Official Residenceとは? わかりやすく解説

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公邸

(Official Residence から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/12/25 12:36 UTC 版)

公邸(こうてい、英語: official residence)は、大統領首相などが居住に使用するために設けられた官舎。日本では執務を行う官邸と区別して用いられるが、英語のofficial residenceでは官邸と公邸の区別はされない。

日本における公邸

皇室

御所
赤坂御用地の門

皇族の所有する居所(不動産)は皇室財産として扱われ、皇室財産は日本国憲法第88条により日本国に属するものとされ、国から皇室の用に供される(国有財産法第3条第2項第3号)。

国家公務員

国家公務員の公邸は国家公務員宿舎法で以下の国家公務員に対するものが規定されている。公邸については、いすやテーブル等公邸に必要とする備品を無料で貸与と規定されている。家賃は無料で水道光熱費や管理費も全額が国費で賄われている[1]

  • 衆議院議長及び衆議院副議長
  • 参議院議長及び参議院副議長
  • 内閣総理大臣及び国務大臣
  • 最高裁判所裁判官
  • 会計検査院長
  • 人事院総裁
  • 国立国会図書館長
  • 衆議院事務総長及び参議院事務総長
  • 衆議院法制局長及び参議院法制局長
  • 宮内庁長官及び侍従長
  • 検事総長
  • 内閣法制局長官
  • 在外公館の長

2002年時点では庁舎部分の「官邸」と宿舎部分の「公邸」に区別されているが、戦前までは一体のものと認識されていた[2]。首相官邸事務所や財務省国有財産調整課によると「官邸」が「公邸」との対比で庁舎を意味するようになったのは1949年制定の国家公務員宿舎法がきっかけとされる[2]

国家公務員の公邸に関して明示があるものは、次の通りである。ただし、明示があるものであっても、予算の範囲内で設置することになっているので[3]、現在設置されていないものもある。なお、これらの公邸付近には警備派出所が設けられている場合もある。

公邸として利用されているもの

名前 写真 建設年月日 備考
内閣総理大臣公邸 1929年(昭和4年)[4][5] 内閣総理大臣官邸を改修したもの
内閣官房長官公邸 2002年(平成14年)4月22日 2002年に内閣総理大臣官邸内に設置されたが入居した内閣官房長官はいない[6][7]
衆議院議長公邸 2001年平成13年)
衆議院副議長公邸 1982年昭和57年)[8] 日建連BCS賞第25回受賞[8]
参議院議長公邸 1961年(昭和36年)
参議院副議長公邸 1993年(平成5年)5月[9]
最高裁判所長官公邸 1928年(昭和3年)6月[10][注 1] 法律上は最高裁判所裁判官公邸

重要文化財(旧馬場家牛込邸)

在外公館の長の公邸

(大使公邸、総領事公邸)

かつて存在した公邸

名前 廃止年月日 廃止時住所 備考
最高裁判所裁判官公邸 最高裁判所長官公邸のみ公邸として現存
法務大臣公邸 1955年(昭和30年)[11][12] 東京都品川区平塚5-120[13] 内閣官房長官公邸のみ公邸として現存[14]
外務大臣公邸 1955年(昭和30年)[11][12] 東京都品川区北品川3-315[15]
大蔵大臣公邸

政府第一公邸[16]

1955年(昭和30年)[注 2][11][12]

1968年(昭和48年)[12]

東京都港区芝三田網10[15]
文部大臣公邸 1955年(昭和30年)[11][12] 東京都渋谷区八幡通3-8[15]
厚生大臣公邸 1955年(昭和30年)[11][12] 東京都渋谷区南平台44[15]
農林大臣公邸 1955年(昭和30年)[11][12] 東京都渋谷区猿楽39[15]
通商産業大臣公邸 1955年(昭和30年)[11][12] 東京都品川区五反田5060[15]
運輸大臣公邸

政府第二公邸

1955年(昭和30年)[注 2][11][12]

1968年(昭和48年)[12]

東京都渋谷区代々木初台636[15]
郵政大臣公邸 1955年(昭和30年)[11][12] 東京都渋谷区長谷戸52[15]
労働大臣公邸 1955年(昭和30年)[11][12] 東京都渋谷区南平台12[15]
建設大臣公邸 1955年(昭和30年)[11][12] 東京都港区麻布霞1[15]
経済審議庁長官公邸

政府第三公邸[17]

1955年(昭和30年)[注 2][11][12]

1968年(昭和48年)[12]

東京都港区麻布市兵衛2-89[13]
地方自治庁長官公邸 1955年(昭和30年)[11][12] 東京都渋谷区松涛50[18]
北海道開発庁長官公邸 1955年(昭和30年)[11][12] 東京都港区麻布震町1
国務大臣公邸

政府第四公邸[19]

1955年(昭和30年)[注 2][11][12]

1968年(昭和48年)[12]

東京都港区芝二本榎1[15]
会計検査院長公邸
人事院総裁公邸 2002年(平成14年)6月[14]
国立国会図書館長公邸
衆議院事務総長公邸 現在は衆議院事務局分室[20]
衆議院法制局長公邸
参議院事務総長公邸
参議院法制局長公邸
内閣法制局長官公邸 2001年(平成13年)9月[14] 五反田共用会議所となった後、内閣総理大臣公邸の整備のあいだ仮公邸として使用[21]。同地は現在ザ・パークハウス池田山が立地。
宮内庁長官公邸 2002年(平成14年)10月[14] 東京都千代田区三番町2-18 現在は宮内庁分庁舎

寬仁親王妃信子が居住している[22]

侍従長公邸 2002年(平成14年)10月[14] 東京都千代田区三番町2-18 現在は宮内庁分庁舎(事務棟)
検事総長公邸 2001年(平成13年)7月[14] 同地は現在、港区立元麻布保育園が立地

現存する過去の公邸として使用されていた建築物

現在 過去 写真 建設 現住所 備考
旧渋沢家住宅 大蔵大臣公邸

政府第一公邸

1878年明治11年)[注 3] 東京都江東区潮見2-8-20 江東区指定有形文化財

元々は実業家の渋沢栄一が東京に有していた6つの私邸のうちの一つ。公邸のあと、三田共用会議所として使用、数度の移築を経て現在は東京都江東区に現存[16]

東京都庭園美術館本館 外務大臣公邸 1933年(昭和8年) 東京都港区白金台5-21-9 朝香宮邸。外務大臣公邸として使用後、白金プリンスホテル迎賓館等を経て現在は東京都庭園美術館
旧朝倉家住宅 農林大臣公邸

経済企画庁長官公邸

1919年(大正8年) 東京都渋谷区猿楽町29-20 重要文化財

朝倉虎治郎の没後、1947年に中央馬事協会に売却。中央馬事協会がGHQにより解散されると、農林省に譲渡、公邸として使用。1955年に公邸を閉鎖するも1957年、経済安定本部が大蔵省所管下の朝倉家住宅を長官公邸として借用[23]

高輪プリンスホテル貴賓館 商工大臣公邸[24]

通商産業大臣公邸[25]

1911年(明治44年) 東京都港区高輪3-13-1 竹田宮邸。戦後商工省、通産省大臣公邸として使用の後、堤康次郎に売却、高輪プリンスホテルとして使用。
衆議院事務局分室 衆議院事務総長公邸 東京都千代田区一番町22
宮内庁分庁舎 宮内庁長官公邸 東京都千代田区三番町2-18
宮内庁分庁舎 侍従長公邸 東京都千代田区三番町2-18

地方公務員

イギリスの公邸

イギリス王室

バッキンガム宮殿

国王と女王

その他の王族

イギリス政府

スコットランド

バチカン市国

ローマ教皇

バチカン宮殿

ローマ教皇には古くから公邸があり、13世紀末にサン・ジョバンニ・イン・ラテラノの公邸が荒廃したためバチカンに公邸は移された[27]。ただし、マルティヌスエウゲニウスは安全上の理由などからバチカンには住まずにローマ内の教会堂のパラッツォに居住することが多かった[27]。ローマ教皇公邸はバチカン宮殿の最上階にあり執務にも利用されている[28]

サン・マルタ館

サン・マルタ館聖座とともに働く聖職者のための宿泊施設として機能し、新教皇を選出するコンクラーヴェの際には枢機卿団の宿泊所として使われる。また、ローマ教皇フランシスコはサン・マルタ館の一室を公邸として使用した。

国際機関

国連事務総長

国連事務総長公邸はアメリカ合衆国ニューヨークマンハッタンのサットン地区にある4階建ての建物[29]国連の財政難により売却が検討されたが、国連本部受入国の米国との協定で事務総長には公邸を売却する権利がないことがわかり中止された[29]

イギリス連邦事務総長

イギリス連邦事務総長英語版の公邸はロンドンメイフェアのザ・ガーデン・ハウスに所在している[30]

国際オリンピック委員会会長

国際オリンピック委員会会長の公邸としてローザンヌ・パレス英語版がある。

脚注

  1. ^ 2021年(令和3年)5月に増改築が竣工
  2. ^ a b c d 大蔵大臣公邸、運輸大臣公邸、国務大臣(経済審議庁長官)公邸、国務大臣公邸(東京都港区二本榎西町1)の建物を残して、省庁共用で使用することとした
  3. ^ 表座敷、後に増築

出典

  1. ^ “最高裁公邸も廃止します 都内一等地、光熱費無料…公務員優遇批判に”判断””. 読売新聞. (1999年3月23日) 
  2. ^ a b “[ことばのファイル] 官邸 首相が執務する”立派な屋敷””. 読売新聞. (2002年4月13日) 
  3. ^ 国家公務員宿舎法第10条柱書。
  4. ^ 首相公邸(旧官邸)”. 首相官邸. 2025年4月1日閲覧。
  5. ^ 2005年(平成17年)4月に改修が竣工
  6. ^ 「住人いない官房長官公邸」『日本経済新聞日本経済新聞社、2015年8月9日。
  7. ^ 「官房長官公邸 主の不在9年 危機対応で建設… 「ムダ」指摘する声」『東京新聞中日新聞東京本社、2011年2月16日。
  8. ^ a b 衆議院副議長公邸”. 一般社団法人 日本建設業連合会. 2025年4月1日閲覧。
  9. ^ 公共建築 = Public buildings 36(2)(140)』公共建築協会、1994年4月https://dl.ndl.go.jp/pid/3205755 
  10. ^ 最高裁判所長官公邸の整備に関する有識者委員会 (2009年6月). “最高裁判所長官公邸の整備に関する有識者委員会報告” (PDF). 2015年1月15日閲覧。
  11. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 行政管理年報 第5巻』行政管理庁行政管理局、1956年、38頁https://dl.ndl.go.jp/pid/3049183 
  12. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s ファイナンス : 財務省広報誌 21(5)(237)』財務省、1985年8月、62頁https://dl.ndl.go.jp/pid/2798581 
  13. ^ a b 職員録 昭和24年』大蔵省印刷局、1949年https://dl.ndl.go.jp/pid/3038676/1/212 
  14. ^ a b c d e f 第2回幹部公務員の給与に関する有識者懇談会関連資料(平成15年7月28日)
  15. ^ a b c d e f g h i j k 職員録 昭和30年』大蔵省印刷局、1955年https://dl.ndl.go.jp/pid/3049249 
  16. ^ a b About旧渋沢邸について”. 清水建設. 2025年4月1日閲覧。
  17. ^ コッククロフト卿来日、わが原子力関係者と懇談」『日本原子力産業新聞』1958年11月25日。
  18. ^ 職員録 昭和27年』大蔵省印刷局、1952年https://dl.ndl.go.jp/pid/3026568 
  19. ^ みなとっぷ 高輪地区情報誌2023年11月号』高輪地区総合支所 協働推進課、2023年11月https://www.city.minato.tokyo.jp/takanawachikusei/takanawa/koho/documents/minatop50.pdf 
  20. ^ 衆議院決算行政監視委員会(分科会)ニュース 211回国会 (1)』衆議院、2023年4月24日https://dl.ndl.go.jp/pid/13032319/1/1?keyword=%E8%A1%86%E8%AD%B0%E9%99%A2%E4%BA%8B%E5%8B%99%E7%B7%8F%E9%95%B7%E5%85%AC%E9%82%B8 
  21. ^ 首相が公邸整備で引っ越し/9月中に都内の会議所へ」『四国新聞』2002年8月28日。
  22. ^ 三笠宮家の信子さま きょうから高輪皇族邸に仮住まい 愛犬を抱いてお引っ越し 2009年から住む宮内庁分庁舎の改修に総額13億円 2025年度から2年かけて工事へ」『TBS』2025年3月31日。
  23. ^ 重要文化財への指定”. 渋谷区. 2025年4月1日閲覧。
  24. ^ 朝日新聞政治部経済部同人『日本を動かす三百人』ニュース社、1948年https://dl.ndl.go.jp/pid/1042923/1/67?keyword=%E6%97%A7%E7%AB%B9%E7%94%B0%E5%AE%AE%E9%82%B8 
  25. ^ 新聞月鑑 = News mirror 3(26)』新聞月鑑社、1951年3月https://dl.ndl.go.jp/pid/3556306/1/20?keyword=%E6%97%A7%E7%AB%B9%E7%94%B0%E5%AE%AE%E9%82%B8 
  26. ^ a b c d e f g h i Ministerial Residences』イギリス庶民院図書館、2016年7月21日https://researchbriefings.files.parliament.uk/documents/SN03367/SN03367.pdf 
  27. ^ a b 稲川直樹、桑木野幸司、岡北一孝『ブラマンテ 盛期ルネサンス建築の構築者』NTT出版、2014年、213頁
  28. ^ 新ローマ法王、豪華公邸には入居せず 当面はホテル暮らし CNN、2019年6月5日閲覧。
  29. ^ a b 国連事務総長、米NYの公邸売却を一時検討 財政難への対応で AFP、2019年6月5日閲覧。
  30. ^ Baroness Patricia Scotland becomes first UK citizen to be elected secretary‑general of Commonwealth」『インディペンデント』2015年11月27日。

関連項目




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