インテル チップセット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/25 01:14 UTC 版)
チップセットとは
本来はパーソナルコンピュータが備える各種の機能に必要な、それぞれの大規模 (LSI) 集積回路 (IC) チップの集成(セット)という意味である。初期のIBM PCでは以下のような個別のICが使われていたが、大量の需要によりカスタムのASICを設計して生産するほうが安上がりになった。
- 8284 クロックジェネレータ
- 8288 バスコントローラ
- 8254 インターバル タイマ
- 8255 パラレルI/O インターフェース
- 8259 割り込みコントローラ
- 8237 DMAコントローラ
Pentium以前 対応製品
Intel286対応製品
- 82230/82231
- 82230・82231
Intel386対応製品
- 82350
- 82357 (ISP)・82358 (EBC)・82352(通常2 or 3 個使用)
- EISA 規格に対応したチップセット。Intel486 でも利用可能。
- 82350DT
- 82359 (DRAM Controller)・82358DT (EBC)・82353(2個使用)・82351 (LIO.E)
- EISA 規格に対応したチップセット。Intel486 でも利用可能。
- 82311
- 82303・82304・82307・82309
- Micro Channel 向けチップセット
Intel486対応製品
- 82380AB/82380FB
- 420EX
- Aries(アリエス)
- ノースブリッジ82425EX・82426EX
- 420TX
- Saturn(サターン)
- ノースブリッジ 82424TX・82423TX、サウスブリッジ82378IB
- 420ZX
- Saturn II(サターンII)
- ノースブリッジ 82424ZX、サウスブリッジ82378ZB
Pentium対応製品
P5マイクロアーキテクチャに対応した製品。
- 430LX PCI set
- Mercury(マーキュリー)
- 82434LX・82433LX x2・82378ZB・82378IB・82375EB・82374EB
- 430NX PCI set
- Neptune(ネプチューン)
- 82434NX・82433NX x2・82378ZB・82378IB・82375EB・82374EB
- 430FX PCI set
- Triton(トライトン)
- 82437FX・82438FX x2・82371FB
- 数の多かった構成チップを2種に統合し、I/Oも高速化された。EDOメモリに初めて対応したチップセット。
- 430VX PCI set
- Triton VX(トライトンVX)
- 82437VX・82437VX x2・82371SB(PIIX3)
- SDRAM (DIMM) に対応。従来のFP/EDO (SIMM) メモリにも対応し、両方実装したマザーボードもある。
- 430HX PCI set
- Triton II(トライトン2)/ Triton HX(トライトンHX)
- 82439HX・82371SB (PIIX3)・82039AA
- ECCやデュアルCPUに対応したハイエンド向け。USBポートを実装。しかし初期のものはECCやUSBが動作しない欠陥があった[1]。ノースブリッジがBGAパッケージになった。最大メモリ512 MB。対応メモリはFP/EDO (SIMM) のみ。
- 430TX PCI set
- Triton TX(トライトンTX)
- 82439TX (MTXC)・82371AB (PIIX4)・82380FB
- チップセットがすべてBGAパッケージになった。最大メモリ256 MBだが、64 MBより上は2次キャッシュからのキャッシングが効かない。
- SDRAM/FP/EDOメモリに対応。
- ACPIに対応しており、ATXマザーボードの製品もある。
- 430MX PCI set
- Ariel(アリエル)
- 82437MX・82438MX x2・82371MX (MPIIX)
- Pentium系のモバイル向けチップセット。
Pentium Pro/Pentium II/Pentium III対応製品
P6マイクロアーキテクチャに対応した製品。
440 AGP / PCI set ファミリ
- 440FX PCI set
- Natoma(ナトマ)
- 82441FX・82442FX x2 (DBX)・82371FB (PIIX)・82371SB (PIIX3)・82093AA (IOAPIC)
- Pentium Proのクライアント向けチップセットとして開発された。FP/EDO (SIMM) メモリのみサポートのため、高速なP6バスの足を引っ張る形となっていた。デュアルCPU対応。
- 440LX AGP set
