2006年〜2009年
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「コンピュータ将棋」の記事における「2006年〜2009年」の解説
2006年以降、コンピュータとの公開対局は、平手で行われるようになった。 2006年3月〜5月に、週刊将棋の連載で、第1回週刊将棋アマCOM平手戦が行われた。そこでは、アマ強豪5名と2回ずつ合計10回対戦し、コンピュータ側の7勝3敗であった。コンピュータ側は、激指・KCC将棋・IS将棋・YSS・Bonanza。持ち時間は1回目が60分(秒読み60秒)、2回目が20分(秒読み30秒)。 2006年9月YSSが将棋倶楽部24に参戦、17勝11敗の成績でレーティング2508を記録。 2007年3月21日には、Bonanzaとタイトルホルダーである渡辺明(竜王)との公開対局(平手)が行われた(Bonanza#渡辺明竜王との対局参照)。BonanzaはIntel Xeon X5355 2.66GHz×8cores、メモリ8GB、1秒間に400万手読む性能。ソフトは当時公開されていたver.2.1の探索手数を大幅に増やし、戦法の選択を改善するなどチューニングをほどこしたもの。将棋倶楽部24でのレーティングは2800 を使用し、終盤の読み違いがきっかけとなって敗れはしたものの、対局者の渡辺をはじめとする複数のプロから、プロ予備軍である奨励会の初段から三段の実力に相当するとの高い評価を受けた。これ以降、6年間、男性現役プロ棋士との公開対局が行われなくなり、この次は2013年3月の第2回電王戦であった。 2007年5月YSSが将棋倶楽部24に参戦、41勝11敗の成績でレーティング2744を記録。 2008年5月5日に行われた第18回世界コンピュータ将棋選手権のエキシビションマッチにおいて、優勝ソフトの激指がアマ名人の清水上徹を、準優勝ソフトの棚瀬将棋が朝日アマ名人の加藤幸男をそれぞれ破るという快挙を成し遂げた。この対局に対し、敗れた清水上と加藤はそれぞれ、「コンピュータの読みが上回った」「完敗だった」とコメントした。2008年11月8日に行われた清水上、加藤と激指、棚瀬将棋との持ち時間60分、その後1手60秒の再戦では、加藤が勝利して雪辱を果たしたものの、清水上はまたも敗北を喫した。公式対局でプロ相手に何度も勝利を上げているトップアマの二人の敗戦はプロにとっても衝撃であり、渡辺明、遠山雄亮、片上大輔らのプロ棋士がブログにその驚きを綴った。
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