【AMX】(えーえむえっくす)
- イタリアとブラジルが共同開発した軽攻撃機。愛称は「ギブリ」。
1978年にイタリアのアエリタリア社(現アレニア社)とアエルマッキ社が、イタリア軍の新型攻撃機/偵察機要求に応じG91の後継機として開発を開始。
1980年、同じような要求を持っていたブラジルはAT-26「シャバンチ」の後継としてこの計画に参加、エムブラエル社が共同開発に参入した。
1984年にイタリアで試作機が初飛行し、翌年にはブラジル側の試作機も飛行に成功。
7機の試作機が製造されたが、イタリア側の1機は墜落して失われた。
量産初号機は1988年に進空、1989年には両国で部隊配備が開始された。また、複座型のAMX-Tも存在する。
特徴として、高揚力装置による高いSTOL性、HOTAS概念の採用、HUD・HDDによるグラスコックピットなどがあげられる。
固定武装として、イタリア軍がM61A1 20mm機関砲 1門、ブラジル軍がDEFA 30mm機関砲 2門を搭載している。
ハードポイントは5箇所あり、翼端にはAIM-9・MAA-1のランチャーを搭載できる。小型な機体に似合わず、3.8tの武装を搭載可能であるため「ポケット・トーネード」とも呼ばれている。
偵察任務には、偵察ポッドを搭載することで対応している。
なお、ブラジル軍ではAMXにA-1、AMX-TにA-1B(TA-1)という制式名称を与えている。
イタリア軍機はアライド・フォース作戦に参加し、Mk.82通常爆弾やペイヴウェイIIレーザー誘導爆弾、オファー赤外線画像誘導爆弾などを使用した。
なお、ベネズエラも本機の複座型を発注したが、配備は実現しなかった。
【スペックデータ】
種別 攻撃機 主任務 攻撃・偵察 主契約 AMXインターナショナル 初飛行 1984年5月15日(試作機) 乗員 パイロット1名 全長 13.58m 全高 4.57m 全幅 8.87m 主翼面積 21.00㎡ 運用重量 6,700kg 最大離陸重量 13,000kg 最大搭載量 3,800kg エンジン ロールス・ロイス スペイRB.168Mk.807ターボファン×1基 推力 49.06キロニュートン 最高速度 914km/h 実用上昇高度 13,000m 最大航続距離 3,336km(外部増槽×2基) 最大戦闘半径 926km 固定武装 イタリア:M61A1 20mmバルカン砲×1門
ブラジル:DEFA554 30mm機関砲×2門搭載兵器 AIM-9「サイドワインダー」×2発
MAA-1×2発
通常爆弾
GBU-16「ペイヴウェイII」
オファー画像赤外線誘導爆弾
クラスター爆弾
スタンドオフ・ディスペンサー兵器
ロケット弾ポッド
【バリエーション】
・AMX:
単座の初期生産型。
・AMX-T:
胴体内燃料タンクを一つ撤去して、前席後方に後席を増設した複座攻撃/練習機型。
後席にも操縦システムが装備されており、ヘッドアップディスプレイも装備している。
・AMX-ATA:
ベネズエラ空軍向け生産型(計画のみ)。
・AMX-E:
SEAD機型。試験段階でキャンセルされた。
・A-1A:
ブラジル空軍でのAMXの呼称。
・A-1B:
ブラジル空軍でのAMX-Tの呼称。
- 工廠イシュ・レ・ムリノー AMX(Atelier de Construction d'Issy les Moulineaux)
国立のフランス兵器工廠(車両系)。
AMX-10P/AMX-10RC/AMX-13/AMX-30/AMX-50(ルクレール)等といった戦車・装甲車の開発を行っている。
フランスの兵器産業グループ「GIATインダストリー」の一員でもある。
- 熊本県の地域航空会社「天草エアライン」の略称。
- アエロメヒコ航空のICAO航空会社コード。
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