- 82443LX (PAC)・82371AB (PIIX4)・82093AA (IOAPIC)
- SDRAMを採用し、AGPバスを実装した。
- 440BX AGP set
- 82443BX (PAC)・82371AB (PIIX4)・82371EB (PIIX4E)・82093AA (IOAPIC)
- FSB 100 MHz対応により、Pentium IIIに対応。安定性に優れ、非常に息の長いチップセットとなった。
- Mobile 440BX AGP set
- 82443BX (PAC)・72371AB (PIIX4)
- 440GX AGP set
- 82443GX (PAC)・82371AB (PIIX4)・82371EB (PIIX4E)・82371MB (PIIX4M)・82093AA (IOAPIC)
- Pentium III Xeon (Slot2) 用のチップセット。
- 440EX AGP set
- 82443EX (PAC)・82371AB (PIIX4)・82371EB (PIIX4E)
- 440ZX AGP set
- 82443ZX (PAC)・82371EB (PIIX4E)
- 440BXの廉価版。メモリスロットが2つに制限されている。モバイル用としても利用された。
- 440ZX66 AGP set
- 82443ZX-66 (PAC)・82371EB (PIIX4E)
- FSB 66 MHz固定とした440ZXの廉価版。
- Mobile 440ZX66M AGP set
- 82443ZX66M (PAC)
- 440ZX66のモバイル向け製品。
- 440DX PCI set
- 82443DX 266 MHz(PAC・CPUパッケージに統合)82371EB (PIIX4E)
- Mobile 440MX PCI set
- Banister(バニスター)
- 82433MX(1チップ統合)
- Mobile 440MX-100 PCI set
- Banister(バニスター)
- 82433MX(1チップ統合)
- 440JX AGP set
- - (PAC)・- (PIIX6)
- 開発中止
450 PCI set ファミリ
- 450GX PCI set
- Orion(オリオン)
- Pentium Proのサーバー向けチップセットとして開発された。FP/EDO (SIMM) メモリのみサポート。メモリを4枚単位(128bit幅)でアクセスする。クアッドCPU対応。ホストPCIバスを2つ持ち、サウスブリッジを2セット分接続可能。
- 450KX PCI set
- Mars(マーズ)
- 82451KX x4 (MIC)・82452KX (DP)・82453KX (DC)・82454KX (PB)
- Pentium Proのワークステーション向けチップセットとして開発された。FP/EDO (SIMM) メモリのみサポート。デュアルCPU対応。搭載チップセットが最小構成でも7チップ必要だった。後に440シリーズに取って代わられる形となった。
800 チップセット ファミリ
400シリーズまでの従来チップセットはノースブリッジとサウスブリッジとをPCIで接続していたが、周辺機器の高速化によりPCIでは帯域の不足が予想されたことから、インテル・ハブ・リンク・I/O アーキテクチャを採用したチップセットを開発した。これにより、型番は800番台となった。ローエンド向けのIntel 810、メインストリーム向けのIntel 820、ハイエンド向けのIntel 840が登場し、遅れてIntel 830が加わった。
810 チップセット ファミリ
ローエンドを受け持つチップセットとして登場した。しかしIntel 820の商業的失敗により、その穴埋めとして改良により性能を引き上げたIntel 810E/810E2も発表され、Intel 810を改良したIntel 815も登場した。結果的に多数の製品が出荷されることとなった。
815 チップセット ファミリ
急遽810チップセットを改良してPC133 SDRAMと外部AGPへの対応を行った製品。
820 チップセット ファミリ
800ファミリのメインストリーム向けとして投入されたチップセット。従来のSDRAMより広帯域なRDRAMへの対応を特徴としていたが、製品の回収など様々なトラブルが相次ぎ普及に失敗し、810/815に取って代わられた。インテル製品の失敗例として知られる。
830 チップセット ファミリ
Tualatinと呼ばれる新しいPentium IIIに対応するチップセットとして設計された。しかし販売戦略により、Pentium 4の普及とPentium IIIの終息が急速に行われたことから、Pentium 4が不得意とするモバイル向けは発売されたが、デスクトップ向けは発売されなかった。
840 チップセット ファミリ
RDRAMを採用した。Pentium III Xeon用のチップセット。Intel 440GXの後継にあたる。開発コードネームはCarmel(カーメル)。
