1950年のインディ500とは? わかりやすく解説

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1950年のインディ500

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/08 22:58 UTC 版)

1950年のインディ500
前年: 1949 翌年: 1951
1950年のインディ500
レース詳細
日程 1950年のF1世界選手権
決勝開催日 5月30日
開催地 インディアナポリス・モーター・スピードウェイ
インディアナ州スピードウェイ
決勝日天候
ポールポジション
ドライバー ウォルト・フォールクナー
ファステストラップ
ドライバー ジョニー・パーソンズ
決勝順位
優勝 ジョニー・パーソンズ
2位 ビル・ホランド
3位 マウリ・ローズ

第34回インターナショナル500マイル・スィープステークス (34th International 500-Mile Sweepstakes) は1950年5月3日(火)にインディアナポリス・モーター・スピードウェイで開催された。本レースは1950年のAAAナショナル・チャンピオンシップ・トレイルの1戦として開催された。また、1950年のF1世界選手権の第3戦としても行われ、世界選手権ポイントが与えられた。しかしながら、ヨーロッパからのエントリーは無かった。ジュゼッペ・ファリーナは当初よりエントリーの予定であったが、彼の車は到着しなかった。インディ500は1960年まで世界選手権に組み込まれた。

レースは当初200周で予定されたが、雨のため138周で終了した。

ジョニー・パーソンズのチームがエンジンブロックに修復できないひびを発見したという噂がレースの間とレース後に広まった。そして、それはラップリーダー賞を狙っていたパーソンズの勢いを落ち込ませた[1]。さらにまた、エンジンが壊れる前に雨でレースが終了したことは、おそらくパーソンズが勝利を確保するのを許し、彼の1日を節約することになった。しかしながら、エンジンブロックのひびは都市伝説であることが後に証明された[2]

パーソンズは勝利し9ポイントを得たことで、初代世界チャンピオンの座に向かって争うジュゼッペ・ファリーナファン・マヌエル・ファンジオとポイントで並んだ。また、世界選手権で優勝した初のアメリカ人となった。インディ500はパーソンズにとって1950年のF1世界選手権唯一のレースであったにもかかわらず、ランキング6位になるに十分なポイントが与えられた。

レース開催月を通して、クラーク・ゲーブルバーバラ・スタンウィックが映画「スピード王」の撮影のためサーキットに留まった。スタンウィックは勝者に対する伝統的なお祝いのキスを行うため、レース後のヴィクトリーレーンに待機していた。

