)」。 よばれる ご馳走になる。 「お隣さんが茶ぁ用意して待っとってくれてじゃけぇ、早よぅ呼ばれようやぁ」(お隣さんがお茶を用意してくださってるから、早くいただこうよ」 ○○ら 名詞・代名詞の後に付けて複数形になる。共通語では「彼ら」のように人を意味する名詞・代名詞にしか付かないが、広島弁ではあらゆる名詞・代名詞に付けてよい。「うちら(私たち)」「子供ら」、「あれら」、「車ら」、「あんたら」「横ら(横の辺り)」「そこら、そこいら(その辺り)」「昨日ら(昨日なんか)(全域)。また、自分を卑下する意味で用いることもある。「わしらぁ、・・・(わしなんかは、・・・)」 ○○らぁ〜 できることが可能、の意味で動詞の後に付ける。「できらぁ(できるよ)、いけらぁ(行けるよ)、知っとらぁ〜(知っているよ)」 ラム ビー玉(ラムネの中に入っているからか?) ○○れん 広島弁は「○○しない」という動詞は「○○せん」という「野球せん(野球しない)」が、同様に「○○れない」という動詞の時は「○○れん」となる。「食べれん(食べられない)」「走れん(走れない)」「いけれん(行けない)。」 わがた 自分の。「わかたの田(自分の田)」 または、自分の家。 わち わたしの意。「わちがするけぇ(私がします)」年配の女性がよく使う。 ワチ サッパ。海水魚の一種。岡山でいうママカリ。ワチを食べると、春が来たなあと思う。焼いて、酢醤油につけて食べる。 わや めちゃくちゃの意。「わやすんなや(めちゃくちゃ(を)するなや)」。北海道や関西でも使われる(全域)。 わやくそ、わやくちゃ 「わや」よりも更にめちゃくちゃな様子。「部屋がわやくちゃじゃけぇ、はよぉなおしんさい(部屋がぐちゃぐちゃだから、早く片付けなさい)」 わら〜、わりゃ〜 お前は、の意味。元はおそらく古語の「我(われ)は」だが、主客が逆転している。広島市内などの都市部では、相手への威嚇に使われる。海沿い、田舎部では特に高齢者が親しい者を呼ぶときに日常的に使う。「わりゃ〜、はぁいぬるんかい(お前はもう帰るのか)」 〜んよ 〜〜したのよ。動詞の語尾につける。女性がよく使う言い方。食べたんよ(食べたのよ)、したんよ(したのよ)、寝るんよ(寝るのよ)。 [先頭へ戻る]
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