構造と原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/19 00:56 UTC 版)
固体酸は、塩と酸との間の化学中間体、例えばCsHSO4である。燃料電池の用途で用いられる固体酸は、オキソアニオンである(SO42-, PO43−, SeO42−, AsO43−)。水素結合及び電荷平衡によって結合した強い陽イオン (Cs+, Rb+, NH4+, K+)によって構成される。 低温において固体酸はほとんどの塩のように規則正しい分子構造を保っている。より高温(CsHSO4では140〜150℃ )では、内部で相転移を起こして非常に無秩序な「超プロトン」構造となるものがあり、これによって導電率が数桁増加する。燃料電池に使用すると、この高い導電率により、さまざまな燃料に対して最大50%の効率が得られる。 最初の実証用SAFCは、硫酸水素セシウム(CsHSO4)を使用して2000年に開発された。 しかしながら、電解質として酸性硫酸塩を使用する燃料電池は、燃料電池のアノードをひどく劣化させる副産物をもたらし、それはごくわずかな使用の後でも出力低下を招いた。 現在のSAFCシステムは、リン酸二水素セシウム(CsH2PO4)を使用しており、数千時間の寿命を示している。. 超プロトン相転移を起こす場合、のCsH2PO4は、 導電率が4桁上昇する。 2005年に、CsH2PO4は湿気のある大気中で250℃の「中間」温度で安定に超プロトン相転移を起こし、理想的な固体酸電解質となることが示された。燃料電池における湿った環境は、脱水および塩と水蒸気への解離からある種の固体酸(CsHなど)の発生する現象を防ぐために必要である。
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構造と原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/30 09:51 UTC 版)
「固体高分子形燃料電池」の記事における「構造と原理」の解説
固体高分子形燃料電池の基本構造は、燃料極(負極)、固体高分子膜(電解質)、空気極(正極)を貼り合わせて一体化した膜/電極接合体 (Membrane Electrode Assembly, MEA) と呼ばれる基本部品を、反応ガスの供給流路が彫り込まれたバイポーラプレート (bipolar plate) と呼ばれる導電板で挟みこんで1つの基本単位を構成し、これを特に単セル (single cell) と呼ぶ。単セルでは運転時に約0.7Vの電圧を発生する。この単セルを積層して直列接続し高電圧を得られるようにした物をセルスタック (fuel cell stack) と呼ぶ。 燃料極(負極)では、水素やメタノールなどの燃料が供給され、H2 → 2H+ + 2e-(メタノールを用いた場合はCH3OH + H2O → CO2 + 6H+ + 6e-)の反応によって、プロトン(水素イオン、H+)と電子に分解する。この後、プロトンは電解質膜内を、電子は導線内を通って、空気極へと移動する。一般に、カーボンブラック担体上に白金触媒、あるいはルテニウム-白金合金触媒を担持したものが用いられる。 固体高分子膜(電解質)は、燃料極で生成したプロトンを空気極へと移動する働きを持つ。当初はスルホ系イオン交換樹脂がジェミニ宇宙船に搭載されたが、現在では、プロトン伝導性の高さと安定性から、主にナフィオン(Nafion、デュポンの商標)などのスルホン酸基を持ったフッ素系ポリマーが用いられている。日本産のフッ素膜も用いられることが多く、旭硝子 (Flemion) 、旭化成 (Aciplex) 等が知られる。この膜中において、プロトンは水和されてスルホン酸基上を移動する。 したがって、膜中の水分が燃料極から空気極へと移動することになる。このままでは燃料極側では水分が徐々に失われてしまうので、燃料には水分を含ませる必要がある。この「水を使用する」という条件から、フッ素系は0℃以下、または100℃以上での使用が出来ないのが欠点である。そのため、無加湿・中高温条件において、使用可能な高分子膜の開発が急務である。 また、燃料としてメタノールを用いる場合は、メタノールが電解質膜を透過してしまう「クロスオーバー現象」が発生する。クロスオーバーの結果、メタノールは空気極でも反応してしまい、起電力を大きく低下させる。特に、出力密度を向上させるためメタノール濃度を高くするとクロスオーバーは顕著となる。