̄とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > の意味・解説 

オーバーライン

( から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/02 02:11 UTC 版)

オーバーライン (英語: overline) は、上線(じょうせん[1])とも呼ばれ、文字や文字列の上に強調のために引く線のことである。また、空白文字に対しそれを行った約物のことでもある。

数学などでいくつかの用法を持つ記号であり、文脈の中ではバー: bar)などと呼ばれる。

用法

類似した記号として、長母音表記などに用いられるマクロンがあるので、そちらも参照のこと。

傍線

縦書き日本語文章においては強調のために文字の右側に線を引くことがあるが、オーバーラインは横書きの場合の右線に相当する[2]。これは、横書きになるよう文字の組み方を90度回転させると線は文字の上に来るためである[3]。(一方で欧文では強調は下線を用いることが標準的であり、縦書きにするとこれは左線となる。)

数学

集合 A とその補集合 A を示すベン図

数学一般において、集合の閉包を(特に位相の意味で)表すために用いられる。すなわち、A で集合 A の閉包を表す。

また、他の意味と紛らわしくないとき、補集合を表すためにも用いる。

統計学においては、平均値を表すためにこの記号を用いる。例えばデータ

線分AB

幾何学においては、点Aと点Bをつなぐ線分AB と表すことがある。

循環小数において循環部分を明示するために使われることもある。例えば

カテゴリ
一般的な記号 この表には一部の環境で表示できない文字(一部の記号)があります(Help:特殊文字

マクロン

( から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/12 03:03 UTC 版)

¯
マクロン
ダイアクリティカルマーク
アキュート
´
ダブルアキュート
˝
グレイヴ
`
ダブルグレイヴ
 ̏
ブレーヴェ
˘
倒置ブレーヴェ
 ̑
ハーチェク
ˇ
セディーユ
¸
サーカムフレックス
ˆ
トレマ / ウムラウト
¨
チルダ
˜
ドット符号
˙
フック
 ̡
フック符号
 ̉
ホーン符号
 ̛
マクロン
¯
オゴネク
˛
リング符号
˚
ストローク符号
̸
コンマアバブ
ʻ
コンマビロー
,
無気記号
᾿
非ラテン文字
シャクル  
シャッダ
 ّ
ハムザ
ء
キリル文字  
ティトロ
 ҃
ヘブライ文字  
ニクダー
 ִ
ブラーフミー系文字  
アヌスヴァーラ
 ं
ヴィラーマ
 ्
日本語  
濁点
半濁点
環境により表示できない文字があります
テンプレートを表示

マクロン英語: macron)(¯、◌̄)は、ダイアクリティカルマーク(発音区別符号)の一つで、長音記号ともいう。これに対する伝統的な短音記号はブレーヴェである。

概説

マクロンの名は古典ギリシャ語の μακρόν マクロン 「長い」(中性)に由来する。

古典ラテン語では母音の長短を区別したが[1]、文字の上では区別がなかった。区別するときにはアキュート・アクセントに似たアペックス英語版を使用した。

その後、母音の長短が失われた後に、学習者や研究者が母音の長短を区別するための補助記号としてマクロンを用いた。また、古英語など他の言語に関しても、同様の用途でマクロンを用いることがあった。

現代において、母音の長短を区別する言語のいくつかでは長母音にマクロンを加える。ほかに、アキュート・アクセントを使う言語(チェコ語など)、母音字を重ねる言語(フィンランド語など)がある。

各言語での用法

ラテン・アルファベット

ラトビア語
ā, ē, ī, ū を使用し、長音を表す。
リトアニア語
ū を使用し、/uː/ を表す。
マオリ語ハワイ語サモア語タヒチ語など
ā, ē, ī, ō, ū を、長音を表すのに用いる。
マーシャル語
ā, , ō, ū を用いる。それぞれ /æ/, /ŋ/, /ɤ/, /ɯ/ を表す。
中国語
拼音で、第一声(陰平)の声調の表記に用いる。ā, ē, ê̄, ī, ō, ū, ǖ がある。ただし、ǖ は実際には使われない。詳細はウムラウトを参照。

