prevalence
「prevalence」とは、有病率のことを意味する表現。
「prevalence」とは・「prevalence」の意味
「prevalence」とは、医学や公衆衛生の分野で使用される用語で、ある病気や疾患が特定の人口や地域でどれだけ広く、普及しているかを示す指標である。具体的には、ある期間(通常は1年間)において、ある病気や疾患を発症している人の割合を、対象とする人口の中で算出する。たとえば、ある地域の1年間の間に1000人の人口のうち、50人がある病気にかかったとすると、その病気のprevalenceは、50 ÷ 1000 = 0.05(5%)となる。prevalenceは、病気や疾患の普及状況を把握するための重要な指標であり、疫学研究などで広く使用されている。「prevalence」の語源・由来
「prevalence」の語源は、ラテン語の「praevalentia(支配力、優勢、普及)」に由来する。この語は、「prae(前に、優位に)」+「valentia(力、勢い)」という形で構成されており、「前にある」「優勢である」という意味がある。英語においては、14世紀に「prevalentia」として導入され、やがて「prevalence」という形に変化して現代に至る。現代英語では、医学や公衆衛生の分野でよく用いられる専門用語のひとつとなっている。「prevalence」の覚え方
1つ目の方法は、「prevalent(普及している、広く行き渡っている)」という形容詞に注目する方法である。「prevalence」は、この「prevalent」から派生した名詞であり、ある病気や疾患が広く行き渡っていることを示す指標として用いられる。2つ目の方法は、「prevalence」を「pre-(前に)」+「valence(価値)」と解釈する方法である。「prevalence」と「incidence」の違い
「Prevalence(患病率、罹患率)」は、ある時点で特定の人口集団の中で、ある疾患を患っている人の割合を表す。つまり、ある疾患が既に存在する人数を示す指標である。例えば、ある国のある時点で、高血圧を患っている人の割合が20%である場合、その国の高血圧の罹患率は20%となりる。一方、「Incidence(発生率、罹患率)」は、ある期間内に、ある人口集団である疾患が初めて発生する人の数を表す。つまり、ある期間内に新たに発生した疾患の発生数を示す指標である。例えば、ある国で1年間に初めて高血圧を発症した人が100人である場合、その国の高血圧の発生率は100人/年となる。したがって、「prevalence」と「incidence」は、異なる時間軸で異なる情報を提供する指標であると言える。また、「prevalence」は、ある疾患に対する現在の状況を把握するために用いられ、「incidence」は、ある疾患の予防や治療に対する介入効果の評価に用いられることが多い。
「prevalence」の類語
Incidence:疾患の発生率を表すFrequency:ある事象や現象がある期間内に起こる回数を表す
Occurrence:ある状況や現象の発生頻度を表す
Extent:ある事象や現象の広がりや範囲を表す
Spread:ある事象や現象が広がる様子を表す
Preponderance:ある状況や現象が支配的であることを表す
Dominance:ある状況や現象が支配的であることを表す
「prevalence」を含む英熟語・英語表現
「in prevalence」とは
「in prevalence」は、ある状況や現象がある地域や集団で広がっていることを示す表現である。例えば、「COVID-19 is currently in prevalence in many countries around the world」という文は、「COVID-19が現在、世界中の多くの国で広がっている」という意味になる。ここでの「in prevalence」は、「普及している」という意味で使用されている。
「prevalence rate」とは
一方、「prevalence rate」は、ある特定の状況や疾患の広がりを示すために使用される尺度の1つで、ある時点での疾患の発生率を表す。具体的には、ある地域や集団におけるある疾患の症例数を、その地域や集団の人口総数で割った値に100をかけたものである。例えば、ある地域の人口総数が10万人で、そのうち500人がある疾患に罹患している場合、その疾患のprevalence rateは0.5%となる。
「prevalence」の使い方・例文
疾患の広がりを表す場合・The prevalence of diabetes is increasing worldwide.
(糖尿病の普及度合いは、世界中で増加している)
・The prevalence of smoking has decreased in recent years.
(喫煙の普及度合いは、最近の年において減少している)
社会現象の広がりを表す場合
・The prevalence of online shopping has skyrocketed during the pandemic.
(パンデミック中に、オンラインショッピングの普及度合いは急増した)
・The prevalence of mental health issues among young people is a growing concern.
(若者の精神的健康問題の普及度合いは、増加していることが懸念されていた)
特定の状況の広がりを表す場合
・The prevalence of poverty in this region is alarming.
(この地域の貧困の広がりは、深刻な問題である)
・The prevalence of hate crimes is a disturbing trend that needs to be addressed.
(憎悪犯罪の広がりは、対処が必要な悩ましいトレンドである)
疾患の発生率を表す場合
・The prevalence of COVID-19 in this area is 2%, which is higher than the national average.
(この地域のCOVID-19の発生率は2%で、全国平均よりも高い)
・The prevalence of heart disease among middle-aged men is significantly higher than that among women.
(中年男性の心臓病の発生率は、女性よりも著しく高い)
有病割合
(prevalence から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/29 07:32 UTC 版)
有病割合(ゆうびょうわりあい、英語: Prevalence、Prevalence proportion)は、集団における疾病の静的な頻度をあらわす指標の一つである。疫学において有病割合は、以下のように算出される。疫学では過去の経緯から有病割合と表現せずに、有病率(ゆうびょうりつ、Prevalence rate または単にPrevalence)という。
- ^ 疫学辞典 第三版、財団法人日本公衆衛生協会
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