bopビジネスとは? わかりやすく解説

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ビーオーピー‐ビジネス【BOPビジネス】

読み方:びーおーぴーびじねす

BOPは、base of the economic pyramid の略》低所得層を対象とする国際的な事業活動民間企業開発援助機関連携し収益確保しながら、貧困層の生活向上など社会的課題解決向けて貢献する。→ビー‐オー‐ピーBOP


BOPビジネス

BOPビジネス 世界資源研究所調査によれば世界人口72%(約40億人)が年間所得3000米ドル以下の低所得者層に該当しますBOPは「Base of the Pyramidベース・オブ・ザ・ピラミッド)」または「Bottom of the Pyramid(ボトム・オブ・ザ・ピラミッド)」の略で、所得階層別でみた人口構成ピラミッド底辺層を指します。BOPビジネスはこうした人々対象にしたビジネスをいい、市場規模日本実質国内総生産相当する5兆ドルにのぼるといわれます
 参入企業利潤追求だけでなく、BOP層の生活水準を向上させ、現地自立的なビジネス流通仕組み根付かせるという社会貢献発想求められます。こうした収益性社会性微妙なバランスのうえに成立するのが、従来CSR企業の社会的責任)とは異なるBOPビジネスの特徴点といえるでしょう
 最近は途上国におけるブランド浸透優秀な人材の確保製品・サービスバリューチェーン刷新といったイノベーション目的に、欧米日本の企業が相次ぎBOPビジネスに参入してます。将来経済発展見据え、今からボリュームにあたりをつけておく狙いあります。とくに金融危機表面化した2008年秋以降先進国市場売り上げ伸び悩むなかで、BOP市場寄せ期待急速に高まってます。日本企業でもポストBRICsブラジルロシアインド中国)を視野に、BOP市場の「深耕」に乗り出す動き活発化しています。
 日本企業は高度な技術力強み途上国では富裕層対象商品戦略展開してきましたが、BOP市場はこうした従来型ビジネスモデル通用しません。なぜなら低所得者層や中間所得者層をビジネスユーザーにするには、公衆衛生住宅食料飲料水など基本的な生活ニーズ根ざした商品開発販売方法欠かせないからです。
 BOPビジネスは販売価格耐久性使い勝手などの点で、富裕層ビジネスにはない厳しい条件要求されます。価格面のハードルをできる限り下げ識字率の低い地域では絵文字多用したり、組み立て工程を簡便なものにしたりするなど設計面の工夫も重要です。市場ニーズ合致した商品開発し継続的に供給する仕組み構築するには、途上国BOP層との繋ぎ役となるブローカー中間支援組織起業家NGO非政府組織)などとのコラボレーション欠かせません。貧困地域にあっては無担保少額融資を行うグラミン銀行バングラディシュのような地場金融助け必要になります
 日本企業にも成功事例ありますヤクルト40年以上も前からアジアヤクルトレディーによる訪問販売仕組みを展開。現在はインドベトナムインドネシアなどの途上国雇用健康な生活を提供してます。住友化学殺虫剤練り込んだ樹脂糸を使ってマラリア防除蚊帳「オリセットネット」を開発ユニセフなどの国際機関通じてアフリカ中心に50上の国々供給してます。タンザニア生産を行うことで約4000人の雇用生み出すなど、地域経済の発展にも貢献してます。ヤマハ発動機97年インドネシア子会社設立国連開発計画UNDP)などと連携して水道のない地域クリーンな供給するための小型浄水プラント普及努めてます。
 日本企業にとって、お家芸ともいえる「技術力」や「モノづくり力」がBOP市場を「深耕」する強力な後ろ盾なりそうです。

(掲載日:2010/01/28)


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