3つの項(概念)と3つの命題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 05:55 UTC 版)
「三段論法」の記事における「3つの項(概念)と3つの命題」の解説
古代ギリシアに由来する西洋の三段論法は、 大概念 - 結論において述語(P)となる概念(項)。 小概念 - 結論において主語(S)となる概念(項)。 媒概念 - 大前提・小前提で上2つの概念(項)との関係性が示される媒介的な概念(項)。中項(M)。 という3つの項(概念)の内、2つの組み合わせ(関係性)をそれぞれ表現する、 大前提 - 大概念/述語(P)と、媒概念/中項(M)の関係性を示す命題文 小前提 - 小概念/主語(S)と、媒概念/中項(M)の関係性を示す命題文 結論 - 小概念/主語(S)と、大概念/述語(P)の関係性を示す命題文 という3つの命題によって構成される、演繹的な推論規則である。 このように、(「量化」的な変動性を持つ)ある個物的/基体的な「小概念」と、抽象的/類的な「大概念」の関係性を、両概念との関係性を示すことが可能な「媒概念」(中項)を介しつつ提示/規定するのが、三段論法という手法の目的である。(「媒概念」(中項)を介さずに、すなわち「大前提」「小前提」を経ずに、端的に「結論」の「小概念」と「大概念」の関係性のみを命題として提示する場合、それは推論ではなく単なる「定義文」となる。) このように、概念間の関係性を規定・整理する「概念の整理整頓術」としての論理学において、その推論形式の最小型となるのが三段論法である。 以下に「定言的三段論法」の例を示す。 大前提:全ての人間は死すべきものである。 小前提:ソクラテスは人間である。 結論:ゆえにソクラテスは死すべきものである。 (なお、これが今日に至るまでに伝統的なものになっているが、アリストテレスがその著『分析論後書』において例示している、定言命題を欠いて仮言命題一本のみの「三段論法」とは形式が異なる。)
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