1953年スイスグランプリとは? わかりやすく解説

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1953年スイスグランプリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 07:55 UTC 版)

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 1953年スイスグランプリ
レース詳細
1953年F1世界選手権全9戦の第8戦
日程 1953年8月23日
正式名称 XIII Großer Preis der Schweiz
開催地 ブレムガルテン・サーキット
スイス ベルン
コース 恒久的レース施設
コース長 7.280 km (4.524 mi)
レース距離 65周 473.200 km (294.033 mi)
決勝日天候 晴(ドライ)
ポールポジション
ドライバー マセラティ
タイム 2:40:1
ファステストラップ
ドライバー アルベルト・アスカリ フェラーリ
タイム 2:41.3 (50周目)
決勝順位
優勝 フェラーリ
2位 フェラーリ
3位 フェラーリ

1953年スイスグランプリ (1953 Swiss Grand Prix) は、1953年のF1世界選手権第8戦として、1953年8月23日ブレムガルテン・サーキットで開催された。

1952年と1953年は通常適用されるフォーミュラ1のレギュレーションではなく、フォーミュラ2のレギュレーションが適用された。

レース概要

フェラーリアルベルト・アスカリが優勝し、2年連続2回目のチャンピオンが決定した(当時は有効ポイントがベスト5戦と考えられていたため、当レースでチャンピオンが決定したとされている。後にベスト4戦とされたため、実際には前戦ドイツGPの時点でチャンピオンが決定していた[1])。

レース序盤はアスカリとファン・マヌエル・ファンジオマセラティ)のトップ争いとなったが、ファンジオは3速ギアを失ったためフェリーチェ・ボネットと車両を交換するもエンジントラブルでリタイア。首位のアスカリはエンジンの不調で39周目にピットイン、パーツを点検している間にチームメイトのジュゼッペ・ファリーナマイク・ホーソーンに抜かれた。フェラーリ陣営は50周目に順位をキープする旨のサインを出したが、アスカリはこれを無視してホーソーンとファリーナを抜きトップに立ち、そのまま優勝した。フェラーリは表彰台を独占したものの、アスカリとファリーナの間には大きなしこりが残ってしまった[2]

戦前の名ドライバーの一人であったヘルマン・ラングが、当レースで1939年以来のグランプリ復帰を果たした。マセラティの正ドライバーであったホセ・フロイラン・ゴンザレスが負傷欠場したことによるスポット参戦であったが、5位入賞を果たした。なお、この5位がラングのF1における最高順位となった。

エントリーリスト

No. ドライバー エントラント コンストラクター シャシー エンジン タイヤ
2 ジャック・スウォーターズ エキュリー・フランコルシャン フェラーリ 500 フェラーリ Tipo500 2.0L L4 E
4 チコ・ランディ エスクデリア・バンデランテス マセラティ A6GCM マセラティ A6 2.0L L6 P
6 ジャン・ベーラ エキップ・ゴルディーニ ゴルディーニ T16 ゴルディーニ 20 2.0L L6 E
8 モーリス・トランティニアン
10 ルイ・ロジェ エキュリー・ロジェ フェラーリ 500 フェラーリ Tipo500 2.0L L4 E
12 ルイ・シロン ルイ・シロン オスカ 20 オスカ 2000 2.0L L6 P
14 ポール・フレール HWモータース HWM 53 アルタ F2 2.0L L4 D
16 ランス・マックリン
18 アルベール・シェラー
20 ケン・ウォートン ケン・ウォートン クーパー T23 ブリストル BS1 2.0L L6 D
22 エリー・バイヨル エリー・バイヨル オスカ 20 オスカ 2000 2.0L L6 P
24 ジュゼッペ・ファリーナ スクーデリア・フェラーリ フェラーリ 500 フェラーリ Tipo500 2.0L L4 P
26 マイク・ホーソーン
28 ルイジ・ヴィッロレージ
30 フェリーチェ・ボネット オフィシーネ・アルフィエリ・マセラティ マセラティ A6GCM マセラティ A6 2.0L L6 P
32 ファン・マヌエル・ファンジオ
34 ヘルマン・ラング
36 オノフレ・マリモン
38 ペーター・ヒルト エキュリー・エスパドン フェラーリ 500 フェラーリ Tipo500 2.0L L4 P
40 マックス・デ・テラ 166 フェラーリ Tipo125 1.5L V12
42 エマヌエル・ド・グラッフェンリード バロン・デ・グラッフェンリート マセラティ A6GCM マセラティ A6 2.0L L6 P
44 フレッド・ワッカー エキップ・ゴルディーニ ゴルディーニ T16 ゴルディーニ 20 2.0L L6 E
46 アルベルト・アスカリ スクーデリア・フェラーリ フェラーリ 500 フェラーリ Tipo500 2.0L L4 P
ソース:[3]