最近ではこのクロスオーバーを抑制するために、多孔性ポリイミドやプロトン伝導ガラスを利用する方法などが研究されている。 空気極(正極)では、電解質膜から来たプロトンと、導線から来た電子が空気中の酸素と反応して、4H+ + O2 + 4e- → 2H2Oの反応により水を生成する。が、実際はこの「酸素4電子還元」反応の効率はきわめて悪く、起電力を下げる原因になっている。カーボンブラック担体上に、白金触媒を担持したものが用いられる。 以上の反応から、理論上は約1.2Vの電圧が得られるが、電極反応の損失があるため実際に得られる電圧は約0.7Vとなる。また、燃料効率や寿命、触媒である白金が高価かつ希少であるため、改善すべき課題は極めて多い。なお自動車用燃料電池では、小型自動車でも1台あたり32gの白金が必要でと、資源的制約が厳しい上、自動車1台当たり1億円程度の製造費用がかかると言われている。
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構造と原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/03 01:11 UTC 版)
そのメモリセルの構造はMRAMと似ているが、磁気トンネル接合(MTJ)素子の障壁層に非磁性体膜ではなく、非絶縁体膜を用いているところが大きく異なる。また、STT-RAMでは、そのデータの読み出し方式の違いからMTJ素子に一定方向の電子スピンを持つ電流だけを通過させるスピンフィルターを付加した構造を用いる。 データの記録は、選択したセルに電圧を印加するとその電子がスピンフィルターを通過し電流が流れる。一定方向に揃えられた電子のスピントルクが強磁性体層の磁化方向を変化させる。電流方向を変える事で、MTJ素子に記録されるデータを変えられる。 読み出し時において、MTJ素子中ではトンネル効果に因ってトンネル電流が流れる。故に、電子が障壁層を通り抜けてもそのエネルギー状態は変わらない。障壁層の先の可動層の状態に依存してそのトンネル電流値は変わる。また、GMR効果を利用するMRAMに比べて大きい磁気抵抗(MR)比が得られ、消費電力も小さい。 メモリセルの構造 MTJ素子の原理
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構造と原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 14:35 UTC 版)
構造は、片方の端を密閉した筒にピストンが入っており、手でピストンを押し下げるようになっている。筒の中またはピストンの先端に、もぐさ、綿などの着火材を火口として装着する。急激にピストンを押し下げるとシリンダ内の空気が断熱圧縮される。内部の温度が急激に上がり、これによって着火材が加熱し燃焼を起こすことで火種ができる。 圧気発火器は、気体をピストンを押し下げる仕事により、気体の分子の運動エネルギーが増して温度が高くなることを利用している。理想気体の圧力 P {\displaystyle P} と体積 V {\displaystyle V} の断熱過程には、ポアソンの法則より以下の関係がある。ここで γ {\displaystyle \gamma } は比熱比である。 P V γ = const. {\displaystyle PV^{\gamma }={\text{const.}}} 空気はほぼ2原子分子であり、2原子分子の比熱比は γ = 1.4 {\displaystyle \gamma =1.4} である。ポアソンの法則と状態方程式から、空気の絶対温度 T {\displaystyle T} [K]と体積 V {\displaystyle V} の断熱過程には以下の関係がある。 T V 0.4 = const. {\displaystyle TV^{0.4}={\text{const.}}} ここで、温度 T 1 {\displaystyle T_{1}} 、体積 V 1 {\displaystyle V_{1}} であった空気を圧縮して体積を V 2 {\displaystyle V_{2}} にしたとき、温度が T 2 {\displaystyle T_{2}} になったとすると、上の関係から以下となる。 