3つの記号区分の統合:記号の10個のクラス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/09 04:24 UTC 版)
「チャールズ・サンダース・パースによる記号の要素とクラス」の記事における「3つの記号区分の統合:記号の10個のクラス」の解説
下のテーブルには、 「I.」「II.」「III.」というラベルを貼られた3つの記号区分をまとめたものが示されている。パラメータとして個々の区分は互いに独立していない。上でも述べたように、多くの組み合わせは見つからない。斜めと垂直の線は、記号の可能な組み合わせの選択肢を示している(1904年8月7日の原稿 MS339で述べられており、Lyris peirce-lアーカイブのここで実物を見ることが出来る。)。)。結果として、記号の10個のクラスとなる。 テーブル中の括弧の中の語は、同種の記号の別名である。 現象学的カテゴリ: 記号はそれぞれの現象学的カテゴリによって区別される。 1.感覚の性質、可能性、基盤に対する参照 または 2.反応、抵抗、粗野な事実、相関に対する参照 または 3.表象、媒介、習慣、法則、解釈項に対する参照I.記号自身の:性質記号(トーン、potisign) または 単一記号(トークン、actisign) または 法則記号(タイプ、famisign) および II.その対象を指示する記号のやり方:アイコン(類似など) または インデックス(記号*) または シンボル(一般的な記号*) および III.解釈項に表象されたものとして、記号が対象を示すときの記号のやり方:名辞記号(sumisign, seme, 例えば術語) または 命題記号(命題的記号、pheme, 例えば命題) または 論証(suadisign, delome) *注:上で注記したように、パースは、"On a New List of Categories"(1867年)において、「インデックス」に対する別の表現として、十分吟味しないままで「記号(sign)」という単語を用いた。さらに、「シンボル」に対する別の表現として「一般的記号(general sign)」を与えた。その後すぐに、記号という単語をより広い意味で、インデックスもアイコンもシンボルも含むものとして用いるようになった。そして最終的には、シンボルが一般的記号と呼ばれうる唯一の記号という訳ではないと判定した。詳細は、「II.アイコン、インデックス、記号」のセクションの終わりの注も参照のこと。また、ある術語(伝統的意味での)がぴったりと名辞ではないことにも注意せよ。術語は名辞的なシンボルである。同様に、命題(伝統的意味での)は、ぴったりと命題記号ではない。それは、命題的なシンボルである。 パースによる記号の10個のクラス(CP2.254-263 1903より) 記号自身の現象学のカテゴリ 対象に対する関係 解釈項に対する関係 括弧内は名称の重複 いくつかの実例 (I) 性質記号 類似記号 名辞 (名辞的・類似的)性質記号 「赤」の感覚 (II) 単一記号 類似記号 名辞 (名辞的)類似的単一記号 個々のダイヤグラム (III) 指標記号 名辞 名辞的指標的単一記号 自発的な叫び声 (IV) 命題 命題的(指標的)単一記号 風見、写真 (V) 法則記号 類似記号 名辞 (名辞的)類似的法則記号 現実の個物性からはなれたダイアグラム (VI) 指標記号 名辞 名辞的指標的法則記号 指示代名詞 (VII) 命題 命題的指標的法則記号 呼び売り商人の声(個人をトーンとテーマで識別する) (VIII) 象徴記号 名辞 名辞的 普通名詞 (IX) 命題 命題的象徴記号(法則記号) 従来の意味での命題 (X) 論証 論証 三段論法 パースの三角形の配列(MS540.17 から)。ボールドの字体はパース自身によるものであり、冗長さを省いた表現である。隣接する2つのセルは、どれも共通の二つの面を持っている。ただし、以下の3組(IIとVI、VIとIX、IIIとVIII)については、共通する面が1つしかない。それで、隣接する境界部分が広くなっている。(ローマ数字は原稿の上にも書かれているが、編集者によって後から追加されたものである。) (I)名辞的類似的性質記号 (V)名辞的類似的法則記号 (VIII)名辞的象徴記号法則記号 (X)論証象徴的法則記号 (II)名辞的類似的単一記号 (VI)名辞的指標的法則記号 (IX)命題的象徴記号法則記号 (III)名辞的指標的単一記号 (VII)命題的指標的法則記号 (IV)命題的指標的単一記号
※この「3つの記号区分の統合:記号の10個のクラス」の解説は、「チャールズ・サンダース・パースによる記号の要素とクラス」の解説の一部です。
「3つの記号区分の統合:記号の10個のクラス」を含む「チャールズ・サンダース・パースによる記号の要素とクラス」の記事については、「チャールズ・サンダース・パースによる記号の要素とクラス」の概要を参照ください。
- 3つの記号区分の統合:記号の10個のクラスのページへのリンク