MINT JAMSとは? わかりやすく解説

MINT JAMS

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/23 06:51 UTC 版)

MINT JAMS
カシオペアライブ・アルバム
リリース
録音 1982年2月23日2月24日
中央会館 築地
ジャンル フュージョン
時間
レーベル アルファレコード
ALR-20002
プロデュース 宮住俊介
カシオペア アルバム 年表
CROSS POINT
(1981年)
『MINT JAMS』
(1982年)
FOUR BY FOUR
(1982年)
EANコード
EAN 4542696000354
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専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典評価
Allmusic[1]

MINT JAMS』(ミント・ジャムス)は日本のフュージョンバンド、カシオペアの7枚目のアルバム。ライブ・アルバムとしては2作目にあたる。

解説

アルファレコードのヨーロッパ進出に伴い、所属アーティストであるカシオペアのヨーロッパ向けのアルバムの制作が企画された。当初は既存アルバムからのベストセレクトが予定されていたが、ヨーロッパでのディストリビューションを受け持つことになったCBS-UKの担当者 Peter Robinsonが、1981年12月の「CROSS POINT」ツアーにおける大阪公演のパフォーマンスをたいへん気に入り、「何というライブの素晴らしいバンドだ。このライブの迫力とスタジオ録音の緻密さが一緒になったものができないだろうか」とのリクエストに応え、既存の楽曲をホール・レコーディングすることとなった。

アルバム制作のマテリアルとして中央会館(現・銀座ブロッサム 中央会館)における2日間の単独ライブ音源が使用され、10日間以上にわたる入念なリミックス作業が行なわれた。楽曲も事前にスタジオ作業を念頭に置いたアレンジがなされ、「Time Limit」のアウトロなどにスタジオで部分的なトリートメント処理が施されたほかは一切ダビングを行なわず[2]、ライブにつきものの観客のノイズも「Domino Line」と「Swear」の一部を除きカットされ、スタジオ録音と見紛うほどの出来ばえになっている。

アルバムタイトルは、ミント・コンディション (新品同様、極上のコンディションの意) のミントとジャム・セッションのジャムを合わせた造語「最高の演奏」 (当時は自重してミントの意味を“爽快な”として説明していた) であり、メンバーのイニシャルのアナグラムでもある。アルバムジャケット[3]にはタイトルの直訳である“ハッカのジャム”の瓶が描かれている。

彼らの純粋な演奏のダイナミズムに綿密なスタジオ作業が加わった『MINT JAMS』は、今日においてもカシオペアのキャリアを代表する作品のひとつとして評価されている。

このセッションで試みたレコーディング手法は後年のアルバム制作にも活かされており、次作『FOUR BY FOUR(4X4)』ではリー・リトナーグループとのスタジオセッション音源、1984年の『DOWN UPBEAT』ではスタジオでの一発録音音源、1990年の『THE PARTY』ではスタジオライブの映像収録時の音源をそれぞれ用いている。近年では、アレンジをリハーサルライブで充分に練り上げたのち、短期間のスタジオレコーディングに臨むという手法も用いている。

なお向谷実はこの頃より"YAMAHA GS1"をメインキーボードにするようになり、以後カシオペアの表看板となっていった。

本作のヨーロッパ盤は日本と同年にリリースされた。翌1983年、彼らがアルバム『JIVE JIVE』のレコーディングのためにロンドンを訪れた際、プロモーションのためのライブが行われている。

収録曲

Side A
全作曲: 野呂一生
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.「テイク・ミー」(Take Me) 野呂一生
2.「朝焼け」(Asayake) 野呂一生
3.「ミッドナイト・ランデブー」(Midnight Rendezvous) 野呂一生
4.「タイム・リミット」(Time Limit) 野呂一生
合計時間:
Side B
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.「ドミノ・ライン」(Domino Line) 野呂一生
2.「ティアーズ・オブ・ザ・スター」(Tears of the Star) 野呂一生
3.「スウェアー」(Swear) 野呂一生
合計時間:

スタッフ・クレジット

参加ミュージシャン

CASIOPEA

野呂一生 - エレクトリックギター (YAMAHA SG-2000)、編曲
向谷実 - キーボード (YAMAHA GS-1, CS-70M, CP-35, Moog Source, ROLAND Vocoder Plus)
櫻井哲夫 - ベース (YAMAHA BB-2000)
神保彰 - ドラム (YAMAHA YD-9000R)、パーカッション

制作クレジット

  • プロデューサー - 宮住俊介
  • アソシエート・プロデューサー - Satoshi Nakao
  • エンジニア - 吉沢典夫
  • アシスタント・エンジニア - 齊藤篤



  • リマスタリング - 鈴木浩二 (2016/7/27 ハイレゾ版)

受賞履歴

  • 1982年アドリブ誌選出フュージョンベストレコード
  • 1982年ジャズライフ誌 ベストレコード
  • ハイレゾ音源大賞 HD-Music 2016年7月度推薦作品[4]

