1954年イタリアグランプリとは? わかりやすく解説

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1954年イタリアグランプリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 08:01 UTC 版)

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 1954年イタリアグランプリ
レース詳細
1954年F1世界選手権全9戦の第8戦
モンツァ・サーキット (1938-1954)
日程 1954年9月5日
正式名称 XXV Gran Premio d'Italia
開催地 モンツァ・サーキット
イタリア モンツァ
コース 恒久的レース施設
コース長 6.300 km (3.915 mi)
レース距離 80周 504.000 km (313.171 mi)
決勝日天候 晴(ドライ)
ポールポジション
ドライバー メルセデス
タイム 1:59.0
ファステストラップ
ドライバー ホセ・フロイラン・ゴンザレス フェラーリ
タイム 2:00.8 (2周目)
決勝順位
優勝 メルセデス
2位 フェラーリ
3位
フェラーリ

1954年イタリアグランプリ (1954 Italian Grand Prix) は、1954年のF1世界選手権第8戦として、1954年9月5日モンツァ・サーキットで開催された。

レースは80周で行われ、メルセデスファン・マヌエル・ファンジオポール・トゥ・ウィンで優勝、フェラーリマイク・ホーソーンが2位、同じくフェラーリのウンベルト・マグリオーリとホセ・フロイラン・ゴンザレスが車両を共有して3位となった。

レース概要

ランチアの新車完成は依然として遅れ、出場機会のなかったアルベルト・アスカリは当レースのみフェラーリワークス・チームから出場。メルセデスは高速サーキットのモンツァに向けて、ストリームライン仕様のW196ファン・マヌエル・ファンジオカール・クリングの2人に与え、ハンス・ヘルマンにはオープンホイール仕様のW196が与えられた[1]

レースは予想通りストリームライン仕様のメルセデス2台がリードしたが、クリングは4周目にスピンを喫して後退する。ここからアスカリ、ファンジオ、ホセ・フロイラン・ゴンザレススターリング・モスによるトップ争いが繰り広げられた。ゴンザレスはエンジンブローでリタイアするが、代わってマイク・ホーソーンとルイジ・ヴィッロレージがトップ争いに加わる。ヴィッロレージは一瞬トップに立ったものの、エンジンブローでリタイアとなった。ホーソーンが遅れ、アスカリがエンジンをオーバーレブさせてリタイアすると、モスがファンジオを引き離していく。しかし、残り9周で油圧低下のためピットインを強いられ、ファンジオがトップに立った。モスは22秒遅れの2位でコースへ復帰したが、フィニッシュラインの手前約2kmというところでエンジンが息の根を止めてしまった。当時はフィニッシュしなければ完走扱いと認められなかったため、モスは必死にマシンを押してフィニッシュラインに到達し10位完走となったが、観客の拍手は鳴り止まなかった。優勝したファンジオも「このレースの真の勝者はモスだ」と公言して奮闘を讃えている。そしてメルセデスの首脳陣も、翌年のドライバーとしてモスを迎えることを真剣に考え始めた[2][3]

エントリーリスト

No. ドライバー エントラント コンストラクター シャシー エンジン タイヤ
2 ジョヴァンニ・デ・リウ ジョヴァンニ・デ・リウ マセラティ A6GCM マセラティ A6 2.0L L6 P
6 ロベール・マンヅォン エキュリー・ロジェ フェラーリ 625 フェラーリ Tipo625 2.5L L4 P
8 ホルヘ・ダポンテ ホルヘ・ダポンテ マセラティ A6GCM マセラティ A6 2.0L L6 P
10 ピーター・コリンズ GAヴァンダーヴェル ヴァンウォール スペシャル ヴァンウォール 254 2.5L L4 P
12 ハンス・ヘルマン ダイムラー・ベンツ メルセデス W196 メルセデス M196 2.5L L8 C
14 カール・クリング
16 ファン・マヌエル・ファンジオ
18 セルジオ・マントヴァーニ オフィシーネ・アルフィエリ・マセラティ マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
20 ルイジ・ムッソ A6GCM マセラティ A6 2.0L L6
22 ルイジ・ヴィッロレージ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6
24 ロベルト・ミエレス
26 ルイ・ロジェ
28 スターリング・モス スターリング・モス マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
30 モーリス・トランティニアン スクーデリア・フェラーリ フェラーリ 625 フェラーリ Tipo625 2.5L L4 P
32 ホセ・フロイラン・ゴンザレス 553 フェラーリ Tipo554 2.5L L4
34 アルベルト・アスカリ 625 フェラーリ Tipo625 2.5L L4
36 ピエロ・タルッフィ 1
38 ウンベルト・マグリオーリ
40 マイク・ホーソーン
42 フレッド・ワッカー エキップ・ゴルディーニ ゴルディーニ T16 ゴルディーニ 23 2.5L L6 E
44 ジャン・ベーラ
46 クレマール・ブッチ
ソース:[4]
追記
  • ^1 - エントリーしたが出場せず

