燃料電池とは? わかりやすく解説

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ねんりょう‐でんち〔ネンレウ‐〕【燃料電池】


燃料電池(ねんりょうでんちじどうしゃ)

実用化期待されるクリーンエネルギー一種

水素酸素化学反応によって発生する電気エネルギー取り出すことのできる発電機である。エネルギー効率良いことが特長で、ガソリン燃焼させる動力源とは異なり温室効果ガスとなる二酸化炭素大気汚染原因となる窒素酸化物排出しないという利点がある。

タンク蓄えた水素使って発電する方式は最もエネルギー効率が高いが、安全性考えればガソリンメタノールから取り出した水素空気中の酸素反応させる方式が有力となっている。

最も実用化期待されているのは、固体高分子型の燃料電池である。これは、高分子膜利用したもので、小型化軽量化可能になるとされている。また、室温においても作動するので、自動車住宅向けの実用化目指し研究・開発進められている。

1999年末に資源エネルギー庁民間団体共同設立した「燃料電池実用化戦略研究会」では、法整備しながら2005年まで実用化目指し、さらに、2010年以降には一般に普及するよう、低価格化を進めていくというビジョン打ち出した

自動車排気ガス環境問題一つとしてクローズアップされている中、燃料電池などのクリーンエネルギー技術開発行方注目される

(2001.01.09更新


燃料電池(ねんりょうでんち)

水素酸素反応させて電気生じ反応利用した発電装置のことをいいます水素イオン化するための触媒として白金利用されています。燃料電池を搭載した燃料電池自動車実用化はすでにかなりの速度進化ををとげており、世界ではじめてトヨタがハイブリットカーを開発するなど日本この分野で先進的技術世界リードしており、世界の自動車メーカーがその開発凌ぎ削ってます。世界的な環境保護傾向の中で、今後燃料電池自動車かなりのシェア確保するものと予想されており、電極金属として利用される白金需要増加する思われます。

燃料電池(ねんりょうでんち)

参照:燃料電池 商品貴金属

燃料電池(ねんりょうでんち)

参照:燃料電池 商品貴金属

燃料電池

読み方ねんりょうでんち
【英】Fuel cell

燃料電池とは、外部から燃料供給することによって電気発生し続け発電装置のことである。燃料である水素酸素供給することで、電気作り続けることができる。一次電池のような使い切り」や、二次電池のような充電供給方式用い電池比べても、高い発電効率効率の高さ、多種類の燃料利用できるといった利点がある。また環境にもやさしい。

電気分解すると、陰極マイナス極)に水素陽極プラス極)には酸素発生するが、燃料電池はこの逆反応利用している。燃料として消費される水素・酸素が連続して補給されることによって発電が行われる仕組みである。


【燃料電池】(ねんりょうでんち)

Fuel Cell.
水素酸素反応させて生成し、その過程生じた電気取り出す電池
純粋な水素は危険で保存難しいため、水素保有量の多いメタノール用いる事が多い。

工業規格としては電解質違いによって種類分けされている。
電解質によって作動温度大きく異なるため、用途出力によって個別設計が必要とされる

工業用途

燃料電池は比較新しく登場した未発展の技術であり、今後の発展待たれている。

反応による生成物以外に何もないため、内燃機関・外燃機関比べて環境負荷が低い。
また、故障誘発するような可動部分が無いため信頼性が高い。
このため将来的エンジン代替として普及させる事を目標研究開発進められている。

また、構造維持するために必要な最小単位小さく小型化が容易である。
このため化学的な電池代替として利用する事も視野入れて研究開発が行われている。

実際用途としては発電所家庭用電源自動車携帯電子機器などが想定されている。
また、宇宙船惑星探査機用の電源として利用する事も想定されている。

発電効率高くしか排出せず、かつ静粛であるため、潜水艦動力源としても研究されている。


燃料電池

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/30 02:49 UTC 版)

燃料電池(ねんりょうでんち、: fuel cell)は、燃料(多くは水素[1])と酸化剤(多くは酸素)の化学エネルギーを、一対の酸化還元反応によって電気に変換する電気化学電池である[2]。燃料電池が多くの電池と異なる点は、化学反応を維持するために燃料と(通常は空気からの)酸素を継続的に供給する必要がある点である。一方、電池では化学エネルギーは通常、電池内に既に存在する物質から得られる[3]。燃料電池は、燃料と酸素が供給される限り、継続的に電気を作り出すことができる。


