1480年代の絵画作品とは? わかりやすく解説

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1480年代の絵画作品

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 09:48 UTC 版)

レオナルド・ダ・ヴィンチ」の記事における「1480年代の絵画作品」の解説

レオナルド1480年代に、非常に重要な絵画2点制作引き受け、ほかに革新的な構成をもつ重要な絵画1点制作開始した。これら3点絵画のうち2点未完終わり、残る1点完成度合い支払巡って長い論争となった未完終わった絵画のうちの1点が『荒野の聖ヒエロニムス』で、美術史家リアナ・ボルトロンはこの絵画レオナルド不遇だった時代作品ではないかとしており、その根拠としてレオナルド日記の「生きること学んできたつもりだったが、単に死ぬことを学んでたらしい」という記述挙げている。 『荒野の聖ヒエロニムス』は描き始め時点放棄され作品だが、極めて異例な構成をもって描かれている。ヒエロニムス苦行者として画面中央一杯描かれ傾けられた顔はやや上を向いている。左膝は地面に付けられており、右手画面端まで伸ばされ視線右手とは反対方向向けられている。J.ワッサーマンは、この作品レオナルドが持つ解剖学の知識反映されていると指摘した前面にはヒエロニムス象徴である大きなライオンが寝そべり、その胴体と尾が別方向カーブ描いている。背景粗く描かれ岩地風景が、ヒエロニムス身体浮かび上がらせている。 『荒野の聖ヒエロニムス』と同様に大胆な構成風景描写さらには人間模様描かれているのが『東方三博士の礼拝』(1481年ウフィツィ美術館)で、サン・ドナート・スコペート修道院修道僧から依頼され作品だった。250cm四方で、非常に複雑な構成採用されている。レオナルドは『東方三博士の礼拝』を制作するにあたって線遠近法描かれ背景古代ローマ建築物など、数多くドローイング習作描いたしかしながら1482年ロレンツォ・デ・メディチから、ミラノ公ルドヴィーコ・スフォルツァへの使者としてミラノ公国へ向かうように命じられたため、『東方三博士の礼拝』の制作未完のまま放棄されてしまった。 この時期描かれもう一つ重要な絵画が『岩窟の聖母』で、ミラノ聖母無原罪御宿り信心会からの依頼による作品である。『岩窟の聖母』は、ジョヴァンニ・アンブロージオ・デ・プレディス(英語版)と弟エヴァンジェリスタ協力した作品で、既に完成していた祭壇を飾る大きな祭壇画として描かれた。レオナルドはこの作品を、聖アンナ聖母マリア幼児キリスト聖家族が、天使守られてのエジプトへの逃避中に幼い洗礼者ヨハネ出会うという、聖書正典ではありえない場面設定した。さらに幼いヨハネキリスト救世主認め祈り捧げている情景表現されている。崩れ落ちそうな岩と渦巻く川を背景にして、青白い顔をした美しい人々が、幼児キリスト愛情込めて崇拝している場面描かれている。『岩窟の聖母』は200cm × 120という比較大規模な作品ではあるが、『東方三博士の礼拝のような複雑な画面構成はなっていない。『東方三博士の礼拝』にはおよそ15名の人物像詳細な建築物描かれているが、『岩窟の聖母』に描かれているのは4名の人物像と岩の洞窟だけである。『岩窟の聖母』は異なヴァージョン2点制作され1点聖母無原罪御宿り信心会の礼拝堂に(ロンドンナショナル・ギャラリーが現在所蔵しているヴァージョン)、もう1点レオナルドの手元に留め置かれ、後にレオナルドと共にフランスへ持ち込まれている(現在パリルーヴル美術館所蔵するヴァージョン)。しかしながら聖母無原罪御宿り信心会が正式に岩窟の聖母』を入手、ないし制作代金支払ったのは16世紀になってからのことだった。

※この「1480年代の絵画作品」の解説は、「レオナルド・ダ・ヴィンチ」の解説の一部です。
「1480年代の絵画作品」を含む「レオナルド・ダ・ヴィンチ」の記事については、「レオナルド・ダ・ヴィンチ」の概要を参照ください。

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