フグ田サザエ
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「サザエさんの登場人物」の記事における「フグ田サザエ」の解説
(フグた サザエ) 声 - 加藤みどり(1969年10月5日 - )、和久井優(日清食品コーポレートCM) 演 - 東屋トン子→市川寿美礼→高杉妙子→江利チエミ→星野知子→浅野温子→観月ありさ、柳町夏花(観月ありさ版幼少時代)→藤原紀香(舞台版)→天海祐希、川北れん(天海祐希版幼少時代) 本作品の主人公。波平とフネの第一子の長女でカツオ、ワカメの姉。マスオの妻でタラオの母でもあり、また海平・なぎえ・鯛造・トシオの姪。ノリスケの従妹。イクラのいとこ叔母でサケオの義妹(弟の嫁)、ノリオの義叔母。 専業主婦で1男の母。旧姓は磯野。福岡県生まれ。原作では誕生年は1922年(大正11年)11月22日生まれの23歳(結婚前の時点で)、アニメ版では未年生まれの24歳。血液型はB型。 呼ばれ方 波平・フネ・マスオからは「サザエ」、カツオからは「姉さん」、ワカメからは「お姉ちゃん」、タラオからは「ママ」、カツオの友人らには「磯野君のお姉さん」、商店街の店主たちからは「若奥さん」、学生時代までの友人からは「サザエちゃん」、従兄弟・ノリスケをはじめとしたその他の人物からは「サザエさん」と呼ばれる。 小学生の頃は、「自習時間のアイドル」と呼ばれていた(後述「カツオの姉として」参照)。また、学生時代のあだ名は「欠け土瓶」。 ファッション 結婚前は、白のブラウスに黒のスカート、黒のベストという服装が多かった。これは、読者に主人公を印象付けて定着させるために、季節ごとに融通が利く服装で通した方が便利だと、長谷川が判断したことによる。 サザエの特徴の1つである「頭の三方(前頭部・左右の側頭部)にパーマをかけたような髪型」は、原作連載当時の流行に合わせたものである。髪を下ろしたこともあり肩まで掛かるほどのロングヘアである。ウィッグを使ったこともあった。また、髪を染めようとしたこともあるが、家族全員が反対し(波平は最初は何も言わなかったが、マスオの意見によって反対した)、さらには美容院でも「あなたの髪は黒のままが一番似合います」と言われたため、自身も絶対に染めないと決意した。 性格 快活でそそっかしく気性も激しい。お世辞に弱く、「若い」とか「美人」などと言われると途端に機嫌が良くなる。教育熱心な夫婦に対して「勉強できることが全てじゃない」と説くなど理知的な一面もある。性格は父親似。 やじ馬根性が強く、サイレンの音を聞くや否や、何かをしている途中でも躊躇いなくその場所に駆けていくほど。アニメ版でも明るく陽気だが、一方でおっちょこちょいな性格である。カツオにイタズラをされたりからかわれたりすると激怒し、家の外まで追いかけたりするため、町内でも有名な存在となっている。それが災いしてしばしば波平やフネに「何を騒々しくやっとる」「外まで聞こえてますよ」などと怒られ、外出禁止令を食らうこともある。 また、思い込みが強い面やヒステリックな一面もある。マスオがバイク通勤をしようとした際には、「バイク通勤は危険」と一方的に決めつけ、マスオと連絡が取れなくなると家族に当たり散らすなど、半ばヒステリーともいえるような振る舞いをしたりする。一方的な決めつけはカツオに対しても行うことが多く、悪戯と思しきことが発生すると、問答無用でカツオのせいと決めつける。カツオの申し開きは完全に無視するなど、思い込みの激しい様子はアニメにおいて多く描写される。 行動 車に撥ねられ救急車で搬送されても直後に飛び起き、救急車のそばを走った消防車を目で追ったり、歩行中に車に乗ったひったくりに遭遇しカバンを取られそうになるも、ひったくりが車から飛び出してしまうほどにカバンを手から離さずに守り切るといったことがあり、強靭な体力を誇る。 登場初期から食い意地が張っており、大型の食器を買ったり、病気で食事制限中に見舞いに来た友人(イカコ)の茶菓子を横取りするほど。しかし、食べ過ぎて太り、ズボンが入らなくなったりダイエットに苦労したりする話もある。 タラオの昼寝の添い寝をするとき、タラオが嫌がるほどの大いびきをかく。ただ、自分が昼寝をしている時カツオにイタズラされることもある。 寝相は悪く、隣で寝ていたカツオを蹴飛ばしたことがある。原作でマスオと野宿した際には目が覚めたら隣にいたサザエがいなくなって下の道路まで転がっており、バスのクラクションが聞こえないほど熟睡していた。 忘れ物をすることが多い。小学4年生の時は忘れ物の回数はトップだった。また、2013年11月24日までで、忘れ物をした回数は149回。 