51 Übungen für Klavier WoO.6とは? わかりやすく解説

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ブラームス:51の練習曲

英語表記/番号出版情報
ブラームス51の練習曲51 Übungen für Klavier WoO.6作曲年: 1850-90年代年  出版年1893年 

作品解説

2007年8月 執筆者: 齊藤 紀子

 1865年1890年頃の作とされ、ブラームス晩年1893年出版された。1a等、アルファベットによる下位番号つけられているものもある。各練習曲は、一部練習曲除き概して何らかの調の主和音初め、その冒頭の形を反復しながら上昇した下降したりする形で書かれているまた、記譜されている調以外の調でも練習するよう、指示されている。
 
 第1練習はa~fまであり、左右の手が反行する分散和音奏するニ長調主和音開始し上昇した後、折り返して下降することにより冒頭の形を反復練習する左右の手音価がいつも同じとは限らないところがブラームスらしいと言える
 第2練習は、a及びbから成るどちらも3度主体としており、aは16分音符による上行音階左右交互に奏しながら上昇し折り返した後は下行音階左右交互に奏しながら下降するイ長調主和音開始する。bでは、音価8分音符による3連音符となる。 第3練習は第2練習引き続き3度主体としている。ここでは、左右同時に並進行で奏する。1小節V字を描くような音形をホ長調初め上昇した後、折り返して同じ形を奏しながら下降する
 第4練習は、左右並進行による下降形の分散6度音程練習である。どちらの手1つ目の音を保持するよう指示されている。
 第5練習は、ハ短調書かれている左右並進行による分散オクターヴ練習である。5aもある。オクターヴそのものオクターヴ移行させていく手法ブラームスらしい。第6練習は、第5練習発展させたものとなっており、同じくハ短調書かれている分散和音分散オクターヴ奏する練習で、第5練習同様に6aがある。
 第7練習は、左右ユニゾンによる狭い音程内部半音階富んで奏する練習である。このような音形は左右何れかの手にのみ見られ、それに対してもう一方の手長い音価奏する7aがある。
 第8練習は、a及びbから成り、bはaを発展させたものとなっている。1小節数学相似記号を描くような音形を左右ユニゾン奏する
 第9練習もa及びbから成る。各音の合間断続的な保続音を持つ分散和音左右の手の反行により奏する練習である。第10練習では、その保続音実際に保持しながら、オクターヴ内を分散和音奏する左右反行形よる。11練習は、a及びbから成り、第9練習、第10練習を更に発展させたものとなっている。ここでは、付加的な音が添えられている。
 第12練習から時折速度表記見られる。ここでは、「モデラート」と指示され、ベン・レガートという語も添えられている。和音をおさえながら、その何れかの音に添えられ装飾奏する練習である。第13練習は、第12練習発展させたものとなっている。第12練習ハ長調主和音開始したが、第13練習ハ短調主和音開始する
 第14練習は、「ヴィヴァーチェ」と指示されている。左右各々2分音符による2音を保持しながら、その他の指で1オクターヴ越え音域奏する練習である。
 第15練習は、「レッジェーロ」と指示されている。16分音符による6連音符音価で、左右が反行しながら数学相似記号を描くような音形を奏する。第16練習は、第15練習発展させたものとなっており、a~cまである。ここでは、全音符ないしは2分音符保持する音が加えられている。
 第17練習は2分の3拍子で、一方の手奏する8分音符対し、もう一方の手がその8分音符1つ分に16分音符による3連音符1つあてがう練習である。どちらの手隣接する2音の反復で、記譜されたトリルとなっている。前半後半で、担う音価交替させる
 第18練習は、a及びbから成る。「ベン・レガート」と指示されている。左右の手各々分散させて奏する2度音程主体とする16分音符による声部と、同じく分散させて奏する3度音程主体とする8分音符の3連音符による声部の2声部奏する
 第19練習は「モデラート」と指示されている。和音重音分割して奏するその際左右の手音程交互になっており、常に構成音が響くようになっている
 第20練習は、広音域にわたる分散和音蛇行させながら2小節かけて往復する練習である。そして、この形を半音ずつ上昇させて反復する
 第21練習はa及びbから成る左右の反行により、1オクターヴ超える音域和音を、拍頭に重音挟みながら分散して奏する練習である。
 第22練習一方の手音階長い音価と、刺繍音を含むより短い音価奏し、それに対してもう一方の手音階3度による刺繍音奏する練習である。
 第23練習はa~cまである左右の反行により3度奏する倚音を伴う音階奏するその際長い音価保持する音が添えられている。第24練習はa及びbから成り、第23練習発展させたものとなっている。「ベン・レガート」の指示がある。旋回するような3度の下声、ないしは上声刺繍音添えて奏する練習となっている。
 第25練習はa~cまである。「ノン・トロッポ・アレグロ」と指示されている。この練習は、単なる音形の反復というよりも、実際作品見られるような複雑な書法書かれているまた、「f レガート」と指示されている。一定のリズムパターンを左右時差交互に奏するこのような手法ブラームスピアノ作品によく見られる
 第26練習もa~cまである。「レッジェーロ」と記されブラームスピアノ作品見られるような独特の音形を左右の手が反行しながら奏する。第27練習は第26練習発展させたものとなっている。音形の中に同音連打含まれ保持する音が加えられている。第28練習では、先立つ2つ練習を更に発展させている。しかし、ここでは「レッジェーロではなくレガートになっている。1小節1つずつ音を保持させながら、半音階富んだ音形を左右の手が反行して奏する
 第29練習は、「プレスト」で左右の手が反行するオクターヴ奏する冒頭には「レッジェーロ」の指示もあり、この練習終わり近くでは更に、「ピウ・プレスト」になる。
 第30練習は、第24練習類似している。左右双方の手内声で反行する音形を奏しながら、外声記譜されたトリル奏する。どの声部にもスラー付され、「レガート」が求められている。
 第31練習はa及びbから成る和音単音重音重音で順に奏する3連音符の音形を主体としている。これを左右の手並進行で奏する。bは、右手が3連音符8分音符1つ先行するアウフタクト開始する
 第32練習もa及びbから成る。aは外声レガート左右の手によるユニゾン奏し内声左右の手が反行する分散和音奏する。bでは、この外声内声とが入れ替えられる。
 第33練習もa及びbから成る左右の手レガートで、単音重音から成る音形を奏する。aとbで、外声内声並進行と反行が入れ替えられるところは、これに先立つ32練習と同じである。
 第34練習はa~cまであり、「ベン・レガート」と指示されている。何れも外声ないしは内声左右の手によるユニゾン持ち、もう一方声部同じく左右の手によるユニゾンのより細かい音形を奏する
 第35練習は、外声内声左右の手による反行音形を奏する。ここでは、演奏に際して記譜された外声の音が1拍おきに内声の下に潜ることが特徴的である。下位番号付されていないが、「レガート」と「レッジェーロ」で練習するよう指示されている。
36練習は、1小節1つずつ音を保持しながら「レガート」で左右の反行する音形を奏する練習に、各小節後半でおさえるもう1つ保持する音が加えられている。
 第37練習はa及びbから成る。各拍で左右の手が反行する広音域にわたる分散和音外側広げる一方向のみで反復する厳密には、aは4分の4拍子16分音符1つ先行し、bでは8分の9拍子8分音符5つ4つグループ分けられているため、拍の区切り分散和音区切り一致しないまた、aの「ドルチェ・レガート」に対し、bでは「ベン・レガート ピウ・フォルテ」となる。
 第38練習は「アレグロ ベン・マルカート f」で、左右ユニゾンによる和音の上ないしは下声に刺繍音加えられており、1拍ごとにその刺繍音声部入れ替わる。第39練習左右ユニゾンによる和音で、ここでは下声に刺繍音加えられている。また、「ベン・レガート」と指示されている。
 第40練習はa及びbから成る左右の手が反行する16分音符単音を「f レガート」で、その後「p レッジェーロ」で奏する。bでは単音一部の音を保持することにより、部分的に多声的になる。第41練習及び第42練習は、第40練習発展させたものとなっており、a及びbから成る
 第43練習はa及びbから成る左右の手による半音階的進行特徴的なユニゾンで1小節に1音ずつの保持する音を中心として、左右の手が反行しながら跳躍する重音奏する。「アンダンテ」と「アレグロ」での練習求められている。
 第44練習もa及びbから成る。aは左右並進行による分散和音、bは反行による分散和音練習である。
 第45練習は「ベン・マルカート」で左右ユニゾンにより、上声に音を保持しながら、その下声で分散3度初めの音を前打音奏する練習となっている。2種類調号用意されている。
 第46練習はa及びbから成る。aは「ドルチェ」で、左右の手が5小節ずつ保持する音を中心として、左右の手並進しながら跳躍する重音奏する一方、bは「ドルチェ・レッジェーロ」で同じく左右の手が5小節に1音ずつ保持する音を中心に高音域にわたる音形を奏する
 第47練習は、「アレグロ」で、一方の手が「ベン・レガート」による波形奏し、もう一方の手がそれに対して所々休符挟みながらユニゾンを成す音形を「レッジェーロ」で奏する
 第48練習は、左右の手並進しながら上声内声とが1拍ずつずれて反行を成す音形を奏する。第49練習はa及びbから成り、第48練習発展させたものとなっている。
 第50練習は、第1小節の「レッジェーロ」で奏する左右の反行による波形音形を、第2小節目から同じく反行による外声添えて「ベン・レガート」で奏する
 この練習曲集締めくくる51練習は、「ヴィヴァーチェ レッジェーロ」で、左右の反行する単音の音形を奏する

 この練習曲集出版され1893年は、ブラームスピアノ作品がすべて出揃っているため、これらの練習曲ブラームスピアノ作品のためのブラームスによる練習曲と言うことができる。実際に、これらの練習曲にはブラームスピアノ作品特徴的なポリ・リズム手首のしなりを用いるような奏法とりわけオクターヴにおいて)が見られるまた、左右の手が反行して奏する音形が特徴的である。尚、この練習曲集については女流ピアニスト、アクセンフェルトによる興味深い著述がある。

Johannes Brahms “51 Ubungen fur Klavier WoO6” Breitkopf&Hartel




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