結果

予選

順位 No. ドライバー コンストラクター タイム
1 32 ファン・マヌエル・ファンジオ マセラティ 2:40.1
2 46 アルベルト・アスカリ フェラーリ 2:40.7 + 0.6
3 24 ジュゼッペ・ファリーナ フェラーリ 2:42.6 + 2.5
4 8 モーリス・トランティニアン ゴルディーニ 2:43.8 + 3.7
5 36 オノフレ・マリモン マセラティ 2:44.5 + 4.4
6 28 ルイジ・ヴィッロレージ フェラーリ 2:44.6 + 4.5
7 26 マイク・ホーソーン フェラーリ 2:48.1 + 8.0
8 42 エマヌエル・ド・グラッフェンリード マセラティ 2:49.9 + 9.8
9 20 ケン・ウォートン クーパー-ブリストル 2:51.5 + 11.4
10 30 フェリーチェ・ボネット マセラティ 2:52.0 + 11.9
11 34 ヘルマン・ラング マセラティ 2:54.8 + 14.7
12 6 ジャン・ベーラ ゴルディーニ 2:55.0 + 14.9
13 2 ジャック・スウォーターズ フェラーリ 2:55.1 + 15.0
14 10 ルイ・ロジェ フェラーリ 2:55.4 + 15.3
15 16 ランス・マックリン HWM-アルタ 2:57.1 + 17.0
16 14 ポール・フレール HWM-アルタ 2:57.9 + 17.8
17 38 ペーター・ヒルト フェラーリ 3:01.5 + 21.4
18 18 アルベール・シェラー HWM-アルタ 3:07.4 + 27.3
19 40 マックス・デ・テラ フェラーリ 3:21.1 + 41.0
20 4 チコ・ランディ マセラティ 3:29.1 + 49.0
DNP 12 ルイ・シロン オスカ No time 1
DNP 22 エリー・バイヨル オスカ No time 1
DNP 44 フレッド・ワッカー ゴルディーニ No time 2
ソース:[4]
追記
  • ^1 - 予選に出走せず
  • ^2 - アクシデントのため予選に出走せず

決勝

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 グリッド ポイント
1 46 アルベルト・アスカリ フェラーリ 65 3:01:34.40 2 9
2 24 ジュゼッペ・ファリーナ フェラーリ 65 + 1:12.93 3 6
3 26 マイク・ホーソーン フェラーリ 65 + 1:35.96 7 4
4 32 ファン・マヌエル・ファンジオ
フェリーチェ・ボネット
マセラティ 64 + 1 Lap 1 1.5
1.5
5 34 ヘルマン・ラング マセラティ 62 + 3 Laps 11 2
6 28 ルイジ・ヴィッロレージ フェラーリ 62 + 3 Laps 6
7 20 ケン・ウォートン クーパー-ブリストル 62 + 3 Laps 9
8 40 マックス・デ・テラ フェラーリ 51 + 14 Laps 19
9 18 アルベール・シェラー HWM-アルタ 49 + 16 Laps 18
Ret 4 チコ・ランディ マセラティ 54 ギアボックス 20
Ret 42 エマヌエル・ド・グラッフェンリード マセラティ 49 トランスミッション 8
Ret 36 オノフレ・マリモン マセラティ 46 エンジン 5
Ret 8 モーリス・トランティニアン ゴルディーニ 43 アクセル 4
Ret 6 ジャン・ベーラ ゴルディーニ 37 油圧 12
Ret 30 フェリーチェ・ボネット
ファン・マヌエル・ファンジオ
マセラティ 29 エンジン 10
Ret 16 ランス・マックリン HWM-アルタ 29 エンジン 15
Ret 38 ペーター・ヒルト フェラーリ 17 エンジン 17
Ret 14 ポール・フレール HWM-アルタ 1 エンジン 16
Ret 2 ジャック・スウォーターズ フェラーリ 0 スピンオフ 13
Ret 10 ルイ・ロジェ フェラーリ 0 スピンオフ 14
ソース:[5]

注記

  • 車両共有:(ファンジオとボネットが車を交換)
    • 32号車:ファンジオ(12周)、ボネット(52周)。4位に入賞したため、両者が1.5ポイントずつ獲得した
    • 30号車:ボネット(12周)、ファンジオ(17周)
  • アスカリは当レースが最後の優勝、表彰台、入賞、完走となった

第8戦終了時点でのランキング

ドライバーズ・チャンピオンシップ
順位 ドライバー ポイント
1 アルベルト・アスカリ 34.5 (46.5)
2 ジュゼッペ・ファリーナ 24 (26)
3 ファン・マヌエル・ファンジオ 20.5
4 マイク・ホーソーン 19 (24)
5 ホセ・フロイラン・ゴンザレス 13.5 (14.5)
  • : トップ5のみ表示。ベスト4戦のみがカウントされる。ポイントは有効ポイント、括弧内は総獲得ポイント。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ (林信次 2000, p. 83)
  2. ^ (林信次 2000, p. 81-82)
  3. ^ Switzerland 1953 - Race entrants”. statsf1.com. 2017年8月6日閲覧。
  4. ^ Switzerland 1953 - Qualifying”. statsf1.com. 2016年5月5日閲覧。
  5. ^ 1953 Swiss Grand Prix”. formula1.com. 2015年1月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月4日閲覧。

参照文献

外部リンク


前戦
1953年ドイツグランプリ
FIA F1世界選手権
1953年シーズン
次戦
1953年イタリアグランプリ
前回開催
1952年スイスグランプリ
スイスグランプリ 次回開催
1954年スイスグランプリ



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