「万国公法」の広範な普及とは? わかりやすく解説

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「万国公法」の広範な普及

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/15 14:35 UTC 版)

万国公法」の記事における「「万国公法」の広範な普及」の解説

万国公法』を含む近代国際法は、官僚知識人知られてはいたものの、中国においてその意義積極的に認める者はすぐには多数派とならなかった。後述する日本とは異なり、その浸透緩やかだったと言える。ただし外交官として海外派遣される官僚増加してくると、そうした人々の間では『万国公法』への関心高まっていった。その需要見越して万国公法』は再版されており、上海申昌石印本(1898年)や海賊版など幾つかの刊本出回っている。やがてそれは当時新たにつくられ始めた洋学欧米学問)を教授する学校法律教科書として採用されるようになっていった(田2001)。 「万国公法」がさらに広く受容認知されようになったのは、日清戦争後である(1995)。戦後における明治日本への関心の高まりと、それに比例して起こった日本への留学ブームによって、近代国際法受容富国強兵の間には密接な関係があることが大陸へ伝えられていった留学生たちは、自らが日本の大学新知識吸収努めたばかりでなく、雑誌を自ら立ち上げてそこに翻訳掲載したり、書物まとめて刊行したりした。それらは大陸にももたらされ政治思想方面大きな影響与えるに至ったのである。 この時期日本より大陸もたらされ翻訳書法律方面限らず多数上るため、新知識求め人々の便となるように幾つか書籍目録作成された。たとえば教育学について中国訳されている本を探す場合このような目録紐解いて書名調べたのである当時代表的な目録は『日本書目志』(1898年)、『増版東西学書録』(1902年)や『訳書経眼録』(1934年)などであるが、その中に書名がみえる国際法関連書物多数ある。うちいくつかを以下に挙げるが、その数の多さから日本における翻訳書清末人々近代国際法受容一役買っていたことがわかる。 蔡鍔訳『国際公法志』全一冊、広智書局 啓訳『国際公法精義全一巻、閩学会 沼崎甚三著・袁飛訳『万国公法要領』全二巻訳書彙編社 丁韙良訳『公法新編』全四巻、広智書局 (英)労麟賜著・林学知訳『万国公法要略』全四巻、広智書局(「労麟賜」とは、原著改定携わっていたW.B.ローレンスを指す)以上中国で刊行されたもの。 伊藤悌治述『国際私法東京法学院1888 ジェームズ・ケント著・蕃地事務局訳・大音龍太郎校正『堅土氏万国公法藤田隆三郎編述万国公法判決例岡島宝玉堂、1891 秋吉省吾訳『波氏万国公法内務省蔵版『海氏万国公法沼崎三編万国公法要訣博聞社、1888 福原鐐二郎平岡定太郎共著国際私法金港堂、1892以上日本で刊行後中国もたらされたもの。 さらに近代国際法受容進んだことで、単なる翻訳でなく『万国公法』に中国人自らが注釈施した著作刊行されるようになった曹廷杰注の『万国公法釋義』(1901)がその代表例である。曹廷杰は、義和団の乱後のロシアによる東北三省進駐遭遇した人で、『万国公法釋義』は国際法によって国防図ろうとして『万国公法』に注釈加えたのである

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