「命の母」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/16 03:15 UTC 版)
(特記事項以外の出典はと) 産婦人科医を祖父に持った笹岡省三が、「病に悩む女性を助けたい」との思いから研究を重ね、作り上げた女性の病や生理不順等に苦しむ女性の保健薬。パッケージにはマリアとキリストが描かれ、大家族制度の中で家事や農作業などで身体を労わることができない女性のための薬として受け入れられ、その名声は与謝野晶子も「人多く いのち之母と呼ぶ薬 この世にあるが めでたかりけり」という短歌を詠むほどであった。津村順天堂(ツムラ)の「中将湯」と共に女性保健薬として用いられた。 発売当初は生薬で発売されていたが、第二次世界大戦後の1952年に錠剤タイプが、1957年に糖衣錠タイプがそれぞれ発売。後者は、糖衣錠の形態で発売された最初の婦人薬に位置付けられる。おりしもテレビ時代、後述の『西条凡児のおやじバンザイ』などの提供番組によって「命の母」の知名度が向上した。1967年に、これまでの生薬にビタミンを配合した「命の母A」が発売され、生薬のみのタイプは1977年に「命の母ホワイト」にリニューアルされる。その後、社会の変化に伴い女性の社会進出が一般的になると「命の母」シリーズの位置づけも大きく変更されることとなり、2005年に「命の母A」が更年期障害のための薬品として、2008年に「命の母ホワイト」が「生理の不調の治療薬」としてそれぞれ生まれ変わった。また、「命の母A」リニューアルと同じ2005年に、小林製薬が「命の母」の独占販売契約を締結。以降は小林製薬が発売元となっている。 なお、小林製薬は独占販売契約を締結後、「命の母」のパッケージのリニューアルを行った。その際に購買層と座談会やリサーチを重ね、その結果として新しく考案されたシンボルマークは、これまでのマリアとキリストのものと比べて「違和感がある」という意見を得て撤回され、また「更年期障害」という文言を入れるか否かについても購買層の意見が割れるなど慎重に議論が重ねられたが、小林製薬社長夫人に拒否されなかったことが決め手となって、文言が入れられた。パッケージデザイン自体はリニューアルされた。小林製薬で発売するようになってからは、リニューアル前の2倍から3倍で売れるようになり、合わせてコマーシャルにより宣伝も行われるようになった。 2018年9月6日、桐灰化学とコラボして「命の母カイロ」が発売された。発売は桐灰化学。命の母ブランドをイメージして、よもぎ・生姜・肉桂の抽出成分を調合したオリジナルの香料を使用しており、心が落ち着く“ぬくもりと香り”が特徴。100年以上、暖かさについて考えてきた“桐灰”と、同じく100年以上、更年期女性の健康について考えてきた“命の母”がコラボレーションした、更年期女性などの辛い冷えのためのカイロ。
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