決勝

順位 グリッド No ドライバー コンストラクター 予選速度 予選速度順位 周回 ラップリード タイム/リタイア理由 ポイント
1 5 1 ジョニー・パーソンズ カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 132.040 8 138 115 2:46:55.97 9
2 10 3 ビル・ホランド デイト-オッフェンハウザー 130.480 21 137 8 + 1 Lap 6
3 3 31 マウリ・ローズ デイト-オッフェンハウザー 132.310 6 137 15 + 1 Lap 4
4 12 54 セシル・グリーン カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 132.910 2 137 0 + 1 Lap 3
5 9 17 ジョーイ・チットウッド
トニー・ベッテンハウゼン
カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 130.750 19 136 0 + 2 Laps 1
1
6 23 8 リー・ウォラード ムーア-オッフェンハウザー 132.430 5 136 0 + 2 Laps  
7 1 98 ウォルト・フォールクナー カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 134.340 1 135 0 + 3 Laps  
8 4 5 ジョージ・コナー レソヴスキー-オッフェンハウザー 132.160 7 135 0 + 3 Laps  
9 19 7 ポール・ルッソ ニケルズ-オッフェンハウザー 130.790 18 135 0 + 3 Laps  
10 11 59 パット・フラハーティ カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 129.600 30 135 0 + 3 Laps  
11 16 2 マイロン・フォーア マルケーゼ-オッフェンハウザー 131.710 11 133 0 + 5 Laps  
12 13 18 デュアン・カーター スティーヴンス-オッフェンハウザー 131.660 12 133 0 + 5 Laps  
13 26 15 マック・ヘリングス カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 130.680 20 132 0 + 6 Laps  
14 6 49 ジャック・マクグラース カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 131.860 10 131 0 スピン  
15 24 55 トロイ・ラットマン レソヴスキー-オッフェンハウザー 131.910 9 130 0 + 8 Laps  
16 31 75 ジーン・ハートレイ ラングレー-オッフェンハウザー 129.210 32 128 0 + 10 Laps  
17 27 22 ジミー・デイヴィス ユーイング-オッフェンハウザー 130.400 23 128 0 + 10 Laps  
18 33 62 ジョニー・マクドウェル カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 129.690 27 128 0 + 10 Laps  
19 20 4 ウォルト・ブラウン カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 130.450 22 127 0 + 11 Laps  
20 14 21 トラヴィス・ウェッブ マセラティ-オッフェンハウザー 129.740 26 126 0 + 12 Laps  
21 15 81 ジェリー・ホイト カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 129.520 31 125 0 + 13 Laps  
22 29 27 ウォルト・アデアー ラエ-オッフェンハウザー 129.940 25 123 0 + 15 Laps  
23 30 77 ジャッキー・ホームズ オルソン-オッフェンハウザー 129.690 28 123 0 スピン  
24 28 76 ジム・ラスマン ウェッテロス-オッフェンハウザー 129.950 24 122 0 + 16 Laps  
25 21 12 ヘンリー・バンクス マセラティ-オッフェンハウザー 129.640 29 112 0 オイル系統  
26 22 67 ビル・シンドラー スノーバーガー-オッフェンハウザー 132.690 4 111 0 トランスミッション  
27 17 24 ベイリス・レヴレット
ビル・カントレル
アダムス-オッフェンハウザー 131.180 14 108 0 油圧  
28 2 28 フレッド・アガバシアン カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 132.790 3 64 0 オイル漏れ  
29 32 61 ジミー・ジャクソン カーティス・クラフト-カミンズ 129.200 33 52 0 コンプレッサー  
30 25 23 サム・ハンクス カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 131.590 13 42 0 油圧  
31 8 14 トニー・ベッテンハウゼン デイト-オッフェンハウザー 130.940 16 30 0 ホイールベアリング  
32 18 45 ディック・ラスマン ワトソン-オッフェンハウザー 130.920 17 25 0 エンジンストール  
33 7 69 デューク・ディンスモア カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 131.060 15 10 0 オイル漏れ  

  • ポールポジション:ウォルト・フォールクナー - 4:27.97
  • 最速リードラップ:ジョニー・パーソンズ - 1:09.77
  • シェアード・ドライバー
    • ジョーイ・チットウッド(82ラップ)とトニー・ベッテンハウゼン(54ラップ)。チットウッドはベッテンハウゼンがリタイアした後走行。5位のポイントは両名で分け合った。
    • ヘンリー・バンクス(71ラップ)とフレッド・アガバシアン(41ラップ)。
    • ベイリス・レヴレット(105ラップ)とビル・カントレル(3ラップ)。
  • ファイアストンの世界選手権における初勝利。

予選

順位 No ドライバー コンストラクター タイム
1 98 ウォルト・フォールクナー カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 4:27.97 -
2 28 フレッド・アガバシアン カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 4:31.10 + 3.13
3 31 マウリ・ローズ デイト-オッフェンハウザー 4:32.07 + 4.10
4 5 ジョージ・コナー レソヴスキー-オッフェンハウザー 4:32.39 + 4.42
5 1 ジョニー・パーソンズ カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 4:32.43 + 4.46
6 49 ジャック・マクグラース カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 4:33.00 + 5.03
7 69 デューク・ディンスモア カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 4:34.67 + 6.70
8 14 トニー・ベッテンハウゼン デイト-オッフェンハウザー 4:34.92 + 6.95
9 17 ジョーイ・チットウッド カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 4:35.32 + 7.35
10 3 ビル・ホランド デイト-オッフェンハウザー 4:35.90 + 7.93
11 59 パット・フラハーティ カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 4:37.76 + 9.79
12 54 セシル・グリーン カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 4:30.86 + 2.89
13 18 デュアン・カーター スティーヴンス-オッフェンハウザー 4:33.42 + 5.45
14 21 トラヴィス・ウェッブ マセラティ-オッフェンハウザー 4:37.46 + 9.49
15 81 ジェリー・ホイト カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 4:37.95 + 9.98
16 2 マイロン・フォーア マルケーゼ-オッフェンハウザー 4:33.32 + 5.35
17 24 ベイリス・レヴレット アダムス-オッフェンハウザー 4:34.43 + 6.46
18 45 ディック・ラスマン ワトソン-オッフェンハウザー 4:34.96 + 6.99
19 7 ポール・ルッソ ニケルズ-オッフェンハウザー 4:35.25 + 7.28
20 4 ウォルト・ブラウン カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 4:35.96 + 7.99
21 12 ヘンリー・バンクス マセラティ-オッフェンハウザー 4:37.68 + 9.71
22 67 ビル・シンドラー スノーバーガー-オッフェンハウザー 4:31.31 + 3.34
23 8 リー・ウォラード ムーア-オッフェンハウザー 4:31.83 + 3.86
24 55 トロイ・ラットマン レソヴスキー-オッフェンハウザー 4:32.91 + 4.94
25 23 サム・ハンクス カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 4:33.57 + 5.60
26 15 マック・ヘリングス カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 4:35.32 + 7.35
27 22 ジミー・デイヴィス ユーイング-オッフェンハウザー 4:36.07 + 8.10
28 76 ジム・ラスマン ウェッテロス-オッフェンハウザー 4:37.01 + 9.04
29 27 ウォルト・アデアー ラエ-オッフェンハウザー 4:37.05 + 9.08
30 77 ジャッキー・ホームズ オルソン-オッフェンハウザー 4:37.57 + 9.60
31 75 ジーン・ハートレイ ラングレー-オッフェンハウザー 4:38.61 + 10.64
32 61 ジミー・ジャクソン カーティス・クラフト-カミンズ 4:38.62 + 10.65
33 62 ジョニー・マクドウェル カーティス・クラフト-オッフェンハウザー 4:37.58 + 9.61

予選落ち

No ドライバー コンストラクター
9 アンディ・リンデン ブルーム-オッフェンハウザー
9 バド・ローズ ブルーム-オッフェンハウザー
10 ビル・ブコビッチ マセラティ-マセラティ
10 ハル・コール カーティス・クラフト-オッフェンハウザー
16 テッド・ダンカン カーティス・クラフト-オッフェンハウザー
19 ラルフ・プラット バーダゾン-オッフェンハウザー
19 ケニー・イートン バーダゾン-オッフェンハウザー
25 ジョニー・マウロ アルファロメオ-アルファロメオ
26 ジョージ・フォンダー デイト-スパークス
29 チャールズ・ヴァン・エッカー スティーヴンス-オッフェンハウザー
33 ジョエル・ソーン カーティス・クラフト-スパークス
34 ジョニー・フェドリックス キューピーク-オッフェンハウザー
36 ジョージ・リンチ スノーバーガー-オッフェンハウザー
38 デューク・ナロン カーティス・クラフト-ノヴィ
39 ダニー・クラディス マセラティ-マセラティ
41 ミルト・ファンクハウザー スティーヴンス-オッフェンハウザー
43 チェット・ミラー カーティス・クラフト-ノヴィ
44 ビル・カントレル カーティス・クラフト-オッフェンハウザー
47 ラルフ・プラット ガドラ-オッフェンハウザー
51 マーク・ライト スティーヴンス-オッフェンハウザー
52 マーク・ライト メイヤー-オッフェンハウザー
52 ディック・フレイジアー メイヤー-オッフェンハウザー
58 ビリー・デヴォアー スコーパ-オッフェンハウザー
63 ジョー・ジェームズ カーティス・クラフト-オッフェンハウザー
63 ボブ・グレッグ カーティス・クラフト-オッフェンハウザー
64 ボブ・スウェイカート ウェッテロス-オッフェンハウザー
65 マーヴィン・バーク カーティス・クラフト-デュレイ
65 ノーム・ハウザー カーティス・クラフト-デュレイ
66 クリフ・グリフィス ミラー-オッフェンハウザー
74 カール・フォーバーグ ミラー-オッフェンハウザー
78 サイ・マーシャル ミラー-ミラー
79 チャック・レイトン カンタラノ-ウェイン
82 ジョー・ジェームズ ワイデル-マーキュリー
83 アル・ミラー ミラー-ミラー
84 マイク・バーチ ミラー-オッフェンハウザー
85 マヌエル・アユロ マセラティ-オッフェンハウザー
85 ジム・リグスビー マセラティ-オッフェンハウザー
87 ビル・ブコビッチ ラウンズ・ロケット-オッフェンハウザー
99 ケニー・イートン カーティス・クラフト-オッフェンハウザー
99 エミル・アンドレス カーティス・クラフト-オッフェンハウザー

