1010F - 1013F
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「東急1000系電車」の記事における「1010F - 1013F」の解説
1990年(平成2年)に製造された。東横線ならびに目蒲線との共通予備編成として4両編成で新製され、東横線においては1010F+1011Fおよび1012F+1013Fの組み合わせで運用されることとなった。これは従来、目蒲線と池上線は18m3扉車という共通規格の車両が使用され、両路線で予備車の共通にすることも可能となっていた。しかし、1989年(平成元年)3月から目蒲線車両は4両編成で運用されることとなり、池上線との共通予備車の確保ができなくなった。このため、東横線で運用されている日比谷線直通用の本系列の一部を目蒲線との共通予備車としたものである。この経緯から、落成当初は編成前後の先頭車の前面形状が異なる異端編成であった。 同4編成は8両編成時における8両貫通編成とのMT比統一目的で3M1T編成とされたため、一部の車両の制御装置は1C4M相当で使用するとともに、各編成の下り方先頭車が制御電動車(デハ1310形)に変更された。また、8両編成での運用時において中間に組み込まれる先頭車4両(クハ1011・1013およびデハ1310・1312)は、連結時に貫通幌を繋げて貫通可能とするため前面貫通扉(非常口)が中央に配置されたことから他車とは外観が異なるほか、運転台の左右寸法が狭くなっている。なお、同4編成は1000N系とも称される。普段は東横線での運用に就いていたが、何らかの事情で目蒲線において車両不足が生じた際などは、4両編成に分割して同線の運用に就いていた。2000年8月6日からは目蒲線が目黒線と東急多摩川線に分離・再編されたことに伴い、編成組み換えなどが実施され、4両編成を2本連結したこのような編成は現存しない(後述)。 1000N系の編成形態 ← 渋谷・北千住・目黒 桜木町・蒲田 → 形式クハ1000(Tc2) デハ1200(M) デハ1350(M2) デハ1310(Mc3) クハ1000(Tc4) デハ1200(M) デハ1350(M2) デハ1310(Mc1) 搭載機器CP CONT SIV,CP CONT CP CONT SIV,CP CONT 車両番号1010伊1012 1210×1212 1360×1362× 1310伊1312 1011伊1013 1211×1213 1361×1363× 1311伊1313 その後、日比谷線直通列車減便に伴い、2000年(平成12年)1月に1012F+1013Fを分割して目蒲線に転用した。その際、両編成の下り方先頭車(デハ1312・1313)を入れ替え、1012Fが標準的な前面形状を有する先頭車、1013Fが前面中央部に貫通扉を有する先頭車でそれぞれ統一された。これは中央貫通構造と非対称貫通構造の先頭車では乗務員室の機器配置が異なるため、両先頭車の種類を統一することで運転士の操作ミス等を防止するための目的である。 その後1012Fは同年4月から6月に、1013Fは同年2月から6月にかけて、目蒲線運転系統分離後の池上・東急多摩川両線における運用に備えてそれぞれ3両編成に短縮の上、ワンマン運転対応改造が施工された。これにより余剰となった中間車2両(デハ1362・1363)は休車となった。編成はデハ1350形が抜かれたため、クハ1000形に同車に搭載していた分の補助電源装置と空気圧縮機を1台追加(クハ1000形は元々1台搭載のため、2台へ)搭載した。 なお、3両編成も目蒲線運転系統分離前の一時期には目黒駅への乗り入れ運用が存在した。 2003年(平成15年)7月から8月にかけ、1010F+1011Fを8両固定編成に組み替えた。編成替えは1010F+1011Fの中間に位置していた両編成の先頭車(クハ1011・デハ1310)を前述休車中のデハ1362・1363と交換する形で行われたが、デハ1363については電装解除が施工されサハ1050形1051と新規形式区分に改称・改番されている。同車は4号車に組み込まれたため、同時に誘導無線アンテナの新設も施工された。この編成替えに伴い、編成間で補助電源装置や空気圧縮機の移設等も実施された(4両編成分割を前提とした機器配置から、8両固定用の機器配置へ)。編成から外れたクハ1011・デハ1310は休車となった。 8両貫通編成化後の東横線用1000N系 ← 北千住・中目黒 菊名 → 号車1 2 ◇3 4 5 ◇6 7 ◇8 形式クハ1000(Tc2) デハ1350(M2) デハ1200(M1) サハ1050(T) デハ1350(M2) デハ1200(M1) デハ1350(M2) デハ1310(Mc1) 搭載機器 SIV,CP CONT CP CONT SIV,CP CONT 車両番号1010伊 1360× 1210× 1051× 1362× 1211× 1361× 1311伊 その後、クハ1011・デハ1310は約6年間長期休車され、2009年(平成21年)中に廃車となり、伊賀鉄道へ譲渡された。 1010Fも更なる日比谷線直通列車減便に伴い、2008年(平成20年)9月下旬に運用から離脱し、2009年(平成21年)中に廃車となった。中間車6両は解体処分されたが、クハ1010・デハ1311はクハ1011・デハ1310同様に伊賀鉄道へ譲渡された(詳細は後述)。
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