「ハリー」トンネルの完成とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 「ハリー」トンネルの完成の意味・解説 

「ハリー」トンネルの完成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/10 05:12 UTC 版)

スタラグ・ルフト III」の記事における「「ハリー」トンネルの完成」の解説

ハリー」は1944年3月完成したが、幾人かがトンネルトム」の掘削作業従事していた米軍捕虜が7カ月早くも一つ区画移された。「大脱走」参加した米軍戦争捕虜実際に一人もいなかった。好天成功大きな要因であるため事前にこの脱走は夏に決行されるように計画されていたが、1944年初めにゲシュタポ収容所訪れ脱走予防措置強化命じたためブッシェルトンネル完成し次第早急に脱走するように命じたトンネル掘削参加した600名の捕虜のうち200名のみが脱走できる予定であった捕虜2つグループ分けられ、「常習犯」(serial offenders)と呼ばれる最初100名のグループは偽の身分保証されこの中にはドイツ語流暢に話せる者や脱走経験者含まれていた。加えてこの中70名はトンネル掘削に最も貢献した考えられるであった2番目のグループ100名は成功見込みはほとんど無く参加決めるためにはクジを引かねばならなかった。「ハード・アーサーズ」(hard-arsers)と呼ばれたこれらの捕虜ドイツ語をほとんど又は全く話せず最小限偽造証明書道具しか身に付けていないため夜間移動する必要があった。 捕虜は、漆黒の闇に紛れて立ち去れるように月の出ない夜になるまで1週間待たねばならなかった。ついに3月24日金曜日脱走計画開始され、夜の訪れと共に脱走者トンネルのある第104バラック移ってきた。捕虜にとり不運なことにハリー隠し扉が凍り付いていることが分かりドア開けるために1時間半の遅れが生じた。更に大きな妨げは、トンネル長さ想定よりも短い距離で終わっていることであった計画ではトンネルの直ぐ傍まで延びているはずであったが、午後10:30最初捕虜は木の茂りよりも手前監視塔に近い場所で地上出た(アラン・バーゲス:Alan Burgess著書『The Longest Tunnel』によるとトンネル計画通りには到達していたが、木の茂り隠れるには不十分な程まばらであったという)。気温氷点下地面には積もっており、捕虜隠れるために這った後には黒い跡が残った歩哨避けるために計画された1分おきに1人脱走ペース落とされ1時間当たりに10人強とされた。100番以降番号割り当てられ捕虜夜明け前脱走できそうになかったので戻されることになった各々バラック戻ろうするところ発見されるかもしれないので戻る捕虜自身制服着替えてから暫く睡眠をとった。その後空襲により収容所の(トンネルも)照明落とされ、更に脱走ペース鈍った午前1時頃にトンネル内で崩落起こった修復された。 これらの問題にもかかわらず76名がトンネル這い抜けとりあえずの自由を得た3月25日午前4:55、ついに77人目トンネルか出てくるところを歩哨一人発見された。中にいた捕虜駆け出したが、の端までたどり着いたばかりのヴィクトリア十字章受勲者のレオナルド・トレント少佐立ち上がり投降したトンネル入り口何処か分からない歩哨バラック捜索始めたが、これで捕虜偽造書類焼却処分する時間ができた。第104バラック最後に捜索されバラック一つであり、歩哨連れていたにもかかわらずトンネル入り口発見できなかった。最後に歩哨のシャルリ・ピルツ(Charlie Pilz)が出口からトンネルを遡ったが、反対側の端で閉じ込められてしまった。ピルツ助け求め始め捕虜入り口開けて助け出してやった。ついに入り口判明した脱走者直面した当初問題は、彼らのほとんどが昼間になって駅が歩行者用地下トンネル側壁奥まったところにあることが分かるまで列車の駅を発見することができなかったことであったその結果、彼らの多く夜行列車乗りそこない徒歩での移動昼間プラットホーム列車を待つかのどちらか決めざるを得なかった。もう一つ予期せぬ問題はこの3月がこの30年間で最も寒さ記録したことで、は5フィート (1.5 m)の深さ積もり脱走者原野身を隠すことができずに道路を使うしかなかった。

※この「「ハリー」トンネルの完成」の解説は、「スタラグ・ルフト III」の解説の一部です。
「「ハリー」トンネルの完成」を含む「スタラグ・ルフト III」の記事については、「スタラグ・ルフト III」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「「ハリー」トンネルの完成」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「「ハリー」トンネルの完成」の関連用語

「ハリー」トンネルの完成のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



「ハリー」トンネルの完成のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのスタラグ・ルフト III (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS