タワーレコード 日本FC

タワーレコード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/12 04:43 UTC 版)

日本FC

タワーレコード株式会社
Tower Records Japan Inc.
タワーレコード渋谷店(登記上の本店)
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 タワレコ、タワー
本社所在地 日本
143-0006
東京都大田区平和島四丁目1番23号
JSプログレビル6F-7F
本店所在地 150-0041
東京都渋谷区神南一丁目22番14号
設立 1981年12月
業種 小売業
事業内容 音楽ソフト・映像ソフトの輸出入・販売など
代表者 代表取締役社長 嶺脇育夫
資本金 1億円
売上高 440億4500万円
(2021年2月期)[2]
営業利益 ▲12億5500万円
(2021年2月期)[2]
経常利益 ▲12億5800万円
(2021年2月期)[2]
純利益 18億8,300万円
(2024年2月期)[3]
総資産 204億7,100万円
(2024年2月期)[3]
従業員数 1,305人(内正社員576名)(2023年2月15日現在)
決算期 2月末日
主要株主 (株)NTTドコモ 50.3%
(株)セブン&アイ・ホールディングス 44.6%
外部リンク https://tower.jp/
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渋谷店
秋葉原店(ヨドバシAkiba内、閉店)
大阪マルビル店(閉店)店内にはFM COCOLOのサテライトスタジオが存在した
姫路店(姫路フォーラス内、閉店)
熱田店(閉店)
旧品川オフィス(旧本社)

日本においてはタワーレコード株式会社(Tower Records Japan Inc.)が運営している。前述のとおり2002年に売却されたことから、アメリカ本国の法人との資本関係はまったくない。

日本国内ではHMV新星堂などと並ぶ大手の音楽ソフト販売チェーン店である。スガシカオCoccoを輩出した「bounce records」や代表取締役社長の嶺脇育夫が主宰するアイドル専門レーベル「T-Palette Records」といった自社レーベルを有している。また、ディストリビューション部門では、直営店舗・オンラインストアのみならず同業他社への卸業務を行っている。

TBS系音楽情報番組COUNT DOWN TV』のスポンサーで、リクエストランキング調査もされる(放送は毎月第2土曜日)。

沿革

タワーレコード株式会社は、アメリカ・MTS社の日本法人として1981年に設立された。ただしMTS日本支社としての日本進出は1979年で、翌年には日本1号店として「タワーレコード五番街(オーナーは階上に有ったジャズ喫茶やイベンターをしていたBOSSA)」というタワーレコードを真似た名前の店舗を買収し出店した(札幌市中央区南3条西4丁目の五番街ビル2階)。この日本1号店は現存せず、札幌市内に現存する3店舗およびかつて存在したPRIVY店のいずれとも異なる。

その後日本法人を設立し本社から人員を投入。1981年に渋谷の宇田川町に構えた大規模店では、日本版のレコードではなくアメリカ版のレコードを直接販売し、店舗でのプロモーション展開も本場のタワーレコード方式を取り、日本のレコード業界の流通に大革命を与えるほどの大きな成功をおさめた。直営店の出店と並行して福岡、神戸、大阪、金沢にフランチャイズ展開もしていた。

その後、アメリカ本社の経営不振をきっかけに、2002年10月にMBOによってアメリカ法人から独立(日興プリンシパル・インベストメンツが全株式を取得、タワーレコード株式会社はMTS社から商標権を取得)。2005年11月下旬には、株式会社NTTドコモが株式の約42%を取得し、筆頭株主となった。

2004年3月にはパルコから同社傘下の大手CDショップWAVEを買収したが、2006年2月に同社の全株式を家電量販店大手のノジマに譲渡した。その後、WAVEは2011年破産した。

2010年3月、セブン&アイ・ホールディングスがシティグループ・キャピタル・パートナーズとアジア・ミュージック・ホールディングス(どちらも投資会社)から発行済み株式の21.58%を取得、持ち分法適用会社とすることを発表。セブン&アイは伊藤忠商事などからタワーレコード株をさらに取得、2011年3月には発行済み株式の44.6%を有し、NTTドコモを抜いて筆頭株主となった。

2012年7月にはNTTドコモがドワンゴから株式を取得し、発行済み株式の50.3%を持つ子会社とした[4]

事業所

以前は、東京都渋谷区桜丘町の桜丘オフィスと、品川区南品川の品川オフィスに本社機能が分散していた(登記上の本店は品川)が、2012年3月には現在地(大田区平和島)に本社機能と商品センターを集約し、6月には登記上の本店を渋谷店所在地(渋谷区神南)に変更した。

関連会社

  • 株式会社NMNL(2004年2月設立)
    • 通販サイト「@TOWER.JP」の運営などを担当する情報システム部門、フリーペーパー『bounce』『intoxicate』などの制作部門などを分社化した会社。社名は「NO MUSIC, NO LIFE.」のキャッチコピーから、各単語の頭文字を取ったもの。
  • ナップスタージャパン株式会社(2005年10月設立)
    • 同社と米国Napster社、日興プリンシパル・インベストメンツの3社の合弁会社。2006年10月よりサービスを開始したNapster Japanの運営を行ってきたが、2010年5月31日をもって全サービスを終了した[5]
  • レコチョク
    • 2015年2月現在、タワーレコードの親会社であるNTTドコモと共に企業提携し、新人アーティスト発掘プロジェクト、「Eggs プロジェクト」を展開している[6]

店舗

出店を日本で始めた1981年当初はレコード店のイメージがあまり良くなく、また貸してくれる物件も少なく、ましてやテナント等への出店はデベロッパー側からの要請は殆ど無かった。しかしタワーレコードが大規模で始めたニッチな市場だった、輸入盤のセールスが爆発的人気になった1980年代中盤のバブル景気時からは出店依頼が相次ぎ次々と出店するようになった。

特にテナントでは最上階への出店がシャワー効果を生むと言われ出店は上層階が多い。また広島店(旧店舗)より実験的に国内アーティストを取り扱うようになり1990年9月に出店した当時日本最大級を誇った4フロアー450坪の心斎橋店で本格的に国内アーティストの取り扱いを始めた。

2017年2月現在、山形県群馬県栃木県山梨県富山県福井県和歌山県鳥取県島根県山口県徳島県高知県大分県熊本県宮崎県を除く32都道府県に86店舗を展開している。従来は都心部での事業展開が主だったが、ここ数年はイオングループやセブン&アイ・ホールディングスのショッピングセンターテナント入居する形で郊外での店舗数を増やす傾向にある。

ビル1棟を丸ごと借り上げた渋谷店を除き、各店舗とも商業施設または商業ビルの1-4フロア(ショッピングセンターでは1フロアの一角)を借り切る形態が多い。いずれも在庫5万枚以上の大規模店舗が基本だが、「TOWERmini」を名乗る小規模店舗(TOWERmini東京駅八重洲口店では在庫約13,000枚)も登場している。

また、2013年10月からは新業態としてアニメソングを始めとするアニメ関連商品に特化した専門店「TOWERanime」の展開を開始、1号店としてLALAガーデンつくば店を改装しTOWERminiに併設する形で同月31日に開店[7](2016年2月21日をもって閉店)、2014年5月17日には新宿店のアニメコーナーを拡大する形で2号店を開店した。

閉店・移転した店舗

閉店
移転

bounce

タワーレコード株式会社が発行する無料の月刊音楽情報誌である(前身はWest Coast News→Vinyl)。アメリカでは『PULSE!』と言うタワーレコード発行のフリーペーパーがありインタビューなど提携して掲載されることもあった。

本誌では"NO MUSIC, NO LIFE"をキーワードに、複数の著名人が写るポスターが数種類撮影される。なお、ポスターの被写体は音楽が本業の人物が最低一名いれば良いとされ、宮藤官九郎安めぐみなど音楽が本業でない人物も出演している。これらのポスターをまとめた単行本も出版されている。

隔週で配布される無料誌『TOWER』も発行されている。

Mikiki

タワーレコード株式会社が2014年に立ち上げた音楽レビューサイト。

フリーマガジン「bounce」や「intoxicate」、「TOWER PLUS+」などの作品レビューやインタビュー、特集なども掲載している。

「これいいよね!?」という共感を形にした、大の音楽好きによる音楽好きのための新たな“The Best Place to Find Music”となる音楽メディアを目指している。

タワーレコードギフトカード

第三者型発行者(発行前に登録が必要な発行者)である三井住友カード株式会社と提携し、「タワーレコードギフトカード」を発行している。500円券と1000円券があり、日本国内のタワーレコード店舗で使用することが可能である。

オンラインショップ

TOWER RECORDS ONLINE」の名称で開設している。CDや音楽DVD、音楽雑誌などの関連書籍やオリジナルグッズのほか、映画・アニメのDVD/Blu-rayや一部コミックスなど音楽と直接関係のない商品も取り扱っている。

ポイントサービス

買い上げ100円(税別)ごとに1ポイントが付与され、「100ポイント=100円」単位で次回以降の買い物の際に利用することが可能である。

クーポン

購入時に値引きされたり、ポイント還元率が増加するクーポンが配信される。ポイントサービスと異なり、クーポンはオンラインと実店舗で別々となっている。

TOWER RECORDS MUSIC powered by レコチョク

タワーレコードとレコチョクが、レコチョクの定額制音楽配信サービス「RecMusic」とNTTドコモの定額制配信サービス「dミュージック月額」を引継ぎ共同で立ち上げた定額音楽配信サービス。2021年10月1日サービス開始。「RecMusic」と「dミュージック月額コース」を利用しているユーザーはアカウントを継続利用できる[16]


  1. ^ Russ Never Sleeps...Sharing Memories of Tower Records”. No Depression. 2011年7月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月11日閲覧。
  2. ^ a b c タワーレコード株式会社 第40期決算公告
  3. ^ a b タワーレコード株式会社 第43期決算公告
  4. ^ タワーレコードを子会社化”. 読売新聞 (2012年6月12日). 2012年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月11日閲覧。
  5. ^ Napster日本版、5月末に終了”. ITmedia NEWS. 2022年12月11日閲覧。
  6. ^ タワレコら3社、新人アーティストの活動を支援する「Eggsプロジェクト」開始”. Musicman-net. 2015年2月15日閲覧。
  7. ^ アニメ/アニソンに特化したタワレコ新店舗「TOWERanime」、AV Watch、2013年10月9日
  8. ^ 梅田大阪マルビル店より閉店のお知らせ - TOWER RECORDS ONLINE”. tower.jp. 2023年3月29日閲覧。
  9. ^ 秋葉原店より閉店のお知らせ - TOWER RECORDS ONLINE”. tower.jp. 2023年3月29日閲覧。
  10. ^ 嶋崎宏樹、原田大生「秋田駅前 CD店ゼロに タワレコ・オーパ店 5日閉店」『秋田魁新報』2023年2月3日、25面。
  11. ^ タワーレコード下田店より閉店のお知らせ - TOWER RECORDS ONLINE”. tower.jp. 2024年3月2日閲覧。
  12. ^ TOWERminiアリオ仙台泉店より閉店のお知らせ - TOWER RECORDS ONLINE”. tower.jp. 2024年3月2日閲覧。
  13. ^ 【練馬区】光が丘の「タワーレコード」が閉店します。”. 号外NET練馬区. 本氣メディア株式会社 (2024年3月1日). 2024年3月2日閲覧。
  14. ^ LOW IQ 01 【渋谷店移転15周年おめでとうコメント】2010年11月4日
  15. ^ 【 難波店より なんばパークス店移転のお知らせ 】 - TOWER RECORDS ONLINE”. tower.jp. 2024年6月12日閲覧。
  16. ^ タワレコとレコチョクが共同で新音楽サブスクサービス 「TOWER RECORDS MUSIC powered by レコチョク」を10月1日スタート!”. タワーレコード. 2021年11月23日閲覧。


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