たまに自らが迷子になることもあり、「磯野家の素顔」での自己紹介の時も、いつかのお花見でタラオを探していたら場内放送で呼び出されたことがあったと語られた時、タラオにも指摘された。 料理の献立決めなど、優柔不断である。 原作では柔道をやっている。アニメ版でも挑戦したことがあるが、1回目は2日で道場から逃げ出し、2回目は道場の先生から社交ダンスの方が向いていると言われ1日で挫折した。 サザエがつけた日記は毎年1月4日で終わっている。 マスオが連絡なしで夜遅くまで飲んで帰ってきたときは、罰として翌日廊下の雑巾掛けをさせる模様。 原作のサザエは初期において、波平とフネのことをそれぞれ「パパ」「ママ」と呼んでいた。 趣味・特技など 趣味…読書(特に推理小説が好き)、編み物、料理、ショッピング。 特技…モノマネ(特にゴリラのマネ)、カツオを追いかけること。 マスオと共に西部劇のファン。 ニワトリが卵を産むところのマネが、カツオの腕前を否定するほどうまい。 手先はかなり器用で家庭的なことなら何でもこなす。裁縫が得意で、ワカメやサザエ自身の洋服も作る。洋裁の内職をしていたことや、洋裁に熱中していた時期がある。 料理も得意。マツタケを向こうが透けて見えるほど薄く切ることもできる。特に得意な料理は酢豚。その反面、献立決めについては先述の通り優柔不断であるが、卵を誤って大量に割ってしまった時は迷わず卵料理を連続して出す。 また、歌が上手でママさんコーラスに所属したことがあり、洗濯物を干しながら歌の練習をした時は近所の注目を集めた。コーラス仲間と一緒にテレビに出たこともある。 宝物…マスオからもらったハンドバッグ。 苦手…数学は昔から不得手。 ネズミも苦手とする。 カエルが大の苦手で見ただけで絶叫する。 英語に関するエピソード 原作では英語を話せない。ワカメの友人で外国人の女の子が泣いている理由を英和辞典を使って調べたり、「注意する」と「買い物包み」の英語訳を学生に尋ねたりする話がある。 アニメ版では、ストーリーによってそこそこ英語を話せる時とほとんど話せない時がある。八百屋に外国人が買い物に来た時に簡単な売買の通訳をしたことがきっかけで、商店街では「英語ができて外国人客の通訳ができる人」と評判になったことがある。サザエは学生時代は英語が得意だったものの、今ではそんなに自信がない。そんな時、ちょうど近いうちに外国人がマスオの会社に訪問してくることになり、準備のためにマスオと一緒に英会話の勉強を始めた。 タラオが外国人の子供を家に連れてきた時は、英語が話せなくて面倒を見ることができず、英会話教室に通うことを検討したことがある。ワカメがアメリカ人のジェーンを家に連れてきた時には動揺し、しばらくしてから片言の英語で挨拶するのがやっとであった。大掃除で畳を磯野家の前に置いた時、サザエは外国人に声をかけられて「イエス」と答えたため、畳を持っていかれた。そのため畳が1枚足りなくなり、マスオに怒られた。 マスオとの見合い マスオとの見合結婚。福岡天神の天神岩田屋地下食堂(原作のみ)で見合いをした際、混雑した食堂内で離れ離れに席に座ることになってしまった。しかし、その場に居合わせた客などが気を利かせてサザエたちの見合いに協力して席替えをしてくれた。親切心による計らいだったが、衆人環視の下決まりが悪くなりマスオ共々早々に結婚を決めたため、「公開見合スピード結婚」と友人に呼ばれる。 結婚〜磯野家同居へ 単行本1巻で父の転勤に伴い磯野家は、東京に引っ越す。その後、原作連載が一時中断され、再開時(2巻)にすでにマスオと結婚をすませ「フグ田サザエ」となり、さらにタラオも誕生後となった。同時に東京にある現在の実家(磯野家)近くに借家を借りて住んでいたが、しばらくして大家とのトラブルが発生し、実家に戻りフグ田家として同居する形となった。なお単行本未収録の『夕刊フクニチ』での連載中断回は「花嫁装束で家を出るサザエ」の姿で終わっていた。 アニメ版では「サザエの高砂や」(作品No.22)の回想シーンに結婚式が登場、お色直しのために前日から絶食したので、三三九度では酒が直ぐ回って寝てしまい、その後食事をガツガツ食べていた。その後ある温泉に新婚旅行に出かけるも、電車の臨時停車と知らずにイチャイチャして停車駅の客に笑われたり、ホテルの送迎車に「チップ」と言って1万円札を渡したり、吊り橋の上で高所とも知らずにイチャイチャしたり、旅行先の木に記念に名を彫るも15本も彫り間違いをする(これらの木はその後電柱にされて磯野家近所に建てられる)と失敗続き。 カツオの姉として 弟のカツオ同様お調子者なところもあり、小学生の頃、自習時間に催眠術やモノマネを披露したりしてクラスメイトを楽しませていた。