16ビット幅のRDRAMを2枚単位でアクセスするデュアルチャネルのメモリバスを採用している。
- ^ “私がTriton2のマザーボードを薦めない理由”. PC Watch (1996年7月22日). 2012年5月7日閲覧。
- ^ “ASRock 775i65G”. 2011年12月11日閲覧。
- ^ 仕様上ICH10でも構成できたが、ハイエンド向けチップセットであったことから、マザーボードメーカーやPCメーカーは大多数がRAID対応のICH10Rを採択した
- ^ “Intelがイベント開催、LGA1156をアピール”. 2012年6月2日閲覧。
- ^ “出荷が再開されたIntel 6チップセット搭載機” 2016年2月24日閲覧。
- ^ “Leaked Roadmap Reveals Intel 7 Series Chipset” (2011年4月20日). 2013年12月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年4月29日閲覧。
- ^ “■笠原一輝のユビキタス情報局■ Haswellが作り出す新しいデジタルデバイス市場”. PC Watch. (2012年4月12日) 2016年2月21日閲覧。
- ^ “Haswell Refresh徹底紹介(2)”. AKIBA PC Hotline 2020年8月10日閲覧。
- ^ “インテル100シリーズチップセット”. 2018年5月16日閲覧。
- ^ “デスクトップ・ノート向けKaby Lake世代Intel Coreシリーズ発表。4K/VR対応強化の14 nm+プロセス品 - Engadget 日本版”. AOL Online Japan, Ltd. (2017年1月4日). 2018年6月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年1月5日閲覧。
- ^ a b “Intel Kaby Lake Core i7-7700K, i7-7700, i5-7600K, i5-7600 Review : Intel Kaby Lake: Z270, Optane, Overclocking & HD Graphics 630 - tom's HARDWARE”. Purch Group, Inc. (2017年1月3日). 2017年1月15日閲覧。
- ^ Lucas Mearian Computerworld (2017年1月5日). “Intel、新方式の不揮発性メモリーOptaneの出荷開始時期を明らかに - Computerworldニュース - Computerwork”. 日経BP社. 2017年1月15日閲覧。
- ^ インテルOptaneメモリー製品は第12/13 世代インテルプロセッサーおよび関連プラットフォームではサポートされていません
- ^ “エンスージアスト待望のCore X+Intel X299プラットフォームを試す” 2017年8月7日閲覧。
- ^ “インテル300シリーズチップセット”. 2018年5月13日閲覧。
- ^ “インテル400シリーズチップセット”. 2020年8月9日閲覧。
- ^ “第10世代CoreをサポートしたIntel 400番台の新チップセット搭載マザーボードが各社から” 2020年8月9日閲覧。
- ^ “「LGA 1200」への対応について Cooler Master”. 2020年8月10日閲覧。
- ^ “Z590・H570・H510・B560 チップセットの機能をスペックから徹底比較!”. 2021年5月22日閲覧。
- ^ “インテル 500 シリーズ・デスクトップ・チップセット”. 2021年5月22日閲覧。
- ^ “インテル 500 シリーズ・モバイル・チップセット”. 2021年5月22日閲覧。
- ^ Intel500シリーズマザーボードで統合グラフィックスカードを使用すると、BIOSのCSMオプションが灰色で構成できないように見えるのはなぜですか?
- ^ “Intel チップセット スペック・性能・比較 | パソコン工房 NEXMAG”. パソコン工房 NEXMAG[ネクスマグ] (2021年2月24日). 2022年6月20日閲覧。
- ^ “製品仕様 インテル® 600 シリーズ・デスクトップ・チップセット”. www.intel.co.jp. 2022年6月20日閲覧。
- ^ “製品仕様 インテル® 600 シリーズ・モバイル・チップセット”. www.intel.co.jp. 2022年6月20日閲覧。
- ^ Intel LGA1700ソケット対応のCPUクーラーリテンションのご案内
- ^ インテル・チップセット製品
- ^ “Z790・H770・B760 チップセットの機能をスペックから徹底比較 | パソコン工房 NEXMAG”. パソコン工房 NEXMAG[ネクスマグ] (2023年4月10日). 2024年5月19日閲覧。
- インテル チップセットのページへのリンク