注釈

  1. ^ りん酸形燃料電池の代表メーカーは、UTC Power(ユナイテッド・テクノロジーズ子会社)や富士電機システムズなど。富士電機システムズ製の100kWPAFCは、2008年に燃料電池としては初めて日本での消防用非常電源の認定を受けた。
  2. ^ 溶融炭酸塩形燃料電池の代表メーカーは、Fuel Cell Energyや石川島播磨重工業などである。
  3. ^ PEFCの発電効率の最高値は公称37.5%LHVとされる。
  4. ^ 固体酸化物形燃料電池の代表メーカーは、ジーメンスウェスチングハウス三菱重工業日本特殊陶業TOTO三菱マテリアル関西電力)、京セラなどである。
  5. ^ 2005年11月から3ヶ月間、大阪ガスと京セラは、都市ガスを使って集合住宅でのSOFCによる1kW発電装置の実証実験を行なった。これは660Wの給湯出力も得られ、1日の平均発電効率で44.1%(LHV)という成績だった。2007年度からは、経済産業省等の元で新エネルギー財団が、4メーカーからの29台の装置によって都市ガス、LPG、灯油によるSOFCの実証研究を行い、平均の発電効率は35%(LHV)という成績だった。実証研究は、2010年度まで継続され、累計233台が実証研究に供された。三菱マテリアル関西電力は、都市ガスを燃料にSOFCによる出力10kW級のコジェネレーション発電装置を実験運用しており、発電効率は50%を達成している。NEDOは、4つの企業グループに委託して、SOFCによる出力10kW級から200kW級の発電装置を実験している。内1つは三菱重工業の都市ガスを燃料とするSOFC発電とマイクロガスタービン発電を組み合わせた複合発電であり、SOFCから生じる未反応の水素と一酸化炭素よりなる副生ガスもマイクロガスタービンで燃焼させることで無駄を排除した。(出典:燃料電池の基礎マスター ISBN 978-4485610077
  6. ^ DFCの燃料には、ボロハイドライトも考えられている。
  7. ^ バイオガス燃料電池と呼ばれる下水消化ガスやメタン発酵ガスを利用した燃料電池とは異なる。
  8. ^ トヨタは、燃料電池車は政府機関を中心にリース契約とし、一般消費者向けにはガソリンエンジンとニッケル水素蓄電池(その後リチウムイオン蓄電池へ移行)を組み合わせたハイブリッド車を販売する方針とした。

出典

  1. ^ Saikia, Kaustav; Kakati, Biraj Kumar; Boro, Bibha; Verma, Anil (2018). “Current Advances and Applications of Fuel Cell Technologies”. Recent Advancements in Biofuels and Bioenergy Utilization. Singapore: Springer. pp. 303–337. doi:10.1007/978-981-13-1307-3_13. ISBN 978-981-13-1307-3 
  2. ^ Khurmi, R. S. (2014). Material Science. S. Chand & Company. ISBN 9788121901468. http://www.biblio.com/books/436308472.html 
  3. ^ Winter, Martin; Brodd, Ralph J. (28 September 2004). “What Are Batteries, Fuel Cells, and Supercapacitors?”. Chemical Reviews 104 (10): 4245–4270. doi:10.1021/cr020730k. PMID 15669155. https://doi.org/10.1021/cr020730k. 
  4. ^ Nice, Karim and Strickland, Jonathan. "How Fuel Cells Work: Polymer Exchange Membrane Fuel Cells". How Stuff Works, accessed 4 August 2011
  5. ^ "Types of Fuel Cells" Archived 9 June 2010 at the Wayback Machine.. Department of Energy EERE website, accessed 4 August 2011
  6. ^ 溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)商用型1号機導入 〜廃棄物ガス化装置との組合せ研究を実施〜 2002年9月18日 中部電力
  7. ^ 世界最高効率の燃料電池を開発(2009年06月11日日本ガイシ株式会社)
  8. ^ 家庭用燃料電池「エネファーム」のラインアップ拡充について
  9. ^ CO2排出ゼロ、省資源、低コストが可能な貴金属を全く使わない燃料電池の基礎技術を新開発”. ダイハツ工業 (2007年9月14日). 2020年12月2日閲覧。技術詳細添付資料〈PDF〉
  10. ^ IHI、アンモニアで動く燃料電池 改質器は不要 - 日本経済新聞
  11. ^ “グルコースを用いた酵素型バイオ燃料電池”. 水素エネルギーシステム (水素エネルギー学会) 36 (2): 32-6. (2011). http://www.hess.jp/Search/data/36-02-032.pdf 2016年8月4日閲覧。. 
  12. ^ a b c d 田辺茂著 『燃料電池の基礎マスター』 電気書院 2009年1月31日第1版第1刷発行 ISBN 9784485610077
  13. ^ 燃料電池車の時代は当分来ない 日経ビジネスオンライン 2006年7月20日
  14. ^ 次世代エネルギー「水素」、そもそもどうやってつくる?”. 経済産業省 資源エネルギー庁. 2022年9月23日閲覧。
  15. ^ 渡辺正、「化学屋の見た環境騒動」 『生産研究』 2007年 59巻 5号 p. 425-440, doi:10.11188/seisankenkyu.59.425, 東京大学生産技術研究所
  16. ^ EFOY Fuel Cell now available ex works on all Dethleffs motor homes SFC Smart Fuel Cell, July 16, 2007
  17. ^ 新電池元年③ コンビニで燃料電池テレビ東京「ニュースモーニングサテライト」2009年6月4日
  18. ^ 東芝のプレスリリース。
  19. ^ 実証中”. 不明. 20191016閲覧。


「燃料電池」の続きの解説一覧

燃料電池(化石燃料+マイクロヒーター+触媒→水・熱・電力)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 01:41 UTC 版)

再生可能エネルギー」の記事における「燃料電池(化石燃料+マイクロヒーター+触媒水・熱電力)」の解説

触媒用いて水素酸素反応させと熱と電力作り出す家庭用燃料電池作動には外部からの都市ガス電力水の供給が必要である。

※この「燃料電池(化石燃料+マイクロヒーター+触媒→水・熱・電力)」の解説は、「再生可能エネルギー」の解説の一部です。
「燃料電池(化石燃料+マイクロヒーター+触媒→水・熱・電力)」を含む「再生可能エネルギー」の記事については、「再生可能エネルギー」の概要を参照ください。

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燃料電池

出典:『Wiktionary』 (2021/09/25 03:41 UTC 版)

名詞

燃料 電池ねんりょうでんち

  1. 酸化される燃料から電気エネルギー取り出す仕組み

関連語


「燃料電池」の例文・使い方・用例・文例

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