T-DMBとは? わかりやすく解説

T-DMB

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/25 04:49 UTC 版)

DMB」の記事における「T-DMB」の解説

T-DMB(Terrastrial-digital media broadcasting)は、2005年大韓民国放送開始した小型携帯機器用地デジタル放送テレビ放送ラジオ放送データ放送実施している。日本ワンセグ相当するもの地上波DMBとも称される映像にはH.264/AVC音声にはMPEG-4 BSACデータ放送にはMPEG-4 Systems Core profile使用送信周波数VHF帯を使用受信困難な地域地下鉄駅に、ギャップフィラー電波中継器)を約8000ヶ所(2006年12月現在)設置している。地下鉄駅限って受益者負担観点から、携帯電話事業者設置管理している。また、インターネット通して地上DMB遠隔受信する技術IP放送)も開発された。DMBOと呼ばれ海外でもほぼ同時に視聴可能となる。受信機日本国内でも販売されている。 大韓民国では地上デジタル放送規格米国開発されATSC採用したが、この規格そもそも米国郊外のように広大な土地家屋点在する、あるいは島々点在する地域向けの規格であり、韓国日本のように山岳大都市近接する地域ではマルチパス妨害影響を受けやすく小型携帯機器での受信には向いていない。 日本では自国環境合わせてISDB-Tという放送方式開発したが、日本より早い2001年地上デジタル放送開始した韓国では、一部放送事業者市民中心となってATSCよりも移動体受信に強いヨーロッパ方式DVB-T)への転換求め運動起きた結局2004年7月になって政府審議会が、既に放送開始した地上デジタル放送について方式変更せずATSC方式引き続き使用することとし移動体向け放送について欧州デジタルラジオ規格DABデジタル放送規格EUREKA-147を元に独自開発することを決めた2005年12月一部地域サービス開始し、2006年5月から首都圏地下鉄サービス拡大2007年6月国内全土サービス拡大ISDB方式普及について日本政府積極的に活動しているのと同様、韓国政府海外へのT-DMBの普及活動行っている。通常の地上デジタル放送規格移動体向け規格内包するISDB-T地上デジタル未導入地域ターゲットとして地上放送移動体向け放送両方パッケージとした普及活動行っているのに対し、T-DMBはDVB-TATSCなど、他の放送方式利用して既に地上デジタル放送開始した地域向けに移動放送用規格として普及活動行っている。 他の多く移動体向け放送方式UHF帯電波使用するのに対し、T-DMBはより周波数の低いVHF帯を使用するため、韓国政府海外へ普及活動においては他の方式よりも電波届きやすいことをアドバンテージとして掲げている。ただし高層ビルの上層階において遠方基地局からの電波混信して携帯電話電波状態が悪化するのと同様、電波届きやすいことは混信可能性高めることにもなるので必ずしもアドバンテージであるとは言い切れない。また、VHF帯ではUHF帯よりも大型アンテナ受信回路、そしてより多く電力を必要とするため、携帯電話などの小型端末への搭載においては却って不利になる欧州では移動体受信方式としてDVB-H採用されているほか、韓国採用したATSCにも、移動体向けのATSC-M/HATSC for Moblie/Handheld)規格2009年制定されたため、今後T-DMBが韓国以外で普及するかは未知数。かつてドイツ連邦共和国試験放送までこぎつけたが、正式採用には至らずヨーロッパ方式であるDVB-Hにより本放送開始した)、現在は韓国以外の国での採用例はない。

※この「T-DMB」の解説は、「DMB」の解説の一部です。
「T-DMB」を含む「DMB」の記事については、「DMB」の概要を参照ください。

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