第3戦終了時点でのランキング

順位 ドライバー ポイント
1 ニーノ・ファリーナ 9
2 ファン・マヌエル・ファンジオ 9
31 3 ジョニー・パーソンズ 9
1 4 ルイジ・ファジオーリ 6
1 5 アルベルト・アスカリ 6
  • :トップ5のみ表示。ベスト4戦のみがカウントされる。

放送

ラジオ

レースはミューチュアル・ブロードキャスティング・システム、後のIMSラジオネットワークによって実況中継された。放送はパーフェクト・サークル・ピストンリングの提供でビル・スレーターが中継した。シド・コリンズがレポートを担当し、レース終了後の勝利者インタビューを行った。放送はスタートとフィニッシュ、レースの間中生中継を行った。

レースの前、病気のためスレーターが出演できないかもしれないと伝えられた。WIBCのパーソナリティであるシド・コリンズが代役として指名されたが、スレーターはレース当日に間に合った。コリンズは以前にレポーターを務めていたが、ブースの共同アンカーを担当した[3]。コリンズは史上初めてヴィクトリーレーンで優勝者インタビューを行った。インタビューは雨の中行われたが、コリンズはパーソンズの車の熱くなったエキゾーストパイプでズボンを燃やしてしまったとされる。

ミューチュアル・ブロードキャスティング・システム
ブースアナウンサー ターンレポーター ピットレポーター

実況: ビル・スレーター
解説 シド・コリンズ

南ターン: E. Z. グイン
北ターン: ジム・シェルトン

ゴードン・グラハム
シド・コリンズ(ヴィクトリーレーン)

テレビ

レースはインディアナポリスのローカルテレビ局、WFBM-TVで2年連続で生中継された。アール・タウンゼントジュニアがアナウンサー、ディック・ピッテンジャーとポール・ロバーツが解説。レース後、スピードウェイ側はゲート・アテンダントが否定的に伝えられたことからWFBMに対して再放送を許可しなかった。

WFBM-TV
実況 ピットレポーター

実況:アール・タウンゼント, Jr
解説ディック・ピッテンジャー

ポール・ロバーツ

参照

  1. ^ "Great Moments From the Indy 500" (VanCamp's Pork and Beans Presents/Freetwood Sounds), 1975
  2. ^ "The Talk of Gasoline Alley" - WFNI, May 20, 2012
  3. ^ Davidson, Donald (2012年5月24日). “IMS Radio Network celebrates 60th anniversary”. Indianapolis Motor Speedway. http://www.indianapolismotorspeedway.com/indy500/news/show/51747-ims-radio-network-celebrates-60th-anniversary/ 2012年8月13日閲覧。 

外部リンク

前戦
1950年モナコグランプリ
FIA F1世界選手権
1950年シーズン
次戦
1950年スイスグランプリ
前回開催
1949年インディ500
インディ500 次回開催
1951年インディ500



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