このエピソードを「校長先生がかつてのサザエの担任教師から聞いた」とカツオが波平に話したところ、「姉弟揃って」とあきれられた。単純で騙されやすくもあり、カツオにからかわれたりイタズラを仕掛けられて「カツオ! やったわねー!」などと怒って追いかけ回すこともよくある(伊佐坂難物がその声を聞くと安心して仕事ができるというほど)。カツオが自分のことを作文のネタにすると怒る。そのためカツオは、「文中に出てくる人物・地名はすべて、架空のものであります」と最後に書いている。 アニメではカツオと度々取っ組み合いのケンカをする一方、彼の成績の悪さを見兼ねて、勉強の相手をしたり、家庭で塾を開こうとしたこともある。カツオが生後6カ月の時には、「弟は私の小さな宝物」と作文に書いている。 また、カツオのいたずらだと見抜けずか策略にはまって騙されてしまう事もあり、2019年11月17日放送「気になる中身」ではサザエが隠していた鍵付きの手提げ金庫のような箱の中身を知りたい為、カツオが取っ手に紙を「いただきました。」と書いた紙を括り付けた所、サザエがそれを読んで、中身を取ったと思い込み、箱を開けた途端にカツオ、ワカメ、タラオが、タイミング良く走って来てカツオの「中身を知る為に中身を取ったと嘘を付く」と言う策略にまんまとはまった。なお、中身は貰い物のクッキーの残りだった。 仕事・社会活動など 現在は専業主婦だが、高校卒業後にハロー社という出版社に記者として勤務した経験があり、さらに上司から婦人警官の取材を命じられて2、3日婦警の仕事を体験したこともある。結婚後も家政婦や探偵事務所の助手として働いていたことがある。また、女性解放を訴える講演の出席や選挙演説なども積極的に行い、政治への参加意識が強かった。これらの経験は、「情報通で、野次馬根性で色々と首を突っ込む」「カツオなどに疑いを持って物事を詮索する」などその後のアニメのサザエの性格・行動を形作っている。 1日だけデパートで働いたことがある。 また、自らバイトをしようとしたことがある(最終的に、イクラと、イクラと同い年の女の子の洋服を作ることになった)。 他にも、2日間程度スーパーで働いたことがあるが、体力が必要などの理由で辞めている。 その他エピソード アニメ版では1970年5月3日放送(第31回/通算93話)の「ハッピーバースデイ」と1972年3月26日放送(第129回/通算389話)の「ぼくにまかせて」にサザエは登場しておらず、彼女が登場しないのはこの2話。 小学校時代に関しては原作では取り上げられていないが、アニメ版では「あれから12年」(第38回/通算115話)で「海山小学校」の第20回卒業生であり、同級生には現在漫画家の浜田(声 - 立壁和也。小学生時代は不明)がいた。同話でその浜田と出会い、同じく元クラスメイト2名と共に同窓会を開くが、当時の先生は大半が多忙のため出席せず、唯一、かつてサザエらに「タラバガニ」・「小言幸兵衛」と嫌われた「エビハラカニゾウ」(正式名称および声優不明)が出席した。 九州時代の親友はイカコ。 肌年齢は19歳である。 年末、年賀状を投函に行く途中で入っている鞄をひったくられ、犯人が切手の貼っていない葉書に切手を貼って代わりに投函するというオチが多い。 昼間で家の人数が少ない(サザエ・フネ・タラオしかいない)時に寿司の出前を頼むことがあるが、その時に限ってカツオとワカメの学校が早く終わり帰ってきて、結局カツオ達の分も追加注文する羽目になる。 磁石は、金属ならなんでも付くと思っていた。 「サザエさんの10年後」では2人目の子供としてフグ田ヒトデが登場する。また、「サザエさん30年後」では眼鏡をかけており、子供達は若い頃のサザエ、マスオ、カツオ、ワカメにそっくりであった。 タラオをおぶる時に使う「ネンネコ」(幼児をおぶった状態で着る冬用の服)を26枚も持っているが、これは長谷川が柄について統一した設定をしなかったことが原因で、後の読者の指摘により明らかになった。 作者によって、電子計算機で作られた(コピーされた)サザエが描かれ、肉筆のサザエ達と対面したことがある。 アニメ版では、オープニングとエンディングの提供クレジットのナレーションを担当している。
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フグ田 サザエ
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本作の主人公。磯野家の長女で23歳(アニメでは24歳)。特徴的な髪型は当時の流行にあわせた。
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