キリル・アルファベット

タジク語
ӣ, ӯ を使用し、それぞれ /ij/, /ɵ/ を表す。

ギリシャ・アルファベット

現代のギリシャ語では母音の長短は区別されず、マクロンも使用されない。

古典ギリシャ語の学習・研究用に、長母音字の上にマクロンが付されることがある。ᾱ, ῑ, ῡ の3字がある。それ以外の母音字については、文字そのものから長さが明らかなので(ε, ο は常に短く、η, ω は常に長い)、マクロンがつけられることはない。

日本語をアルファベット表記した場合の長音

日本語の長音を表記する場合は、ヘボン式ローマ字長音符マクロンを付加する方法が普及している。行政や交通機関における地名表記、外国人向けの日本語教育など、多くの分野で、このヘボン式ローマ字に長音符マクロンを付加する方式が採用されている[2]

日本国が定めている文字コードでは、JIS X 0208までは長音表記に関する記載が無かったが、JIS X 0213以降、マクロン付きの文字が収録されるようになった。5種類の母音(あいうえお)に対応する大文字(AIUEO)と小文字(aiueo)の合計10種類にマクロンを付けた文字(ĀĪŪĒŌ / āīūēō)が1面9区85点から94点に割り当てられている。順番はアルファベット順でなく対応するカナの五十音順であり、まず大文字(ĀĪŪĒŌ)、その後に小文字(āīūēō)とされている。また、任意の文字に続いて置くことでマクロン付き文字を表せる合成用のマクロン(UnicodeのU+0304に対応)も1面11区59点に収録された。

ほかに、サーカムフレックス (ˆ) を使ったり、母音字を重ねたり、母音の後に h を添えることで長音を表現するような方式もある。詳しくは長音符ローマ字#ローマ字の種別などを参照。

音声記号

国際音声記号では文字の上に付し、中平板調の声調を表す。長母音は /aː / のように表し、マクロンは使用しない。

その他

サンスクリットアラビア語などの翻字において、長母音にマクロンをつけることが一般的に行われている。

満州語メレンドルフ式翻字では、ū を使用する。

一方、セム諸語の翻字では、子音字の下にマクロンをつけることがある。たとえば現代文語アラビア語辞典では、摩擦音の /θ/, /ð/, /x/, /ɣ/ をそれぞれ ṯ, ḏ, ḵ, ḡ で表している( はディセンダの関係で上にマクロンがつく)。また、ヘブライ語の摩擦音化した子音を表すのに、ḇ, ḏ, ḡ, ḵ, p̄, ṯ が使われることがあるほか、ẖ, ẕ でそれぞれ ח‎, צ‎ を表すことがある[3]

Unicode では下つきのマクロンがついた合成ずみの文字として ḻ, ṉ, ṟ を定義しているが、これらはインド系の文字の翻字用に存在している[4]

非ASCII図形文字を多用するプログラミング言語であるAPLにおいて,マクロンは負数であることを示す。 なお,大多数の高級プログラミング言語では負数の表記にU+002D - hyphen-minusが用いられるが,APLでは符号を逆転させる単項演算子である。 例えば配列A42 ¯57に前述の操作をすると(-A),各々の符号が逆転した配列¯42 57が返る。

符号位置

注意: オーバーラインアンダーラインはよく似ているが別の記号である。合成可能な下つきのマイナス(U+0320)も別の記号である。

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
¯ U+00AF 1-9-11 ¯
¯
¯
マクロン
MACRON
ˉ U+02C9 - ˉ
ˉ

MODIFIER LETTER MACRON
ˍ U+02CD - ˍ
ˍ

MODIFIER LETTER LOW MACRON
̄ U+0304 1-11-59 ̄
̄
マクロン(合成可能), 声調中
COMBINING MACRON
̱ U+0331 - ̱
̱

