1500N形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/27 20:25 UTC 版)
1968年、営団は銀座線車両の体質改善の一環として、1000形・1100形・100形合計60両の廃車を実施、代替として1500N形を一挙に30ユニット・60両 (1501 - 1560) 投入した。同時に1200形、1300形の付随車化と、1400形の中間電動車化が実施された。なお、100形のうち101 - 110の10両は当時丸ノ内線方南町支線用であり、これの代替には1500N形投入により2000形を10両 (2031 - 2040) 捻出して対応している。 車体は従来同様普通鋼製で、2000形をベースにしつつも客室窓の天地寸法が縮小され、小型のドア窓と相まって東西線用5000系を中型、鋼製化したようなスタイルとなった。また、設計当初、出力の小さい冷房装置に扇風機を併用した「振り掛け式」と呼ばれる車両冷房の導入が検討されており、その風洞の設置スペースを確保するため屋根のルーバーが車端のごく小さいもののみとなった。実際に1000形2両で冷房試験を実施したが、結局本格導入は見送られた。そのスペースに設けられていた車内の電照式広告は、日本の車両では珍しいものであった。後年、電照式広告は効果が薄いことと室内温度上昇につながることから撤去されたが、痕跡は最後まで残存した。貫通扉は、他形式と連結されるユニットの端部は狭幅、ユニットを構成する両車間 (1501-1502 … 1559-1560) は広幅貫通路とされた。 ブレーキは従来車に併結のため自動ブレーキ方式を踏襲したが、走り装置に1900形・2000形で採用したカルダン駆動を引き続き採用し、主制御器は銀座線では初の電動車MM'ユニット方式となった。主電動機は丸ノ内線用500形のものをベースに出力を85kWに増強したものを採用した。主制御器は日立MMCで、従来車の三菱ABFと異なる。ユニット単独では3.5km/h/sの高い起動加速度を発揮するが、本形式の組込みと引換えに1200形・1300形の付随車化を実施しているので、編成全体の性能はさほど向上しなかった。ただ、1200形・1300形などが全廃された1986年以降には両端が2000形+中間4両当形式という編成に統一された時期のみ、本領を発揮していた。 従来銀座線の車両は電動空気圧縮機 (CP) の回転力からダイナモにより蓄電池に充電されていたが、この1500N形で初めて電動発電機 (MG) を搭載した。 なお、銀座線の従来車にあった無電区間での室内灯の消灯も本形式で解消されたが、そこを通過する際に少し暗くなっていた(出典:種村直樹「新・地下鉄ものがたり」)。
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