『アルフレッド王の生涯』の歴史とは? わかりやすく解説

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『アルフレッド王の生涯』の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/11 08:24 UTC 版)

アッサー」の記事における「『アルフレッド王の生涯』の歴史」の解説

『アルフレッド王の生涯』中世にはあまり有名でなく、コットン文庫所蔵され写本1冊のみが残っていた。この写本1000年ごろに作成され1731年火事焼失している。これほど写本が広まらなかったのは、原本未完成だったためにアッサー自身写しを作らなかったためだと考えられる。ところが、『アルフレッド王の生涯』内容は他の様々な文献引用されている。12世紀まで『アルフレッド王の生涯』触れた文献として、以下のような例がある。 12世紀ダラムシメオンの『イングランド・デーン諸王史』(ラムゼーのバートファースによる11世紀後半作品だとする説もある)には、『アルフレッド王の生涯』大部分含まれている。この際底本コットン版が用いられとみられる1040年代前半成立した作者不詳の『エンコミウム・エマエ』にも一部含まれているが、この作者いかにして生涯』を知ったのかは不明である。作者フランドルサン=ベルタン修道院の僧とされ、イングランドで『生涯』を知った可能性がある。 12世紀前半ウスターフローレンスによる年代記にも一部含まれている。底本コットン版が用いられとみられる12世紀前半後期にベリー・セント・エドマンズの年代記者によって成立した『セント・ネオッツ年代記』にも『生涯』の内容みられるが、記述がより正確と思われるため、底本コットン版ではないと考えられている。 1190年代ウェールズジェラルドヘレフォード著したとされる『聖エゼルベルト生涯』では、アッサーによるマーシアオファに関する記述引用している。この記述現存するアルフレッド生涯』の中には見られないことから、ジェラルドは他の写本もしくはアッサーの現在発見されていない別の著作利用したものと思われるまた、ジェラルドアッサー名を借りて自身記述正当化しようとした可能性考えられるというのもジェラルドは必ずしも信用のおける著述家とはみなされていないからである。 コットン写本自体数奇な運命たどっている。まずこの写本は、上記ダラムシメオンもしくはラムゼーのバートファース)やウスターフローレンス所有していたもの考えられている。写本出現確証されているのは1540年代のことで、おそらく直前修道院解散影響古物収集家のジョン・リーランドの手わたっている。1552年リーランド死去したのちに、経緯不明だマシュー・パーカー所蔵となる。パーカー1575年死去した際にその蔵書のほとんどをコーパス・クリスティ・カレッジ遺贈したが、その中にコットン写本含まれず、1600年までにジョン・ラムリー男爵の、そして1621年までにロバート・ブルース・コットンの所蔵するところとなったウェストミンスター邸宅にあったコットン文庫1712年にロンドン・ストランドの邸宅へ、そして1730年ウェストミンスターのアッシュバーナム・ハウスに移された。そして1731年10月23日土曜日の朝、火災によりコットン文庫版写本焼失したその結果アッサー『アルフレッド王の生涯』内容他の文献引用され文章二次写本からうかがえるのみとなったコットン版の写本多数制作され、また先述のように多数年代記作家引用されていることからも『アルフレッド王の生涯』注目を集めるようになった。しかし原本現存しておらず、また初期二次写本注釈『アルフレッド王の生涯』以外の文献由来する記述原典混同されたために、本来の『アルフレッド王の生涯』内容確定することが難しくなってしまった。現在までに、内容若干異なる版いくつもラテン語翻訳版で出版されている。1904年W・Hスティーヴンソンによる書評アッサーアルフレッド生涯と、誤ってアッサーの作とされているセント・ネオッツ年代記』(Asser's Life of King Alfred, together with the Annals of Saint Neots erroneously ascribed to Asser)では、一般的なラテン語版文章載せられている。この本は1905年アルバート・S・コックにより英訳された。最近重要な英訳版として、1983年にサイモン・カインズとマイケル・ラピッジが学術的な問題点などの注記施したアルフレッド大王 アッサーアルフレッド王の生涯と他の同時代の文献』(Alfred the Great: Asser's Life of King Alfred and Other Contemporary Sources)を出版している。

※この「『アルフレッド王の生涯』の歴史」の解説は、「アッサー」の解説の一部です。
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