COMBINING MACRON BELOW
大文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 小文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 備考
Ā U+0100 1-9-85 Ā
Ā
ā U+0101 1-9-90 ā
ā
ラトビア語、ハワイ語、マオリ語、中国語(拼音)
Ǟ U+01DE - Ǟ
Ǟ
ǟ U+01DF - ǟ
ǟ
リヴォニア語
Ǡ U+01E0 - Ǡ
Ǡ
ǡ U+01E1 - ǡ
ǡ
Ǣ U+01E2 - Ǣ
Ǣ
ǣ U+01E3 - ǣ
ǣ
古英語
U+1E06 - Ḇ
Ḇ
U+1E07 - ḇ
ḇ
ヘブライ語翻字
U+1E0E - Ḏ
Ḏ
U+1E0F - ḏ
ḏ
アラビア語・ヘブライ語翻字
Ē U+0112 1-9-88 Ē
Ē
ē U+0113 1-9-93 ē
ē
ラトビア語、ハワイ語、マオリ語、中国語(拼音)
U+1E16 - Ḗ
Ḗ
U+1E17 - ḗ
ḗ
U+1E14 - Ḕ
Ḕ
U+1E15 - ḕ
ḕ
U+1E20 - Ḡ
Ḡ
U+1E21 - ḡ
ḡ
アラビア語・ヘブライ語翻字
Ī U+012A 1-9-86 Ī
Ī
ī U+012B 1-9-91 ī
ī
ラトビア語、ハワイ語、マオリ語、中国語(拼音)
U+1E34 - Ḵ
Ḵ
U+1E35 - ḵ
ḵ
アラビア語・ヘブライ語翻字
U+1E38 - Ḹ
Ḹ
U+1E39 - ḹ
ḹ
サンスクリット翻字
U+1E3A - Ḻ
Ḻ
U+1E3B - ḻ
ḻ
タミル語翻字など
U+1E48 - Ṉ
Ṉ
U+1E49 - ṉ
ṉ
タミル語翻字など
Ō U+014C 1-9-89 Ō
Ō
ō U+014D 1-9-94 ō
ō
ハワイ語、マオリ語、中国語(拼音)
Ȫ U+022A - Ȫ
Ȫ
ȫ U+022B - ȫ
ȫ
Ȱ U+0230 - Ȱ
Ȱ
ȱ U+0231 - ȱ
ȱ
リヴォニア語
Ǭ U+01EC - Ǭ
Ǭ
ǭ U+01ED - ǭ
ǭ
U+1E50 - Ṑ
Ṑ
U+1E51 - ṑ
ṑ
U+1E52 - Ṓ
Ṓ
U+1E53 - ṓ
ṓ
Ȭ U+022C - Ȭ
Ȭ
ȭ U+022D - ȭ
ȭ
リヴォニア語
U+1E5C - Ṝ
Ṝ
U+1E5D - ṝ
ṝ
サンスクリット翻字
U+1E5E - Ṟ
Ṟ
U+1E5F - ṟ
ṟ
タミル語翻字など
U+1E6E - Ṯ
Ṯ
U+1E6F - ṯ
ṯ
アラビア語・ヘブライ語・タミル語などの翻字
Ū U+016A 1-9-87 Ū
Ū
ū U+016B 1-9-92 ū
ū
リトアニア語、ラトビア語、ハワイ語、マオリ語、中国語(拼音)
Ǖ U+01D5 - Ǖ
Ǖ
ǖ U+01D6 1-8-89 ǖ
ǖ
中国語(拼音)
U+1E7A - Ṻ
Ṻ
U+1E7B - ṻ
ṻ
Ȳ U+0232 - Ȳ
Ȳ
ȳ U+0233 - ȳ
ȳ
古英語
U+1E94 - Ẕ
Ẕ
U+1E95 - ẕ
ẕ
ヘブライ語翻字
記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 備考
U+1E96 - ẖ
ẖ
ヘブライ語翻字、小文字のみ

脚注

  1. ^ 例えば、esse (エッセ、存在すること)に対して ēsse (エーッセ、食べること)
  2. ^ Wikipedia の各国語版においても日本語の音写時にはこの方式が通用している。
  3. ^ Latin-Hebrew Transliteration Chart”. Unicode, Inc.. 2013年9月21日閲覧。
  4. ^ Latin-Indic Transliteration Chart”. Unicode, Inc.. 2013年9月21日閲覧。

関連項目

  • オーバーライン - 数学において否定を表す時にマクロンと同じような線を引くが、これは否定記号とも呼ばれる「オーバーライン」であり、マクロンとは異なる。
  • 長音符 - 日本語長音を示すもの。

「¯」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「 ̄」の関連用語

 ̄のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



 ̄のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのオーバーライン (改訂履歴)、マクロン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS