Mi-8MTVの開発
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「Mi-17 (航空機)」の記事における「Mi-8MTVの開発」の解説
Mi-8MTV/Ми-8МТВMi-17-1V/Ми-17-1В リトアニア空軍のMi-8MTV-1 用途:多目的ヘリコプター 分類:ヘリコプター 設計者: MVZミーリ・カザン支局 製造者: KVZ 運用者 ソ連軍 ロシア連邦軍 ロシア空挺軍 ベラルーシ共和国軍 ウクライナ軍他 初飛行:1985年 生産開始:1988年 運用開始:1988年 運用状況:現役 表示 1980年代にはMi-8はすでに「古きよき時代」の機体となっていたが、その次なる重要な開発段階として、これに出力1,639馬力のTV3-117VMエンジンを搭載する派生型が開発された。1985年から2年間の間試験が行われたこの機体はMi-8MTVと命名され、新しい基本型となることが決定された。 エンジン性能向上によりMi-8MTVは標高4,000mまでの高地で離着陸可能となり、また、水平飛行であれば高度6,000mまで可能になった。他、上昇力、航続距離なども向上。搭載機材も近代化され、気象観測レーダーや長距離航法レーダーが搭載された。実戦で必要性が問われた操縦席の装甲板、燃料タンク防護、機首および尾部のPKT機関銃、6箇所のハードポイント、チャフ・フレアディスペンサーなどが増設された。アフガン戦争の経験から、機体の各部分の生存性向上も図られた。安全性の向上のため、Mi-8MTVにはフランス製緊急着水装置が搭載された。 1988年より本格的な量産がカザンにて開始された。Mi-8MTVにはのちにいくつかの派生型が製作されたので、この最初の派生型はMi-8MTV-1と呼ばれるようになった。基本型は輸送、エアボーン、急襲、救急、定期便、火力支援および地雷敷設などあらゆる任務に使用できるよう、各派生型が用意された。 Mi-8MTVの輸出型となるMi-17-1Vでは、TV3-117BMが搭載された。このエンジンの出力は1,900馬力であったが、片発飛行を余儀なくされた場合には最大で2,200馬力にまで出力を高めることができた。また、従来通り主機に加えて補助動力装置としてAI-9Vジェットエンジン1基も搭載した。貨物室には1基または2基の増加燃料タンクを装備でき、これにより航続距離は著しく増大した。また、昼夜間の飛行を可能とするため、流線型の機首(イルカ型と呼ばれる)に新しい機上レーダーなどの電子装備が搭載された。降着装置は、新しい耐氷型のVR-17が装備された。 Mi-17-1Vは、30名の空挺兵を輸送・降下させることができた。また、12名の傷病者と医療器具を搭載して救急輸送機として使用することもできた。貨物に関しては、4,000kgまでの物資をキャビンまたは機外に積載することができた。強襲型については6箇所のハードポイントを有した。そこに装備されるBD3-57KRVMパイロンには、20発のS-8ロケット弾を収納するB8V20ロケット弾ポッドを4基か、あるいは23mm機関砲GSh-23Lを格納したUPK-23-250機関砲ポッド、もしくは50kgから500kgの軽量の爆弾を搭載できた。自衛用装備としては、PKT機関銃が前方に搭載された。また、アクティブ・パッシブ電子装備も艤装された。 輸出向けのバリエーションとしては、エンジンをプラット・アンド・ホイットニー PW127としたもの、電子装備を西側製にしたものも開発された。
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