結果

予選

順位 No. ドライバー コンストラクター タイム
1 16 ファン・マヌエル・ファンジオ メルセデス 1:59.0
2 34 アルベルト・アスカリ フェラーリ 1:59.2 + 0.2
3 28 スターリング・モス マセラティ 1:59.3 + 0.3
4 14 カール・クリング メルセデス 1:59.6 + 0.6
5 32 ホセ・フロイラン・ゴンザレス フェラーリ 2:00.0 + 1.0
6 22 ルイジ・ヴィッロレージ マセラティ 2:00.2 + 1.2
7 40 マイク・ホーソーン フェラーリ 2:00.3 + 1.3
8 12 ハンス・ヘルマン メルセデス 2:01.4 + 2.4
9 18 セルジオ・マントヴァーニ マセラティ 2:01.6 + 2.6
10 24 ロベルト・ミエレス マセラティ 2:01.7 + 2.7
11 30 モーリス・トランティニアン フェラーリ 2:02.3 + 3.3
12 44 ジャン・ベーラ ゴルディーニ 2:02.4 + 3.4
13 38 ウンベルト・マグリオーリ フェラーリ 2:03.5 + 4.5
14 20 ルイジ・ムッソ マセラティ 2:03.5 + 4.5
15 6 ロベール・マンヅォン フェラーリ 2:04.7 + 5.7
16 10 ピーター・コリンズ ヴァンウォール 2:05.2 + 6.2
17 46 クレマール・ブッチ ゴルディーニ 2:05.5 + 6.5
18 42 フレッド・ワッカー ゴルディーニ 2:08.0 + 9.0
19 8 ホルヘ・ダポンテ マセラティ 2:09.5 + 10.5
20 26 ルイ・ロジェ マセラティ 2:11.0 + 12.0
21 2 ジョヴァンニ・デ・リウ マセラティ 3:47.9 + 1:48.9
ソース:[5]

決勝

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 グリッド ポイント
1 16 ファン・マヌエル・ファンジオ メルセデス 80 2:47:47.9 1 8
2 40 マイク・ホーソーン フェラーリ 79 +1 Lap 7 6
3 38 ウンベルト・マグリオーリ
ホセ・フロイラン・ゴンザレス
フェラーリ 78 +2 Laps 13 2
3
4 12 ハンス・ヘルマン メルセデス 77 +3 Laps 8 3
5 30 モーリス・トランティニアン フェラーリ 75 +5 Laps 11 2
6 42 フレッド・ワッカー ゴルディーニ 75 +5 Laps 18
7 10 ピーター・コリンズ ヴァンウォール 75 +5 Laps 16
8 26 ルイ・ロジェ マセラティ 74 +6 Laps 20
9 18 セルジオ・マントヴァーニ マセラティ 74 +6 Laps 9
10 28 スターリング・モス マセラティ 71 +9 Laps 3
11 8 ホルヘ・ダポンテ マセラティ 70 +10 Laps 19
Ret 34 アルベルト・アスカリ フェラーリ 48 エンジン 2
Ret 22 ルイジ・ヴィッロレージ マセラティ 42 クラッチ 6
Ret 14 カール・クリング メルセデス 36 アクシデント 4
Ret 24 ロベルト・ミエレス マセラティ 34 サスペンション 10
Ret 20 ルイジ・ムッソ マセラティ 32 トランスミッション 14
Ret 32 ホセ・フロイラン・ゴンザレス フェラーリ 16 ギアボックス 5
Ret 6 ロベール・マンヅォン フェラーリ 16 エンジン 15
Ret 46 クレマール・ブッチ ゴルディーニ 13 トランスミッション 17
Ret 44 ジャン・ベーラ ゴルディーニ 2 エンジン 12
DNQ 2 ジョヴァンニ・デ・リウ マセラティ - 予選不通過 21
ソース:[6]

注記

第8戦終了時点でのランキング

ドライバーズ・チャンピオンシップ
順位 ドライバー ポイント
1 ファン・マヌエル・ファンジオ 42 (53 17)
2 ホセ・フロイラン・ゴンザレス 25 17 (26 914)
3 モーリス・トランティニアン 17
4 マイク・ホーソーン 16 914
5 カール・クリング 10
  • : トップ5のみ表示。ベスト5戦のみがカウントされる。ポイントは有効ポイント、括弧内は総獲得ポイント。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ (林信次 2000, p. 101,103)
  2. ^ (林信次 2000, p. 103)
  3. ^ 1954年の開幕前にモスのマネージャーがメルセデスに売り込みに行ったが、「マセラティでも買って結果を残してからの話」と断られている(林信次 2000, p. 99)。
  4. ^ Italy 1954 - Race entrants”. statsf1.com. 2017年11月19日閲覧。
  5. ^ Italy 1954 - Qualifications”. statsf1.com. 2017年11月19日閲覧。
  6. ^ 1954 Italian Grand Prix”. formula1.com. 2014年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月9日閲覧。

参照文献

外部リンク


前戦
1954年スイスグランプリ
FIA F1世界選手権
1954年シーズン
次戦
1954年スペイングランプリ
前回開催
1953年イタリアグランプリ
イタリアグランプリ 次回開催
1955年イタリアグランプリ



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