リリース日一覧

地域 リリース日 レーベル 規格 カタログ番号 備考
日本 1982年5月21日 アルファレコード 30cmLP ALR-20002[5]
イギリス 1982年 ALF-85869
オランダ 1982年
スウェーデン 1982年 Sonet SNTF-924
日本 1983年12月21日 アルファレコード 12cmCD 38XA-5
スウェーデン 1984年 Sonet SNCD 924
日本 1987年1月25日 アルファレコード 32XA-112
1992年3月21日 ALCA-277
1994年7月27日 ALCA-9007
1998年7月23日 ALCA-9202
2000年5月31日 東芝EMI デジタルリマスター 12cmCD TOCT24366 紙ジャケ
2002年1月23日 ヴィレッジ・レコード VRCL-2207 DSD, 紙ジャケット
2002年2月14日 VRCL-2227 DSD
2009年5月27日 ソニー・ミュージックダイレクト MHCL-20009 DSD, ブルースペックCD, 紙ジャケット
2014年12月22日 HYBRID SA-CD DYCL-446 DSD, オーダーメイドファクトリー
2016年2月3日 デジタル・ダウンロード 1076210122 iTunes Store[6]
4582290414003 mora AAC-LC 320kbps[7]
A1003862351 レコチョク AAC 128/320kbps[8]
B01B5ATMFW Amazon.co.p[9]
Btqo2vsuzhatovitlmjn42qysey Google Play Music [10]
2016年7月27日 4582290419152 mora DSD 2.8MHz/1bit[11]
A1004668159 レコチョク FLAC 96kHz 24bit[12]
smj4582290419152 e-onkyo DSD 2.8MHz/1bit[13]
11188 HD-music DSD 2.8MHz/1bit[14]
4582290419145 mora FLAC 96.0kHz/24bit[15]
smj4582290419145 e-onkyo FLAC 96kHz 24bit[16]
11178 HD-music FLAC 96kHz/24bit[17]
9b1bb9ff260e89188f84 AWA 320kbps[18]
2016年11月10日 23fddOrAvvFX0iJQL5vvZ4 Spotify[19]
2021年7月21日 30cmLP MHJL-185 バーニー・グランドマンの最新リマスタリング[20]
2022年8月6日 クリア・グリーン盤で再プレス[21]

参考文献

外部リンク

出典・脚注

  1. ^ Allmusic review
  2. ^ 「Domino Line」のベースソロとドラムソロは一部カットされており、後に映像作品「ACT ONE」や「CASIOPEA AGAIN」でノーカットの完全な形で見ることできる。
  3. ^ なお、このジャケットのデザイナーである比留間雅夫はミュージシャンとしても、テクノユニット"TESTPATTERN"のメンバーとしてアルファレコードのYENレーベルから細野晴臣のプロデュースでアルバムをリリースしている。
  4. ^ HD-Music 2016年7月度推薦作品 ハイレゾ音源大賞”. AnyMusic. 2017年2月13日閲覧。
  5. ^ Casiopea-Mint-Jams”. discogs. discogs. 2014年11月9日閲覧。
  6. ^ MINT JAMS CASIOPEA”. Apple Inc.. 2016年2月3日23:00閲覧。
  7. ^ MINT JAMS CASIOPEA”. LevelGate Co.,Ltd... 2016年2月3日23:00閲覧。
  8. ^ MINT JAMS CASIOPEA”. RecoChoku Co.,Ltd.. 2016年2月3日23:00閲覧。
  9. ^ MINT JAMS CASIOPEA”. Amazon.co.jp. 2016年2月3日23:00閲覧。
  10. ^ MINT JAMS CASIOPEA”. Google Inc.. 2017年2月9日20:00閲覧。
  11. ^ MINT JAMS CASIOPEA”. LabelGate Co.,Ltd.. 2016年7月31日13:30閲覧。
  12. ^ MINT JAMS CASIOPEA”. RecoChoku Co.,Ltd.. 2017年2月12日23:00閲覧。
  13. ^ MINT JAMS CASIOPEA”. Onkyo & Pioneer Innovations Corporation. 2016年7月31日15:15閲覧。
  14. ^ MINT JAMS CASIOPEA”. JVCKENWOOD Victor Entertainment Corporation. 2016年7月31日13:00閲覧。
  15. ^ MINT JAMS CASIOPEA”. LabelGate Co.,Ltd.. 2016年7月31日13:30閲覧。
  16. ^ MINT JAMS CASIOPEA”. Onkyo & Pioneer Innovations Corporation. 2016年7月31日15:15閲覧。
  17. ^ MINT JAMS CASIOPEA”. JVCKENWOOD Victor Entertainment Corporation. 2016年7月31日13:00閲覧。
  18. ^ MINT JAMS CASIOPEA”. AWA Co. Ltd.. 2017年2月12日23:00閲覧。
  19. ^ MINT JAMS CASIOPEA”. Spotify AB. 2017年2月8日23:00閲覧。
  20. ^ CASIOPEA”. Sony Music Direct (Japan) Inc.. 2021年8月1日00:08閲覧。
  21. ^ Mint Jams (2nd Press)”. Sony Music Solutions Inc.. 2022年8月16日12:44閲覧。

「MINT JAMS」の例文・使い方・用例・文例

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