T 2 V 2 0.4 = T 1 V 1 0.4 {\displaystyle T_{2}V_{2}^{0.4}=T_{1}V_{1}^{0.4}} T 2 = T 1 ( V 1 / V 2 ) 0.4 {\displaystyle T_{2}=T_{1}(V_{1}/V_{2})^{0.4}} たとえば温度27°Cの空気を1/10に圧縮すると、 T 1 = 273 + 27 = 300 [ K ] {\displaystyle T_{1}=273+27=300[K]} 、 V 1 / V 2 = 10 {\displaystyle V_{1}/V_{2}=10} であるから、 T 2 = 300 ∗ 10 0.4 = 754 [ K ] {\displaystyle T_{2}=300*10^{0.4}=754[K]} つまり、481°Cになり、着火材が発火する温度になることがわかる。 このとき空気の圧力は、圧力は体積に反比例するので10倍、絶対温度が300Kから754/300 = 2.5倍、両方で25倍になる。最初の圧力は1気圧であるから、25気圧まで圧縮する必要がある。仮にピストン断面を1cm2とすると、1気圧は1cm2あたり約10Paで、25気圧まで圧縮するためには、250Nで押す必要がある。
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構造と原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/26 05:02 UTC 版)
装置は指向性の強いアンテナと真空管や半導体で動作するAM中波ラジオと方位を表示するラジオマグネティックインジケーターで構成されており、目的の無指向性無線標識(NDB)が出している電波に周波数を合わせて受信して放送内容を聞いて目的のNDBであるかどうかパイロットか航法士が判断する。目的の電波を受信できればインジケーターの針がが自動的に電波の発信源の方向を向く、電波が目的の物であるか識別できるようにモールス信号でIDが送信されている。無線機の能力が向上した時代ではモールス信号のIDの後に音声でNDBの名前を告知するようになった。一般のAMラジオ放送局をNDBとして使用するようになるとラジオ放送局にどこの放送局なのか識別できるように局名を一定間隔で告知するように義務化された時期があったが現在では廃止されている。現在のラジオやテレビの番組のオープニングとエンディングで局名を告知するのはこの当時の制度の名残でもある。 ループアンテナ型 指向性の強いループアンテナを回転させ最も電波の強い方向を探してアンテナを向ける。最初期のものはアンテナの回転装置と計器が機械的に連結していたが、構造的な制約が大きいため電気的な方式に変わっていった。機体の中心線上の下面に出っ張ったアンテナが必要になる。 レゾルパ型 レゾルバを使った方式でループアンテナ型よりも後から登場した方式。アンテナ部分も含めた装置全体が小型で機械的な可動部分がインジケーターしか無いため小型軽量でアンテナ設置場所の制約が少ない。 二本のバーアンテナをL字型に配置して固定子にして外部からの無線電波で固定子を励起させることによって角度を検出する。二本のバーアンテナの正弦波電流をレシーバー・リゾルバーに送ると方位が表示される。中波帯の電波を受信するための受信機に真空管や半導体が必要だが、角度検出自体は単純なアナログ装置によって行われている。原理的にアンテナが2MHz以上の高い周波数帯で動作しないため超短波全方向式無線標識に使用することは出来ない。このためVOR指示計とは別の計器になる。
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構造と原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 05:07 UTC 版)
高速回転するコマ(ジャイロスコープ)が回転軸の方向を保とうとする性質と、自転する地球の表面において回転軸を水平に保った場合にジャイロ効果のジャイロモーメントによりジャイロスコープの回転軸が地球の地軸と平行に向く作用(プリセッション)を利用する。 ジャイロコンパスは起動する時に方位磁石などを参考に北の方にジャイロ軸を向けて回転を始めると静止点を中心として水平、垂直両方向に減衰振揺を繰り返して真北を向いて静止する。静定までに時間がかかり、ジャイロコンパスの静定方式にはいくつもの特許と技術があり起動から静定までの時間は時代が進むほど大幅に短縮されているが、昔は静定までに数時間を要していた 。
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