2006年から2007年の改修
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「シチュエーションルーム」の記事における「2006年から2007年の改修」の解説
唯一の包括的なシチュエーションルームの改修は2006年から2007年にかけて行われた。この改修に先だったものでは、1985年代の技術水準ではあるが外部と通信をするためのモニターやファクシミリ、コンピューター、電話のための電気回線の敷設はされていた。 音響機器や映像機器はデータを暗号化した場合信頼性に乏しい上に、そのような機器は時々画面やデータが黒くなり「大統領の爆発を促している」ような有様だった 。ヘンリー・キッシンジャーはかつてシチュエーションルームを「居心地が悪い上に美的センスが悪く不必要に重苦しい」と酷評した。 9.11テロが発生する前に改修の計画は始まったが、この計画はその後緊急性を増した。改築は2006年8月に始まり一連のシチュエーションルームは一旦取り壊され床がはがされ基礎から再構築された。一連の構築物は4ヶ月半で改修されたが、特に、シチュエーションルームの真上にあった首席補佐官ジョシュア・ボルテン(英語版)の執務室は工事の騒音が酷かった。 『ニューヨーク・タイムズ』は「ホワイトハウスのスタッフは耳をつんざく騒音と机の上のコップの水が床の振動でグラグラ揺れる状態で部屋に座って仕事をしている」と報じた。改修は数十年前から幾つかの段階に分けて実施され、同軸ケーブルの敷設や後にフランクリン・ルーズベルト時代に地下に埋められる円柱、窓枠の設置などが行われてきた。 またこの改修はシチュエーションルームの国家安全保障会議のための施設から安全保障の主要拠点とホワイトハウスの主要要員の執務室という役割を担えるように変換することでもあった。幾つかのマホガニー材が大きな音を立ててはがされ、そしてセキュリティ機能の備わった3つのビデオルームが従来設置されていた2つのビデオルームに加えて新たに設置された。セキュリティ要件の備わった直接通信機能はエアフォースワンにも加えられた。 加えて、その部屋は将来の技術的進歩に対しても容易に対応できるように改良された。ホワイトハウス副首席補佐官のジョセフ・ハーギンからは「これで改良するときにマホガニーをはがして新たに洞穴を掘らなくてもよくなる」という発言もあった。 また認証されていない移動体通信機器を検知するためのセンサーが天井に埋め込まれ、個人的な携帯電話通信やその他の情報機器による通信を遮断している。改修の前には秘密に持ち込もうとする機器はシークレットサービスが没収する以外に対応方法がなかったものである。 新しい一連の施設にはレセプションエリアの近くに通信手段を持たない人が使える有線通信の棚が備えられている。個人的な携帯電話は安全なガラスケースの中に格納される。 改修作業は2007年5月中旬には完成し、2007年5月17日にはジョージ・W・ブッシュ大統領とイギリスのトニー・ブレア首相が、彼らのイラク対応チームのメンバーと共に新しくなったシチュエーションルームで開催されたビデオ会議に参加した。その数日後、ジョージ・W・ブッシュ大統領によって新しくなったシチュエーションルームのテープカットセレモニーが行われた。
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